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泣くほど専門学校を辞めたい…よくある辞める理由〜状況別の対処法を解説

泣くほど専門学校を辞めたい…よくある辞める理由〜状況別の対処法を解説

最終更新日 2023年6月2日

この記事の監修者
新野 俊幸(「退職代行」専門家)
自身が会社を退職する際に苦しんだ経験から、日本初の退職代行サービス「EXIT」を2017年に開始。「退職で苦しむ人をなくしたい」という思いで、退職代行を日本に広め続けている。

専門学校に入学した後、授業や人間関係で悩みを抱えて、泣くほどストレスを感じる学生がいます。学生によっては、辞めたいと考えることもあるでしょう。

本記事では、泣くほど専門学校を辞めたいと考えている学生に向けて、対処法を詳しく解説します。辞める理由や、親の説得方法なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

専門学校を辞めたい人…中途退学率は◯%

 

専門学校を辞めた人は、令和2年度で5.53%、令和3年度で5.81%となっており、ここ数年はおおよそ5〜6%前後で推移しています。5%というと少なく感じるかもしれませんが、毎年25,000人前後が中退している状況です。

令和元年からは新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、退学をした方もいます。しかし、本調査においてコロナ関連で退学したと答えた学生は0.5%程度に留まっており、コロナ以外で退学した学生が大半です。

つまり、コロナウイルスの感染拡大とは別の問題で、毎年おおよそ25,000人ほどが専門学校を退学している状況となっています。

【参考:文部科学省『大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について(周知)』】

泣きたくなるほど専門学校を辞めたくなる4つの理由

泣きたくなるほど専門学校を辞めたくなる理由としては、さまざまなものがあります。主な理由としては、経済的な問題から、学校とのミスマッチなどが考えられるでしょう。文部科学省の調査においては、下記のような理由が多いと分かりました。

泣きたくなるほど専門学校を辞めたくなる4つの理由

  • 学生生活不適応・修学意欲低下
  • 就業・起業等
  • 学力不振
  • 心身耗弱・疾患

専門学校を辞めたくなる理由としては、ストレスや無気力といったネガティブなものだけでなく、就業・起業などのポジティブなものもあります。以下の項目で、それぞれの理由について詳しく解説しますので、参考にしてください。

学生生活不適応・修学意欲低下

学生生活不適応や修学意欲低下は、退学理由として最も多いものです。文部科学省の調査においては、退学者全体のうち22.7%が不適応・意欲低下で退学したと回答しました。学生生活に適応できなくなったり、意欲が低下したりする原因としては、以下のようなものが考えられます。

学生生活不適応・修学意欲低下になる原因

  • 生活環境が大きく変わった
  • 課題が多すぎる
  • イメージしていた授業内容と違った
  • 周りのレベルが高すぎる・低すぎる

学生生活不適応や修学意欲低下に陥ってしまう場合、周りの環境が大きく影響しています。教員との相性や、学生のレベルなどから、入学前に抱いていたイメージとのギャップが生じて、退学したいと考えるケースが多いでしょう。

また、生活環境が大きく変化して、心や身体が付いていかなくなってしまうケースも考えられます。大量の課題に忙殺されてしまい、精神的ストレスによって退学する学生もいるでしょう。

就業・起業等

就業や起業のために専門学校を辞めるケースもあります。文部科学省の調査においては、退学者全体のうち14.3%が就学・起業等のために退学したと解答しました。

就学や起業に関しては、ポジティブな気持ちで退学する学生が多い一方で、精神的に追い込まれてしまい退学する学生もいます。今の専門学校にいて、将来は大丈夫なのかといった不安が大きくなってしまうためです。

心身が耗弱になってしまう原因

  • 課題・やるべきことが多すぎる
  • 専門学校を卒業した後の不安
  • 新たにやりたいことができ、挑戦できないストレス

専門学校は卒業までに200万円以上かかるのが一般的です。今のままでは将来が心配だけど、お金が無駄になるから退学できないと考えて、どの選択をしても辛いと感じるケースが少なくありません。

また、新たにやりたいことができたため、別の学校へ就学もしくは起業したいと考える学生もいます。しかし、金銭的な不安や、同年齢よりも不利な状況になるのではと心配になってチャレンジできず、ストレスが大きくなってしまうケースもあるようです。

学力不振

文部科学省の調査において、学力不振で専門学校を辞める学生は、退学者全体の14.0%でした。専門学校は特定の分野に特化して学習を進めていくため、入ってみて勉強がうまくいかなかった場合、成績を戻すのがかなり難しくなってしまいます。

大学であれば転科して、より適性のある学科で勉強できます。しかし、専門学校は大学ほどコース・学科が細分化されていないことが多いため、リカバリーが難しいでしょう。

学力不振になると毎日の授業が苦痛になってしまうので、泣くほど辞めたいと感じるようになります。

心身耗弱・疾患

心身耗弱(しんしんこうじゃく)や疾患とは、いわゆる体調不良です。学校生活でのストレスや、持病の悪化などによって、退学を余儀なくされるケースがあります。

心身耗弱・疾患になる原因

  • 持病が悪化した
  • 学校生活のストレスで鬱になった
  • 健康診断で大きな病気が発覚した
  • 成人病になった

心身耗弱・疾患であれば、早急に休学もしくは退学したほうがよいでしょう。学校生活のストレスが原因の場合も、いじめや先生からの暴言などによるものであれば、すぐに退学すべきです。

ただし、持病の悪化や成人病など、学校が原因でない場合は、休学したほうが良いケースも少なくありません。医師とも相談したうえで、慎重に対応を進めましょう。

【状況別】泣きたくなるほど専門学校を辞めたい場合の対処法

泣きたくなるほど専門学校を辞めたい場合、どのように対処するかは、辞めたい理由によって大きく異なります。まずは、自分がどうして辞めたいと感じているのかを、正確に把握しましょう。

泣きたくなるほど専門学校を辞めたい場合の対処法

  • 生活環境が変わった場合
  • やりたいことが明確な場合
  • 学業についていけない場合
  • 人間関係で悩んでいる場合

この後の項目では、辞めたい理由に合わせた対処法をご紹介します。上記のような理由で専門学校を辞めたくなっている学生の方は、ぜひ参考にしてください。

生活環境が変わった場合

生活環境が変わって専門学校を辞めたくなった場合は、まず親に相談しましょう。例えば、進学とともに一人暮らしを始めて、心身にストレスがかかってしまったなら、休学して実家で休むといった対処法も考えられます。そのほかにも、以下のような対処法が考えられるでしょう。

対処法リスト

  • 休学して実家に帰省する
  • 実家から通える専門学校や就職先を探す
  • 学校内で、一人で過ごしやすい場所を探す
  • 資格勉強など、空き時間にできることを見つける

環境変化によるストレスを軽減すれば、専門学校を辞めずに済むかもしれません。また、辞めることになっても、親にしっかりと相談していれば、退学から次の進路を探すまでがスムーズになるでしょう。

また、学校での人間関係に適応できない場合は、学校内に一人で過ごせる場所がないか探すのがおすすめです。図書室のように一人でも過ごしやすい場所で過ごせば、人間関係のストレスを減らして学校生活を送れます。

やりたいことが明確な場合

やりたいことが明確にあって専門学校を辞めたい場合は、まず先生や親に相談しましょう。今の学校にいながら準備できることや、辞めてからどうすべきかなどが明確になります。また、想像していなかった課題に気付くきっかけにもなるでしょう。

対処法リスト

  • やりたいことを明確化する
  • 夢に向かってやるべきこと、課題を一覧にする
  • 親や先生に相談する

大人に相談する際は、まず「何がしたいのか」「そのためにまず何をすべきか」「どんなことが課題か」といった事項を明確にしておきましょう。夢や課題があいまいだと、大人からは「逃げてるんじゃないか」「在学しながらでもできるんじゃないか」と思われてしまいます。

きちんと相談に乗ってもらうためには、その夢に対する熱量をしっかりと伝えなくてはいけません。熱意を高めるためにも、徹底した事前準備が重要です。

学業についていけない場合

学業についていけず辞めたいと考えている場合は、まず先生に相談しましょう。やりたい分野の勉強なのであれば、先生のサポートを受けながら続けたほうが良いかもしれません。また、勉強の方法を工夫して、学業についていけるようになる可能性もあります。

対処法リスト

  • 先生に相談する
  • ついていけない理由を考える(適性、先生との相性、興味関心)
  • もし辞めるとしたら、今後どうするかを考える
  • 転学する場合は、転学先ならついていける根拠を示す

もし転学を考える場合は、今の学校と転学先がどう違うのかを、具体的に説明できるようにしましょう。転学にはお金がかかり、親の支援が必要になるケースが多くあります。親を説得するためには「なぜ今の学校だとダメなのか」「なぜ転学先ならうまくいくのか」を説明できなくてはなりません。

また、学校を辞めて就職するのであれば、就職先の目星を付けておく必要があります。将来的なことが何も決まっていない状態で退学すると、その後の進路で苦労するかもしれません。周囲の大人を説得するためにも、退学後をきちんと考えたうえで、相談しましょう。

人間関係で悩んでいる場合

人間関係で悩んでいる場合は、仲の良い友人に相談しましょう。人間関係のトラブルがあったとしても、味方がいれば不安が和らぎます。

仲の良い友人がいない場合は、親に相談するのがおすすめです。自分の特性を理解したうえで、何かアドバイスをくれるかもしれません。場合によっては、転学に関する資金援助をしてくれる可能性もあるでしょう。

対処法リスト

  • 仲の良い友人に相談する
  • 親に相談する
  • 学校以外で居場所を作る(学外サークル、バイトなど)

周囲に相談できる人がいなければ、学校以外で居場所を作るのもおすすめです。学外のサークルに加入したり、新しいバイトを見つけたりすれば、新たな友人が作れます。

泣きたくなるほど専門学校を辞めたいけど親を説得できない場合の3つの対策

泣きたくなるほど専門学校を辞めたいと思っていても、自分の気持ちが親に伝わるとは限りません。場合によっては、退学を許してくれない可能性もあります。専門学校を辞めるにあたって親を説得する場合は、以下のポイントをおさえておきましょう。

親を説得できない場合の3つの対策

  • 信頼のおける友人・家族に相談する
  • 親に感謝していることを伝える
  • 中退後何をしたいかを話す

上記のようなポイントをおさえておけば、親から反対された場合でも、説得しやすくなります。各ポイントについて以下でそれぞれ解説しますので、参考にしてください。

信頼のおける友人・家族に相談する

まずは信頼できる友人や家族に相談して、意見を固めましょう。泣くほど専門学校を辞めたい場合、強いストレスがかかっており、判断力が落ちている可能性があります。周囲に相談すると、今まで見えていなかった選択肢や課題に気付いて、退学に関する考えが深まるはずです。

また、周囲に相談して味方を増やしておけば、説得しにくい相手にも対応しやすくなります。例えば、母親は理解してくれそうでも、父親が理解しなさそうであれば、まず母親を味方につけるのです。味方を増やせば、より説得しやすくなり、スムーズに退学できます。

親に感謝していることを伝える

親を説得する際には、必ず感謝の気持ちを伝えましょう。特に学費を払ってもらっている場合には、これまで払ってくれた学費に対する感謝をきちんと伝えてください。

専門学校を辞めたいと言ったら、親は「高い学費を払ったのに」「お金が無駄になる」と感じます。せっかく学費を払ったんだから、最後まで通いなさいと説得されるかもしれません。

親に感謝を伝えておけば、学費に関しても理解を得やすくなります。また、これまで育ててくれた感謝も一緒に伝えると、より自分の意見を聞いてもらいやすくなるでしょう。

中退後何をしたいかを話す

親を説得するために大切なのが、将来のビジョンです。将来のことが何も決まっていないと、親は「家に引きこもるんじゃないか」「仕事に就けず苦労するんじゃないか」と心配になってしまいます。

親の不安を取り除き、新しいチャレンジを応援してもらうためには、退学後に何をしたいかを明確化しておくのがとても大切です。退学後にやりたいことが分かっていれば、親も判断しやすくなります。

また、退学後のことを真剣に考えるのは、自分のためにもなります。今は泣くほど辞めたい学校でも、勢いで辞めてしまえば、後悔するかもしれません。本当に辞めるべきかを考えるためにも、親に相談するまえに、じっくりと人生設計をしましょう。

まとめ

泣くほど専門学校を辞めたいと感じている場合は、まず原因を明確にしましょう。原因を探ることで、どう対応すべきか、本当に辞めるべきか、辞めた後どうするかが定まります。

退学する原因や、辞めた後のことが定まっていないと、親や学校関係者を説得するのは難しいでしょう。退学に関して、自分がどれだけ考え抜いたかが伝われば、きっと周囲の大人も退学を後押ししてくれます。

ただし、学校でのいじめや先生からの暴言などで悩んでいる場合は、すぐに休学・退学を申し出ましょう。すぐに対応しないと、心身に重い病気を患い、治療に長い時間がかかるかもしれません。出席日数や学費のことなど不安が生じても、絶対に無理はせず、信頼できる大人に相談して対応を進めてください。