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部下の退職がむかつく理由6選!相談なしに突然辞めた場合の上司の気持ちや対処法を紹介

部下の退職がむかつく理由6選!相談なしに突然辞めた場合の上司の気持ちや対処法を紹介
この記事の監修者
新野 俊幸(「退職代行」専門家)
自身が会社を退職する際に苦しんだ経験から、日本初の退職代行サービス「EXIT」を2017年に開始。「退職で苦しむ人をなくしたい」という思いで、退職代行を日本に広め続けている。

 

現在の会社を相談なしに辞めたいと考えている方の中には、「円満退社につながるだろうか」「上司がむかつかないか不安」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、部下の退職に上司がむかつく理由や、相談なしに突然辞めた場合の上司の気持ちをご紹介します。

また記事の後半では、部下の退職をむかつかせないための対処法についても解説しています。上司のむかつく気持ちを抑える方法が分かれば、再就職に向けて気持ちを切り替えやすくなるでしょう。

部下の退職で上司がむかつく理由

上司に相談せず部下が会社を突然辞めた場合、上司が部下に対してむかつくケースがあります。部下の退職で上司がむかつく理由はさまざまです。

どのようなことが原因で退職した部下に上司がむかついてしまうのでしょうか。突然辞めた部下に対して上司が抱く代表的な気持ちを紹介します。

上司の評価が下がってしまう

部下の退職で上司がむかつく理由の1つに、上司の評価が下がってしまうことが挙げられます。部下が辞めた原因が上司にあるとして、会社から上司が責められるのです。

例えば、優秀な部下が退職して部署の売上が下がった場合、上司が売上減少の責任を問われることがあります。「彼が辞めたから売上が下がったのではないか」「君のせいで彼が辞めたのではないか」という流れで、部下の退職が上司の評価にも影響を与えかねません。

そもそもほとんどの社員は、自分の給料以上に利益を出しています。社員1人当たりの売上から給料を差し引いた分が、会社の利益として残るためです。

会社にとって明らかに不利益な存在である社員以外は、会社に利益をもたらしています。社員が退職して会社の利益が損なわれると、その社員の上司は評価を下げてしまうことにもなりかねません。その結果、上司は辞めた部下に対してむかつくことになります。

教育費用や時間が無駄になる

部下が退職すると教育費用や時間が無駄になることも、上司がむかつく原因の1つです。会社で活躍できる人材に部下を育て上げるつもりが、部下の退職により全て無駄になってしまいます。

社員を1人雇うために、会社は多くのコストをかけています。入社前の採用活動にかかるコストや新人研修にかかるコストなど、会社が社員に支払っているコストの種類はさまざまです。会社に利益をもたらす前に支払う給料も、コストの1つと言えるでしょう。

さらに、社員を一人前に育てるまでの教育に対しては、先輩や上司の時間的なコストも発生します。自分の仕事があるのにもかかわらず、先輩や上司は部下の教育のために時間を割き、部下のスキルアップのサポートを行います。

部下が相談なしに辞めてしまうと、「彼の教育に割いた自分の時間が無駄になった」と考え、むかつく上司もいるでしょう。教育費用や時間が無駄になったことを会社から責められ、上司が部下にむかつくケースもあります。

裏切られたと思う

部下の退職で上司がむかつく理由には、裏切られたと思う気持ちもあります。部下から事前に相談がなく、突然辞めてしまった場合に抱きやすい気持ちです。

部下に信頼されていたと思っていたのなら、部下の突然の退職にショックを受ける上司も多いでしょう。「自分は彼に信頼されていなかったのか」と感じ、むかつく気持ちも大きくなってしまいます。

逆にパワハラをするような上司でも、本心では部下のことをかわいがっているものです。期待や信頼をしていた部下から退職を申し出られると、裏切られたという思いが強くなります。

また、部下と良好な関係を築けていたと感じている上司は、「なぜ自分に相談してくれなかったのか」と思いがちです。相談されなかったことに失望し、上司としてのアドバイスを求めなかった部下に対してむかつくようになります。

会社の機会損失につながる

部下が退職すると会社の機会損失につながることも、辞めた部下に対して上司がむかつく理由の1つです。機会損失とは、本来得られるはずの将来的な利益を失うことを意味します。

大規模プロジェクトを推進できる人や大きな影響力がある人など、会社にとって優秀な人材を失うことは、大きな機会損失につながります。売上減少に直結するだけでなく、組織の弱体化も招きかねません。

このような社員から相談もなく突然退職を申し出られると、上司としても自分を責めたくなる気持ちになるでしょう。できる限りの手段を使って、その社員の引き留めに尽力するかもしれません。

それでも社員の意思が動かないケースでは、「自分に何か問題があったのだろうか」と、自分を責める気持ちを抱いてしまいます。何も原因が思いつかない場合、辞める部下に対して上司がむかつくこともあるでしょう。

自分が先に辞めようと思っていた

上司も会社を辞めようと思っていた場合、部下が先に退職すると、その部下に対してむかつく気持ちを抱きやすくなります。部下が辞めてしまっているため、自分も続けて退職しにくい状況になっているのです。

辞めた部下に続いて上司も退職しようとすると、高い確率で会社から強く引き留められるでしょう。「彼が辞めたばかりなのに君も辞めたいとは、一体何を考えているんだ」と、会社に常識を疑われる恐れもあります。

自分が先に辞めようと思っていたのにもかかわらず、部下が先に辞めてしまうと、「自分も早く退職しておけばよかった」と後悔することになりかねません。辞めたい会社でもうしばらく働かなければならず、モチベーションも上がらないでしょう。

このようなケースで上司の怒りの矛先が向くのは、先に辞めた部下です。部下には責任がないと分かっていながらも、「彼が辞めたから自分はしばらく辞められない」と思い、退職した部下に対してむかつくことになります。

他の部下にも影響が出ないかと心配

部下の退職で上司がむかつく理由の1つに、他の部下への連鎖を懸念することも挙げられます。1人が辞めることで、他の部下にも影響が出ないかと心配し、むかつく気持ちを抱くのです。

会社にとって優秀な人材が辞める場合に、退職の連鎖が起こりやすくなります。周囲から信頼されている社員や組織への影響力が強い社員が辞めると、自分も辞めようと思う社員が出てきかねません。

「会社が変わってもあの人と一緒に働きたい」「あの人が辞めるのならこの会社に未来はないのだろう」など、残された社員はさまざまなことを感じるものです。カリスマ性のある社員が辞めた場合、部署ごと人がいなくなってしまうケースもあります。

エース社員の退職を皮切りに、次々と部下が辞めていった場合、上司として会社から何を言われるか分かりません。「彼のせいでこんなにも社員がいなくなってしまった」と、最初に辞めた部下に上司がむかつく気持ちを抱きやすくなります。

部下の退職が上司に問題あるケース

上司は部下にとって強い存在であり、逆に部下は上司に意見しにくい立場にあります。上司に納得できない部下は、不満を抱えたまま仕事を続け、そのうち退職を考え始めるでしょう。

上司の管理不足により部下が辞めた場合、退職の責任は上司にもあると考えられます。部下の退職が上司に問題ある主なケースを見ていきましょう。

上司のマネジメントスキル不足

部下が退職する原因の1つに、上司のマネジメントスキル不足があります。組織やチームのマネジメントがうまくいっていない場合、部下にさまざまな悪影響を及ぼしてしまうのです。

例えば、目標設定に関するスキルが不足していると、部下に適切な目標を設定できません。部下が力を発揮できずにやる気をなくし、退職したいと考えるようになります。

計画立案・業務遂行のスキルやコミュニケーションスキル、人材育成のスキルも、適切なマネジメントを行うための重要なスキルです。これらのスキルが不足している場合、部下に不満がたまりやすくなります。

管理職だからといって、十分なマネジメントスキルを備えているとは限りません。チーム全体の管理がうまくできない上司の下では、辞めたいと思う部下も出やすくなるでしょう。

ハラスメント行為を行っている

パワハラやセクハラなどのハラスメント行為を行っている上司も、部下が会社を辞めたいと思う原因になります。自分がハラスメントの対象になっている場合だけでなく、周囲が上司のハラスメントを受けている場合も、上司に嫌気がさしてしまうでしょう。

ハラスメント行為を行う上司には、本来会社が相当の処分を下す必要があります。しかし現実的には、誰にも相談できずに悩みを抱え込んでいるケースが多く、結果として相談なしに突然辞める形になるのです。

パワハラやセクハラを行っている上司の中には、自分で自覚していないケースや、人によって態度を変えるケースもあります。そのような上司の下で働いている部下は、ストレスをためやすくなるでしょう。

また、上司がハラスメント行為を行っている場合、会社に対しても社員が不信感を募りやすくなります。社内のパワハラやセクハラを隠蔽しているような場合、その会社で長く働きたいとは思わない人も多いでしょう。

成長しない仕事ばかり提供している

上司が部下に成長しない仕事ばかりさせている場合も、部下の退職につながりやすくなります。上司から与えられた仕事で部下が成長を感じずに辞める場合、退職の責任は上司にもあると言えるでしょう。

いつまでも同じようなレベルの仕事ばかりやらせていても、部下はなかなか成長しません。部下に向かない仕事や能力の限界を超えている仕事も、部下のやる気を下げてしまいます。

成長しない仕事ばかり提供している上司は、部下が失敗したときに責任を取りたくないと考えている可能性があります。部下の成長より自分の保身を優先しているのです。

しかし、成長が見られない部下が結果的に辞めてしまった場合は、上司が責任を負わなければならないでしょう。「彼が辞めたせいで自分が会社に責められることになった」と、辞めた部下に対してむかつくことになります。

劣悪な労働条件を改善していない

部下が退職する原因として、劣悪な労働条件を改善していないことも挙げられます。残業や休日出勤が多い状況が続いたり、いつまでも給料が上がらなかったりすると、職場の労働条件が嫌になる部下が増えるでしょう。

会社の上司には、部下の意見に耳を傾け、必要なら経営層に改善を働きかける役割があります。労働条件に不満を持つ部下が多い場合、改善につながるかどうかはともかく、やれることをやる上司が信頼されるのです。

しかし、上司が部下の意見を全く聞かなければ、劣悪な労働条件も改善につながりません。上司としての役割を放棄しているような人の下では、モチベーションも下がっていくでしょう。

部下が労働条件に不満を感じているのにもかかわらず、上司が聞く耳を持たずに状況が改善されない場合、上司にも大きな責任があると言えます。部下が辞めた理由を考える前に、上司が自分自身の考えを改める必要があるケースなのです。

部下の退職が上司の問題ではないケース

部下が相談なしに突然辞めたからといって、全てのケースで上司の問題であるとは限りません。退職理由によっては、上司に責任がないこともあります。

部下の退職が上司の問題ではないケースの大半は、部下の個人的な理由での退職です。上司には対処が難しい、代表的な部下の退職理由を紹介します。

家族の事情や引越しなど個人的な理由

部下の退職が上司の問題ではないケースとして、家族の事情や引越しといった個人的な理由での退職が挙げられます。個人的な理由に該当する主な例は次の通りです。

  • 妻の親の介護が必要になり、妻の実家の近くに引っ越さなければならなくなった
  • 結婚・妊娠・出産により働けなくなった
  • 子供が他県に進学するため、一緒に引っ越すことになった
  • 家業を継ぐことになった

上記のような理由で退職する場合は、上司や会社からの引き留めが行われないことがほとんどです。退職理由をきちんと上司に伝えれば、むかつくどころか協力的な態度をとってくれる上司もいるでしょう。

上司にとっても、自分の責任で部下が辞めるわけではないため、会社から責められる心配をする必要がありません。家族の事情や引越しなどを理由に部下が退職する状況は、円満退社を実現しやすいケースです。

キャリア変更の望み

部下がキャリア変更を希望する場合も、部下の退職に上司の責任はほとんどありません。キャリア変更とは、現在働いている業界や職種から離れ、未経験の業界や職種に転職することです。

キャリア変更を望む人は、以下の2パターンに大きく分けられます。

  • 現在の業界や職種が自分に合っていなかった
  • 妥協して現在の業界や職種に飛び込んだが、前からやりたかった別の業界・職種がある

上記いずれの理由で転職する場合も、その人の考え方が大きく影響しています。上司がいくら頑張っても、キャリア変更を望む部下の気持ちは変わらないでしょう。

キャリア変更を希望するケースでは、未経験の仕事を始めることになるため、今より収入が下がる可能性もあります。そのようなリスクを背負ってでもキャリアを変更したいという人の気持ちは、なかなか変えられないものです。

他の会社からオファーを受け取った

部下の退職が上司の問題ではないケースとして、他の会社からオファーを受け取ったことを理由に部下が辞めることも挙げられます。今の会社より給料や待遇が良いオファーを受ければ、誰でも転職に気持ちが揺らぐでしょう。

このケースは部下のキャリアアップであり、部下が仕事を頑張って成果を出し続けた結果です。理解のある上司なら、他の会社からオファーを受けて退職する部下に対し、「おめでとう」のひと言が言えるでしょう。

ただし、他社からオファーがあるほどの社員は、自社にとっても優秀な人材であることがほとんどです。大きな利益を生み出せる社員を引き抜かれた会社や上司は、オファーを出した会社に対してむかつくこともあります。

部下の退職をむかつかせないための対処法

相談なしに突然部下が辞めることになった場合は、上司がむかつきやすくなります。円満退社を望んでいても、上司がむかついていると気持ちよく退社できないでしょう。退職日までに嫌がらせを受ける恐れもあります。

自分の退職により上司がむかつかないようにするためには、ポイントを押さえた行動をとることが重要です。部下の退職をむかつかせないための対処法を紹介します。

引き継ぎの手配を行う

部下の退職で上司がむかつかないための対処法として、引き継ぎの手配を行うことが挙げられます。後任者ときちんと引き継ぎを行っておけば、上司の怒りも収まりやすくなるでしょう。

引き継ぎの手配なしで部下が辞めた場合、業務が分からない後任者が混乱するため、上司も手を焼くことになります。引き継ぎを放棄して退職した部下に対し、むかつく気持ちがますます強くなるでしょう。

後任者と引き継ぎを行う際は、口頭での説明だけでなく、業務の内容や流れを文書に残しておくことがポイントです。一度マニュアルを作っておけば、その業務を誰でも行えるようになるため、上司も安心してマネジメントを行えます。

また、引き継ぎは退職日までに完了させることが大切です。退職日から逆算してスケジュールを組み、業務内容が多い場合は要点だけでも引き継げるようにしましょう。

感謝の意向を示す

退職の意思を上司に伝える際は、感謝の意向も併せて示すのがおすすめです。「今までありがとうございました」と伝えるだけで、上司のむかつく気持ちを抑えやすくなります。

黙って退職した部下に上司がむかつく大きな理由の1つに、「自分に責任があったのではないか」と上司自身が考えてしまうことが挙げられます。しかし、部下から感謝の意向を伝えられれば、上司も悪い気はしないでしょう。

実際は上司が嫌で会社を辞める場合も、上司をむかつかせないようにするためは、感謝の意向を示すことが重要です。退職する部下に感謝されていい気になった上司を見るのは気分が悪いかもしれませんが、そこはグッと我慢する必要があります。

退職する時期を考慮する

部下の退職で上司がむかつかないようにするためには、退職する時期を考慮することも大切です。時期を考えずに退職すると、上司をむかつかせる原因となるケースがあります。

退職する時期として最も避けたいのが、会社の繁忙期です。忙しい時期に部下に辞められると、上司がむかつきやすくなってしまいます。

ボーナスをもらった直後の退職も、印象が悪くなるため避けたほうがよいでしょう。求人が多い時期は新しい社員に業務を引き継げるため、退職する時期としておすすめです。

上司がむかついても部下には退職する権利がある

社員が会社に退職を申し出た場合、原則として会社は退職を認めなければなりません。社員には基本的にいつでも雇用契約を解消する権利があるためです。

上司がむかついていても、部下の退職する権利は保護されます。雇用契約は社員と会社の間で交わされているものであり、上司と部下との間に契約関係はありません。上司は部下の退職に絡めないのです。

それでもなお、むかついた上司が原因で円満退職が困難な場合は、退職代行サービスの利用を検討しましょう。退職代行サービスならスムーズな退職につながる上、精神的に疲弊することなく退職できるため、再転職に向けて気持ちを切り替えやすくなります。

退職代行サービス「EXIT」