接客業を辞めてよかった…退職者のリアルな体験談やおすすめ転職先も紹介
最終更新日 2023年9月28日
私たちの生活において身近な存在であり、頻繁にお世話になっているものの中に接客業があります。近年は無人店もチラホラと出始めましたが、人に接客してもらうことに安心感を覚える人はいまだに多いと思います。
一方で接客業ならではの苦労も多く、時に接客業を辞めたいと思う方もいます。そして、実際に接客業を辞めてよかったと感じている方もも少なくありません。
本記事では接客業を辞めるべきかどうか悩む方やこれから接客業で働こうとしている方を中心に、接客業を辞めたいと感じる理由や、辞めた方がいい人の特徴、そして、実際に接客業を辞めてよかった人の体験談などをご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
接客業を辞めたいと感じる理由
接客業で働く人が、ある日辞めたいと感じる理由として考えられるものが6つあります。
- 土日の休日が難しい
- 接客するのが辛い
- 給料が低くボーナスが少ない
- 立ち仕事が疲れる
- 成長を十分に感じられない
- 人間関係の問題も多い
待遇の悪さや環境の悪さ、やりがいの問題など複合的な理由から接客業を辞めたいと感じ、実際に辞める方もいます。一方で待遇さえ良ければ多少嫌なところがあっても目をつぶる人もおり、待遇面が大きな比重を占めていると言えるでしょう。
ここからは接客業を辞めたいと感じる理由について深掘りしていきます。
土日の休日が難しい
1つ目は土日の休日が難しい点です。
飲食店の場合、土日に家族連れが多く集まるなど土日がかき入れ時になるケースが珍しくありません。すると、土日に稼働することになり、土日に休みを入れるのが難しいケースが生じるようになります。
日本では土日に会社がお休みのところがまだまだ多く、家族や友人と予定を立てる際になかなか休日が合わないことも。その際に、「土日休みの方がいい」と感じたり、「土日に休めないのは嫌だ」とネガティブな気持ちになったりするなど、ストレスがたまりやすくなります。
接客するのが辛い
2つ目は接客するのが辛いことです。
接客業によっては「お客様は神様」という顧客側が店よりも立場が上である考え方に嫌気が差している方もいるのではないでしょうか。我慢しながら接客業をやる中で、いずれ限界を迎えてしまい、接客することへの辛さをより強く感じるケースも珍しくありません。
どれだけ理不尽なことを言われ、罵声を浴びせられても、時に頭を下げ続けなければならず、その際に今まで我慢したものが爆発してしまうことがあります。精神疾患などにつながりやすくなるので、接客に辛さを感じ始めたら要注意です。
給料が低くボーナスが少ない
3つ目は給料が低くボーナスが少ないことです。
接客業はサービス業に分類されることが多いですが、サービス業は全体的に低く、男性では最も低い産業はサービス業、女性で最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」でした。いずれも接客が関わる産業であり、接客業の給料は低いことが言えます。(※)
※:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(産業別)」
拘束される時間が長くて、しかも給料が低いと仕事に対するやりがいを感じにくくなります。コンビニやスーパーマーケットなど人件費のアップが大きなコストにつながりやすいところだとなかなか給料を上げにくいのが実情です。給料が低い状態で耐え忍ぶ時間が続くと、次第に疲弊していくでしょう。
立ち仕事が疲れる
4つ目は立ち仕事が疲れることです。
接客業はいずれも立っていることが多く、座って行う接客業もないわけではないですが、圧倒的に立っているケースが目立ちます。勤務時間はずっと立ちっぱなしということになると、疲れてしまうのは当然です。
見られることが多いのが接客業なので、立ち仕事で足が疲れたという素振りを見せるわけにはいきません。立ち仕事は体力的に疲れが出やすく、若いうちは耐えられるものの、年齢を重ねていく中で次第に我慢がきかなくなります。
成長を十分に感じられない
5つ目は成長を十分に感じられないことです。
コンビニやスーパーマーケットなどの接客業は基本的にスキルが必要なく、テキパキとできればそれで十分という仕事です。すると、誰がやっても同じという意識になりやすく、「この仕事を長く続けても意味があるのか」と成長を必要とされない仕事への疑問が生じやすくなるでしょう。
接客業の中でも常に情報を叩きこんでおかないと務まらない仕事もありますが、基本的には高度なスキルを必要としない接客業が多いです。やりがいが感じられないとやる気が落ちるように、成長が十分感じられない仕事もやる気を維持するのは大変でしょう。
人間関係の問題も多い
6つ目は人間関係の問題も多いことです。
接客業に限った話ではありませんが、どうしても人間の相性において合う合わないは必ず生じます。接客業であればお客さんと接する際の相性もありますし、同僚や上司との相性もあるでしょう。何かしらの部分で人間関係の問題が生じることが起こりえます。
例えば、塾講師の仕事もある種接客業的な要素がありますが、「教え方が嫌だ」、「授業態度が気に入らない」など色んな不満が生じやすく、感情的な対立を生み出すケースも少なくありません。仕事の疲れ以外に人間関係での疲れが生じ始めると辞めたい気持ちが強まりやすくなります。
接客業を辞める方がいい人の特徴
どんな仕事も辛いから少しは我慢しようと苦手な接客業をし続けている方も多いでしょう。しかし、できれば接客業を辞めた方がいい人という人も存在します。
- そもそも接客が苦手な人
- 心身ともに不調が起きている人
- ルーティンワークに飽きている人
接客そのものが苦手だとストレスに感じやすい他、積もり積もって精神的な不調を訴える人も珍しくありません。また、レジ打ちなどルーティンワークになりやすい接客業だと、今やっている仕事に飽きが生じることもあるでしょう。これらのケースに当てはまる人は接客業を辞めた方がいいと言えます。
ここからは接客業を辞めた方がいい人の特徴3つをご紹介します。
そもそも接客が苦手な人
1つ目はそもそも接客が苦手な人です。
苦手なものに向き合っていくことはとてもエネルギーを消費しやすく、疲れやすくなります。これが1日2日程度なら回復に時間はかかりませんが、仕事として取り組み、半年1年と続けていく中で次第に疲弊度合いも高まりやすく、回復に時間がかかり、様々な悪影響が生じやすくなります。
今まで接客が苦手だったのに急に好きになるケースは考えにくく、エネルギーを消費しやすい状態はずっと続きます。悪影響が出始める前に接客業を辞めた方が自分のためと言えるでしょう。
心身ともに不調が起きている人
2つ目は心身ともに不調が起きている人です。
接客を巡ってトラブルになると、過度なストレスがかかりがちです。特にお店に実害が出たり、クレームが入ったりすると責任を強く感じ、落ち込みやすくなります。過度なストレスがかかり続けると適応障害や自律神経失調症などになる場合も。
特に適応障害の場合はストレスが原因なので、ストレスを取り除くことが改善につながります。もしも接客業が強いストレスの要因になっている場合、接客業を辞めることがストレス緩和につながるでしょう。1日でも早く辞めることが回復につながるので思い切って辞めるのも1つの手です。
ルーティンワークに飽きている人
3つ目はルーティンワークに飽きている人です。
常に同じような仕事内容を、毎日のように続けていると次第に仕事に対する飽きが出始めます。飽きが出始めると、前向きな気持ちで仕事に取り組めず、ついつい惰性で取り組んでしまい、様々なトラブルを誘発しやすい状況を作り出します。
ルーティンワークに飽きている段階でその仕事における成長はほとんど期待できません。成長しなくてもできる仕事を続けても将来的に何もプラスではないでしょう。自分を成長させる仕事を行うには、接客業から別の業種に切り替えて挑戦するのがおすすめです。
後悔する?接客業を辞めるデメリット
接客業を辞めた方がプラスに働くことがある一方で、接客業を辞めることでマイナスに働くことも当然存在します。
- コミュニケーションスキルが低下する可能性がある
- 土日に休むことが難しくなった
- 仕事量が残業が増えてしまった
接客業のメリットは対人コミュニケーションのスキルがつきやすい点で、最初は人見知りでも接客を重ねる中でうまくコミュニケーションをとる方法を見いだせるようになります。そのスキルが低下してしまうというデメリットです。他にも待遇面の部分でデメリットが生じやすくなります。
ここからは接客業を辞めるデメリットについて深く掘り下げていきます。
コミュニケーションスキルが低下する可能性がある
1つ目はコミュニケーションスキルが低下する可能性がある点です。
不特定多数の方との接客を重ねていく中でコミュニケーションスキルが色々と磨かれ、自然な笑顔を出せるようになるなど、確実に能力は高まります。プライベートでもプラスに働きやすく、接客業を行うメリットにもなり得る要素です。
その接客業を辞めてしまうことで、不特定多数の方と会う機会は限られてしまうので、自然とコミュニケーションスキルを磨く機会は少なくなります。機会が少なくなる中でコミュニケーションスキルが低下する可能性があるのがデメリットです。
土日に休むことが難しくなった
2つ目は土日に休むことが難しくなったことです。
それまで接客業をしていた方は土日に働くことが当たり前だったので、接客業を辞めたことで土日に休むのが普通になります。しかし、習慣的に土日出勤が定番だったせいで、急に土日に休むのは難しいと感じる人が出てくるでしょう。
一方で結局慣れの部分が大きいので、最初は違和感を感じながらも次第に土日休みに慣れが生まれます。むしろ、平日の休みがいかに貴重だったかを感じる機会も増えてくるでしょう。
仕事量や残業が増えてしまった
3つ目は仕事量や残業が増えてしまったことです。
接客業に限らず、どんな仕事でも仕事量は一定数は存在し、残業もそれなりにあるものです。接客業には接客業の仕事量や残業がありますが、それ以外の業種にもその業種ならではの仕事量・残業が存在します。
違う業種に転職した際、接客業時代とは異なる仕事量、残業に触れる中で、「接客業の方が仕事量も残業も少なかった」と感じた人もいるでしょう。一方で、本当に仕事量や残業が増えるかどうかは転職先次第と捉えることもできます。
実際に接客業を辞めてよかった体験談
接客業をやっていた人の中には実際に接客業を辞めてよかったと感じる人もいます。ここではホテルに就職して働いていた女性の体験談をご紹介します。
ホテルで働き、辞めた女性の体験談
この女性は新卒でホテルに入ったものの、元々接客が得意ではなく、相性が良くなかったと感じていました。そのため、思い切って辞めて異業種への転職を果たし、辞めてよかったと実感したそうです。
辞めて最初に実感したのは「決まった時間で働けることの素晴らしさ」。接客系の仕事はシフトで動くほか、ホテルだと早番や遅番があるため、切り替えのたびに生活リズムを変えなければならず、それがストレスでした。
またホテルで働いていた時は、自分のタイミングでトイレに行けなかったようですが、辞めてから自由に行けるようになったのも辞めてよかったと思える要素です。
一方で「ありがとう」など感謝の言葉を聞く機会が減ったことや平日の休みがとりにくい、土日祝日は混んでいるなど、接客業を辞めた弊害も少なからず存在しているとこの女性は語っています。
接客業を辞めてよかったと思える後悔しないコツ
接客業を辞めてよかったと心から思えて、最大限後悔しないようにするには2つのコツを心掛けましょう。
- 今後のキャリアをじっくりと考える
- 情報収集を徹底する
結局、何も考えずに勢いで辞めてしまうと後でその良さに気づいたり、別業種でもさほど違いを感じなかったりして後悔をしやすくなります。ですので、将来的なことを考え、情報をしっかりと仕入れることが後悔しないコツと言えるでしょう。
今後のキャリアをじっくりと考える
1つ目のコツは、今後のキャリアをじっくりと考えることです。
接客業は嫌だから辞めるという判断はいいにして、今後接客業以外の仕事として何を選ぶのかをしっかりと考えなければなりません。例えば、一切接客をしない職業としてシステムエンジニアや工場系の仕事を選ぶ判断も必要でしょう。
一方、システムエンジニアであってもクライアントとの話し合いは必要であるほか、早番と遅番が交互に来る工場の働き方の方が大変なケースもあります。どんな働き方が時分に合っているのかを踏まえた上でキャリア形成について考えましょう。
情報収集を徹底する
2つ目は情報収集を徹底することです。
正しい判断をするにはたくさんの情報を集めて精査することが大切です。接客業をし続けるメリット・デメリット、接客業を辞めた際のメリット・デメリット、実際に異業種へ転職した方のその後も調べてみることをおすすめします。
実は接客業から別業種へ転職しても、再び接客業に戻るケースがあります。接客の楽しさを再認識したり、感謝の言葉を言われる喜びに気付いたりしたためです。情報収集を徹底していれば事前に気付けたことであり、大きな決断をするからこそ情報収集の徹底が必要と言えます。
接客業を辞めた後のおすすめ転職先
もしも接客業を辞める場合に、どんな職業に転職すればいいのか悩んでいる人は多いでしょう。ここでは3つの職種に注目しました。
- 営業職
- 事務職
- 受付・ホテルスタッフ
コンビニやスーパーマーケットなどの接客業と比べると、営業やホテルスタッフは同じ接客の要素がありながら微妙に異なります。ルーティンワークになりやすい接客業からルーティンワークになりにくい接客業への転職は十分にアリと言えるでしょう。
営業職
1つ目は営業職です。
営業職はバリバリの接客業とは言えないものの、対人コミュニケーションを必要とする意味では接客業にかなり近い仕事です。しかし、受け身の仕事が多い接客業に対し、営業職は能動的に仕事ができ、事前に用意がしやすいのも営業職の特徴。
話術で契約を勝ち取る気持ち良さや入念に用意したプレゼンでお客さんに納得してもらえる喜びなど、同じ対人系の仕事でありながら仕事に対するやりがいや給与面での違いなど、営業職ならではの良さを感じられます。
事務職
2つ目は事務職です。
事務職は不特定多数の方と接する機会がほぼなくなるので、接客業で感じたストレスなどもなくなるでしょう。また決まった時間で仕事の始まりと終わりがやってくるほか、多少間違っても同僚のフォローもきつくなりにくいのも事務職ならではです。
また事務職で得られるスキルは多く、文書作成や表計算作成、簿記など様々なスキルを得られて、どんどん磨けることでキャリアアップにつながることもあります。
受付・ホテルスタッフ
3つ目は受付・ホテルスタッフです。
受付・ホテルスタッフも接客業の1つであり、接客業が元々苦手な人からすれば合わないでしょうが、落ち着いて仕事をしやすく、感謝の言葉を言われやすい仕事なので同じ接客業でもやりがいは感じやすいと言えます。
またルーティンワークになりにくく、様々な経験をしやすいのも特徴的です。大変な仕事ではありますが、遅番になれば多めに休みをもらいやすく、平日にガッツリと旅行に出かけられるので一般的な接客業と比べるとリフレッシュの機会は多いかもしれません。
接客業を辞めてやりたい仕事を見つけよう
「元々接客が向いていない」、「給料が安くてやりがいを感じにくい」など接客業に対する不満を抱いている方もいるでしょう。接客業に不満を抱いている方はすぐに辞めて、やりたい仕事を見つけましょう。
やりたい仕事であれば多少きついことがあっても、やりたい仕事のために我慢できるほか、スキルとして磨かれやすいので、見切りをつけてやりたい仕事にシフトした方がいいことが多いです。
中には辞めたくても、様々な理由を付けて辞めさせてくれない職場もあるでしょう。その場合は退職代行サービスを活用することをおすすめします。退職代行サービスは合法的に退職を目指せるので、余計な体力や労力を費やすことなく、きれいに辞められます。
ただでさえ接客業で強いストレスを感じてきたわけですから、退職代行サービスを活用してストレスなく辞めることも大切です。スッキリとした気持ちで再スタートを切るのに退職代行サービスは適していると言えるでしょう。
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