即日可能?バイトを今すぐ辞めたい時に使える理由や辞めるためのポイント

「入ったばかりのバイトはどのような理由ならすぐ辞められる?」
「バイト先が合わないけれど、シフトが残っていて辞められそうにない」
上記のような悩みを抱えていながら、バイトをすぐ辞めたいと思いつつ勤め続けている方も多いのではないでしょうか。
バイトは民法に定められる条件を満たせばすぐ、仮に働き始めて1日しか経っていなくても辞められます。とはいえ、社会人としては可能な限り誠実かつ円満に退職したいものです。
退職理由と円満に辞めるためのポイントを知っておけば、スムーズかつ後悔せずに退職できるでしょう。
本記事では、バイトをすぐ辞められる理由と使える退職理由をご紹介します。円満に辞めるために重要なポイントとどうしてもすぐに辞めたい時に有効な手段についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
バイトをすぐに辞めたいけど可能?
結論から言うと、バイトをすぐに辞めるのは可能です。ケースによっても異なりますが、条件さえ揃えば即日でも退職できるでしょう。辞めるための条件は、法律によって下記のとおり定められています。
- 法律上、2週間前に辞める意思表示が必要
- やむを得ない理由なら即日で辞められる
それぞれ詳しく解説します。
法律上、2週間前に辞める意思表示が必要
契約が満了する時期を明確に定めていないバイトの場合、民法第627条に定められているとおり、辞めるためには2週間前までの意思表示が必要です。
“当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。”
引用:民法|e-Gov法令検索
上記のケースでは、退職に雇用主の許可はいりません。
一方、雇用期間があらかじめ定められているバイトでは、原則として契約満了までは辞められません。しかし、同一のバイトで働き始めてから5年以上経過していれば、契約期間の定めがない雇用の場合と同様、2週間前までに申告すればいつでも辞められるのです。
“(期間の定めのある雇用の解除)
第六百二十六条 雇用の期間が五年を超え、又はその終期が不確定であるときは、当事者の一方は、五年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。
2 前項の規定により契約の解除をしようとする者は、それが使用者であるときは三箇月前、労働者であるときは二週間前に、その予告をしなければならない。”
引用:民法|e-Gov法令検索
そもそも、法律の定めとは関係なく、バイト先の許可が得られたら即日で辞められるケースも少なくありません。
他方で、働き始める時に受け取る雇用契約書に、退職に関する規定が定められている場合もあります。たとえば「辞めるには1ヶ月前までの申告が必要」などと定められているならば、基本的にはバイト先の規定に従うほうがいいでしょう。
トラブルを避けるためにも、双方が納得する形で辞められるよう話し合う必要性があります。
やむを得ない理由なら即日で辞められる
上記の規定にかかわらず、民法第628条では雇用主が退職を許可せざるを得ないと判断する事情があるならば即日で辞められることも定められています。
“当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。”
引用:民法|e-Gov法令検索
「やむを得ない理由」とは、次のようなケースが該当します。
- パワハラ・モラハラを受けている
- バイト先でいじめの被害にあった
- 病気や体調不良、ケガにより就業が困難になった
- 遠方に引っ越すため通勤が難しくなった
- 家族の事情
- 契約時に聞いていた内容を明らかに超えた範囲の業務をさせられる
- 給料が支払われない
上記の理由で即日での退職を希望した際、仮に損害賠償を請求される可能性も考えられます。。しかし、法律に触れていなければ損害賠償を請求されず心配する必要がないでしょう。
バイトをすぐに辞めたい時に使える退職理由
バイトをすぐに辞めたい場合には、下記3点のような職場側ではどうしようもない理由を申告すればスムーズに退職しやすくなります。
- 学業が忙しい
- 家庭の事情
- 健康上の問題
もちろん嘘は良くありませんが、円満に済ませたい時には本当の事情をストレートに伝えないほう良いケースもあるでしょう。
学業が忙しい
高校生や大学生の場合、学業が理由であれば引き止められにくいです。学生の本分は勉強であり、バイトがその妨げになるのであれば仕方がないと判断されるのが一般的だからです。
具体的には、次のような退職の伝え方が考えられます。
- 「大学の研究が来月から忙しくなります。大変勝手ながら、将来のために学業を優先したいので辞めさせていただきたいです。」
- 「バイトに励んでいたら勉強と両立できず、成績が芳しくない状況です。親からも勉強に専念するよう言われたため、申し訳ありませんが今月いっぱいで辞めさせていただきたいと考えています。」
- 「資格取得を目指してダブルスクールを開始することが決まりましたので今月のシフトが終わり次第、辞めさせていただけないでしょうか?もとより、これまでバイトをしていたのは専門学校の学費を稼ぐためでした。」
学業を理由に辞める際の重要なポイントは、職場への不満などを伝えるのではなく、あくまでも前向きな理由を伝えて辞めることです。将来に向けて頑張る意思を伝えることで、バイト先の責任者が背中を推してくれるケースもあるかもしれません。
家庭の事情
家庭の事情により勤務継続が難しいのであれば、やむを得ないと判断されるでしょう。具体的には、次のような理由が挙げられます。
- 「家族がケガしてしまい、治るまで日常の動作をサポートすることになりました。今後しばらくはイレギュラーな事情で出勤できない日が増えるかもしれません。バイト先にご迷惑をおかけするわけにはいきませんので、申し訳ありませんが辞めさせてください。
- 「家業を継ぐため今から手伝いを始めることになりました。家業とバイトの兼業は時間的に厳しいため、大変恐れ入りますが辞めさせていただけませんか?」
家庭や家族の事情を伝える場合、もし詳しい事情の説明を求め得られても必ずしも答える必要はありません。また、事情を偽って大袈裟な内容を伝えるのは心配をかけてしまうのでやめておきましょう。
健康上の問題
健康上の問題を抱えている場合は、退職せざるを得ない正当な理由になります。体調不良の人を働かせ続けることで病状の悪化や労災に発展するケースがないとは言い切れないため、バイト先としても引き止められないからです。
辞める意思の伝え方としては、下記のような例が挙げられます。
- 「最近、体調不良が続いており病院で検査を受けたところ、医師から休養するよう勧められました。しばらくゆっくり休み、体調を万全にしてから今後のことを考えたいのでバイトを辞めさせていただきたいと考えています。」
- 「腕を負傷してしまい、治るまで安静にするよう指示されています。この状態では業務に支障をきたしお役に立てそうにないため退職の許可をいただきたいです。」
理由を伝える際は、バイト先に迷惑をかけてしまわないために辞めると決めた旨を添えておくと不誠実でないことを理解してもらえるでしょう。
バイトを円満に辞めるためのポイント
バイトを円満に辞めるためには、最低でも以下3つのポイントを押さえておくのがマナーだといえます。
- なるべく直接伝える
- 貸与品は必ず返す
- 自分の都合で飛ばない
自己都合で辞めるからには、最大限の真摯な姿勢を示すほうが良いでしょう。
なるべく直接伝える
辞める意思を申告する際は、可能であれば直接会って伝えてください。大きなケガや病気で動けない状況であれば仕方ありませんが、電話やメール、LINEなどで伝えるのは避けるほうが無難です。
退職の申し出は、職場側にとってうれしい知らせではありません。退職の伝え方に問題があると反感を買い、トラブルの元になる可能性があります。辞めるとは言いにくいものですが、マナーを守って辞めるほうが円満に辞められるでしょう。
伝える時ははっきりと、辞める事情を端的に伝えてください。曖昧な言い方をすると、引き止められてなかなか辞められない事態になりかねません。
また、事前に退職に関する相談があると伝えて話し合いの時間が取れそうな日がないか予定を聞いておくことをおすすめします。いきなり退職を言い出すより、事前にバイト先が準備できるよう配慮するのが大切です。
貸与品は必ず返す
ユニフォームや文房具などの備品は必ず返却してください。最低限のマナーとして、借りたものはきちんと返さなければなりません。返し忘れがあると、退職後にまた職場に行かなくてはならない可能性があります。
郵送で返却する手もありますが、事前に返却しておくほうがトラブルに繋がりにくいでしょう。
また、大したことのないように思える書類であっても、バイト先の物は勝手に処分してはいけません。情報漏洩を避けるためにも、データ等の返却しそびれがないかも十分に確認してください。
自分の都合で飛ばない
自分の都合で音信不通になり勝手に辞める行為、いわゆる「飛ぶ」ことはやめましょう。
辞めたいけれど言いづらいという理由から、飛んでしまおうと思う人が少なからず存在するのは事実です。しかし自己都合で飛ぶのは契約違反であり、最悪の場合は損害賠償を請求される可能性もあり得ます。
社会人として、辞める際は誠実な対応を心がけたいものです。欠けた人員の穴埋めにはある程度の時間がかかるため、退職の意思は可能であれば1ヶ月程度の余裕を持って相談しましょう。
どうしてもバイトをすぐ辞めたい時は退職代行もあり
どうしてもバイトをすぐに辞めたい事情がある時は、退職代行を利用するのもひとつの手です。また、バイト先に自分で辞めると伝えることに抵抗がある方やもう職場に顔を出したくない際にも退職代行が便利でしょう。
退職代行を利用すれば、次のようなメリットが得られます。
- すぐに辞められる
- 自分で伝えるより精神的負担が減る
- 引き止められる心配がない
- 退職の際の手続きも代行してもらえる
- 申し出にくい給料の請求を自らする必要がない
- 有給を消化したうえで辞められる
未成年の方が退職代行を利用する場合には、保護者の同意が必要です。バイトを辞めたいけれど辞めづらい事情がある方は、まず保護者の方に相談してみましょう。
バイトをすぐに辞めたい時のQ&A
バイトをすぐに辞めたい方からは、よく次のような質問が寄せられます。
- Q1.すぐに辞めた場合の給料はどうなる?
- Q2.学生の一般的な辞めるタイミングは?
上記の質問に対するアンサーを示すので確認しましょう。
Q1.すぐに辞めた場合の給料はどうなる?
バイトを始めてすぐに辞めた場合であっても、1日でも働いていれば辞める日まで勤務した分の給料をもらう権利があります。
労働者の賃金に関しては、労働基準法第24条において以下のとおり定められています。
“賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。(後略)”
上記の規定があるため、給料を支払わないのは法律に反する行為だといえます。
「辞めるのに給料をもらってもいいのだろうか……」と悩む方もいるかもしれませんが、働いた分の対価を受け取るのは労働者として当然の権利です。
給料を支払ってもらえない場合は、公共職業安定所や労働基準監督署に相談してみることで適切なアドバイスが受けられるでしょう。
ですが、参加が必須ではない研修期間内に辞めた場合は、給料が発生するかどうかは職場の判断によることもあります。支払いの可否について、納得いく方法を話し合う必要があるでしょう。
Q2.学生の一般的な辞めるタイミングは?
株式会社リクルートの調査では、アルバイトを辞めた経験がある大学生に退職までの期間を聞いた結果、以下の回答が得られました。
順位 | 大学生がバイトを辞めるまでの期間 | 複数回答 |
1位 | 1年以上続けて退職 | 32.6% |
2位 | 6ヶ月〜1年以内 | 28.3% |
3位 | 3ヶ月〜6ヶ月以内 | 20.4% |
4位 | 1ヶ月〜3ヶ月以内 | 18.7% |
5位 | 2週間〜1ヶ月以内 | 12.0% |
6位 | 即日 | 4.8% |
7位 | 1週間以内 | 4.3% |
8位 | 1週間〜2週間以内 | 4.2% |
この結果、大学生は半年以上続けてからバイトを辞めるのが一般的なタイミングだと分かりました。他方で、短期間でバイトを辞めている人も全体の2割程度います。
学生ならではの退職理由としては、受験や就職活動の始まりがキッカケです。もしくは、就活終了から入社日までの間に辞めている大学生も少なくありません。
Q3.シフトが残っていても辞められる?
シフトが残っていたとしても、以下の方法で辞められます。
- バイト先に相談する
- 有給を使う
- バイト先のほかのメンバーにシフトを代わってもらう
やむを得ない理由で辞めるならば、バイト先が事情を汲んでくれる可能性があります。すぐに辞めさせてもらえる場合もあるため、まずは相談を検討しましょう。
同じバイト先で働くメンバーに頼んで代わってもらえれば、シフトに穴を開けることなく辞められます。自分のシフトが多い場合は、複数人にお願いして負担を分散させたほうが親切でしょう。また、シフトを代わってもらった人には必ずお礼をするようにしたいものです。
シフトの日に有給を使う形で辞めることもできます。有給は、パートタイマー・アルバイトにも付与される権利です。雇用者側は、繁忙期でない時季にずらすことはできても、有給を与えないことは許されません。
有給を取得できる条件および付与される日数は、週当たりの労働日数が5日以上、労働時間が30時間以上であれば次のとおりです。
“年次有給休暇が付与される要件は2つあります。(1)雇い入れの日から6か月経過していること、(2)その期間の全労働日の8割以上出勤したこと、の2つです。この要件を満たした労働者は、10労働日の年次有給休暇が付与されます。”
同条件の下で、勤務年数が増えるごとに有給日数は増える仕組みになっています。具体的な有給の日数については以下の表をご参照ください。
雇入れの日から起算した勤続期間 | 付与される休暇の日数 |
6ヶ月 | 10労働日 |
1年6ヶ月 | 11労働日 |
2年6ヶ月 | 12労働日 |
3年6ヶ月 | 14労働日 |
4年6ヶ月 | 16労働日 |
5年6ヶ月 | 18労働日 |
6年6ヶ月以上 | 20労働日 |
上記に満たない勤務しかしていない場合でも、労働日数に応じた年次有給休暇を取得することが可能です。以下の表を参考に、自分の有給日数を割り出してみてください。
週所定
労働日数 |
1年間の
所定労働日数 |
雇入れ日から起算した継続勤務期間(単位:年) | ||||||
0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 | ||
4日 | 169日〜216日 | 7 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 15 |
3日 | 121日〜168日 | 5 | 6 | 6 | 8 | 9 | 10 | 11 |
2日 | 73日〜120日 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 6 | 7 |
1日 | 48日〜72日 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 |
原則として、シフトが残っている場合は最終日まで出勤してから辞めるほうが良いでしょう。最後まで勤め上げてから辞めることで、バイト先に対する申し訳なさも緩和される効果もあります。
とはいえ、どうしてもすぐに辞めたい事情を抱えているにもかかわらず、言い出せずに悩んでいる方もいるでしょう。
上記のような場合に取れる手段として、前述のとおり退職代行の利用をおすすめします。
バイトをすぐに辞めたいならEXITがおすすめ!
今回は、バイトをすぐに辞めるための方法と押さえておきたいポイントについて解説しました。
バイトを辞める権利は、条件によって多少異なりますが、基本的に法律で保証されています。
退職の意思を伝える際は、バイト先に問題があるのではなくあくまで自分の責任であることをアピールするほうが無難です。また、バイトを辞める際は可能な限り誠実な対応を心がけることで円満に退職できるでしょう。
どうしてもすぐにバイトを辞めたいと考えている際は退職代行EXITをご利用ください。多数の実績と退職のノウハウを有しているため、有給が取得できるうえ最短で即日の退職が実現します。
さまざまなメディアで取り上げられた経験もあり「退職代行は怪しいサービスなのでは?」と不安な方でも安心してご依頼いただけます。バイトをどうやって辞めればいいか悩んでいる方はぜひ一度お話をお聞かせください。