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退職代行を使うと退職金はもらえない?退職金をもうらための対応策

「退職代行を使うと退職金はもらえない?」と不安な方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、退職代行を利用した場合でも退職金は支給されます。ただ、会社の退職金支払いは義務ではなく、場合によっては減額や不支給となる可能性があるため注意が必要です。

今回は、退職代行で会社を辞めた際に退職金をもらえないケースと対応策についてご紹介します。

本記事を読めば、退職金がもらえない場合の理由や具体例について理解し、自分は支給条件を満たしているのかを判断できるでしょう。また後半では退職金以外にもらえる給与・手当や、弁護士と労働組合に依頼するメリット・デメリットについて解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

退職代行で辞める前に!退職金の基礎知識

退職代行で会社を辞める前に、退職金をもらいたい依頼者が押さえておくべき「基礎知識」について解説します。

退職金の概要と制度の種類

そもそも退職金とは、従業員が退職する際に会社からもらえる金銭のことです。また、退職金を支払う制度のことを退職金制度と呼びます。定年退職する労働者だけでなく、転職や解雇、逝去した従業員も対象です。

一般的な退職金制度の種類は、以下の通りです。

  • 退職一時金
  • 確定給付企業年金
  • 中小企業退職金共済(中退共)
  • 企業型確定拠出年金(DC)

基本的に本人が勤務する会社によって、退職金制度の種類や受け取れる金額などが異なるのでチェックしておきましょう。

会社の退職金の支払いは義務ではない

会社に退職金の支払いを義務化する法律はありません。会社が退職金制度を導入していなければ、退職代行を使う・使わないに関わらず、支給されることはありません。

一方、会社が退職金に関する規定を明示している場合、支払いの義務が発生します。具体的な記載内容の例は以下の通りです。

  • 退職金をもらえる労働者の範囲(勤続年数や雇用形態の条件など)
  • 不支給の決定や減額の条件、計算方法
  • 一時金・年金扱いなどの支払い方
  • 支払われる時期

詳しい内容は、会社の退職金規定に記載されているので、気になる方はチェックしてみてください。

退職金制度がある企業の割合

厚生労働省によると、退職金制度がある企業の割合は全体で「80.5%」です。また、企業規模別の導入率は、以下のようにまとめられます。

企業規模 退職金制度の導入割合
30~99人 77.6%
100~299人 84.9%
300~999人 91.8%
1,000人以上 92.3%

参考:3 退職給付(一時金・年金)制度 – 厚生労働省

従業員数が多いほど、退職金制度を導入している企業の割合は大きいことがわかります。

会社規模が小さい場合、退職金制度がないケースもあるので、事前にチェックしておきましょう。退職金をもらえなくとも、有給休暇や未払いの給与、残業代、失業手当は受け取れる可能性が高いです。退職金以外にもらえる給与や手当については、下記で詳しく解説します。

退職代行を利用した際に退職金をもらえないケース

退職代行を利用した際に、退職金をもらえないケースとして、以下の例があげられます。

就業規則に退職金支給について記載がない

就業規則に退職金についての規定がない場合、退職代行の利用に関わらず、基本的に退職金はもらえないでしょう。

また、退職金制度によっては自分で積み立てを負担する場合もあります。積み立て式の退職金制度を導入している企業であれば、給与明細に「企業年金掛金」「退職金掛金」と控除金額が記載されているので確認してみましょう。

退職金の支給条件を満たしていない

退職代行を使用した際、退職金の支給条件を満たしていないと、基本的にもらうことはできません。

例えば、会社の退職金規定に「勤続年数3年以上」と記載されている場合、入社してから3年未満の従業員は、退職金が不支給となります。他にも、「無断欠勤の繰り返しや懲戒解雇扱いは不支給」といった条件が記載されていることも多いです。

退職金の支給が慣例的ではない

退職代行を利用した際に退職金がもらえないケースとして、支給が慣例化されていない場合があげられます。

原則、就業規則に退職金規定がない場合、退職金を請求することはできません。しかし、就業規則に記載がなくても、退職金の支給が慣例的である場合、会社に支払い義務が生じる例外のケースがあります。

例えば、毎年退職する従業員に対して退職金を支給しているのにも関わらず、自分が会社を辞める際に支払われなかったケースです。この場合、継続的に退職金を支給していた証拠を提示できれば、労働者は会社に請求できる可能性が高まります。

ただ、一部の功労者だけ受給していたり、慣例を証明できなかったりすると、請求が難しくなるので注意が必要です。

 

退職代行で辞める際に退職金をもらうための準備

退職代行で会社を辞める際、退職金をもらいたい方は就業規則をチェックしておきましょう。「どの制度を採用しているか」「どのくらいもらえるのか」は、就業規則や賃金規定を見ればスムーズに確認できます。

退職金規定がある場合、会社によって支給条件は異なり、自分が対象となるかは確認する必要があります。就業規則の確認方法がわからない場合は、会社の人事労務担当者に問い合わせましょう。

また、退職金の支払い拒否に対抗するためにも、支給条件を満たす証拠を集めておくのが有効です。具体的には、勤続年数がわかる書面や給与明細、雇用時の契約書などがあげられます。

退職代行の利用で後悔しないためにも、万全に準備しておきましょう。

退職代行の利用後に退職金が未払い・支払われない場合の対応策

退職代行を利用した際、退職金の支給条件を満たしているのに、会社から支払われない場合の対応策として、以下の例があげられます。

会社に請求書を送付する

退職代行の利用後に退職金が支払われない場合、会社に請求書を送付できます。会社に対して請求したことを証明するためにも、内容証明郵便の利用がおすすめです。

内容証明郵便を利用すれば、送付した日時や相手、請求書の内容を証明してくれます。請求した事実を残しておけば、会社から手続きを放置されるリスクが防げるでしょう。未払い退職金の時効は、労働基準法115条で「5年」と定められているので注意してください。

労働局や労働基準監督署に相談する

退職代行で辞めた後、請求書を送付したにも関わらず退職金をもらえない場合、最初の相談先として労働局や労働基準監督署がおすすめです。

労働基準監督署などに相談すれば、支払いを放置・拒否された後に取るべき行動や利用する制度などのアドバイスをもらえます。

ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する

退職代行で辞めた後、退職金の支給を会社から不当に拒否された場合、ADR(裁判外紛争解決手続)の利用を検討しましょう。ADRとは、訴訟をせずに労働紛争の早期解決を図る方法です。

裁判と比較すると手続きが迅速・容易で、費用が無料であるというメリットがあります。また、関係者以外には非公開となるので、退職代行を利用した情報が転職希望先に漏れるリスクも抑えられます。

弁護士に相談する

ADRを利用しても退職金の未払いが解決できない場合は、弁護士に相談してみましょう。費用はかかりますが、弁護士は法律のプロであり会社との交渉もできるメリットもあります。

また、弁護士から退職金を請求されたという事実を会社側に示すことで、心理的に優位な状況に持ち込めるでしょう。

退職代行でもらえる退職金以外の給与・手当

退職代行を利用した場合でも、退職金以外にも以下の給与や手当をもらえます。

未払い給与

未払い給与は、退職した後でも請求することが可能です。未払い給与が発生するパターンとして「会社の業績不振が原因で給料が支払われない期間があった」などがあげられます。

退職代行の利用に関わらず、未払い金は請求できるため安心してください。退職金の請求と同様に、未払い給与を証明できる証拠と請求書を内容証明郵便で送付しましょう。

残業代

退職後は、退職金と未払い給与と同様に、残業代も請求できます. 未払いの残業代があれば、支払われていない証拠を用意し、請求書を内容証明郵便で送付しましょう。

有給休暇

退職代行を使って辞めた場合でも、残っている有給休暇は必ず消化できます。なぜなら、有給休暇の日数や期間は労働基準法によって定められ、会社が勝手に調整することはできないからです。

有給休暇を活用すれば、正式な退職日までの期間は欠勤扱いになりません。欠勤扱いになるとトラブルが起こる可能性もあるので、有給休暇が残っている方は、申請を忘れないように覚えておきましょう。

失業保険

退職代行を利用すると、基本的に自己都合の退職となるケースが多いため、失業保険の受給開始や給付日数などは少なくなりますが、手当を受け取ることは可能です。

失業保険の手続きを行うには、離職票が必要となるので会社に送ってもらえるように依頼しましょう。

弁護士や労働組合運営の退職代行サービスを選ぶメリット

一般的に、退職代行サービスは運営元が一般企業・弁護士・労働組合に分かれます。ここからは、弁護士や労働組合運営のサービスに退職代行を依頼するメリットをご紹介します。

退職金などの交渉権がある

弁護士や労働組合の退職代行サービスは、会社と交渉する権利を有するため、退職金の支給に関して交渉してもらうことが可能です。

一方、一般企業の代行業者が会社と交渉すると違反行為となるので注意が必要です。ただ、代理人として依頼者の連絡・通知のみを徹底して行えば、間接的に交渉することはできます。

一般企業と比較すると安心感を得られる

弁護士や労働組合の退職代行サービスは、資格を持たない一般企業と比較すると安心感を得られます。そのため、会社から退職金がもらえないなどのトラブルが起こる可能性は低くなるでしょう。

一般企業でも退職サポートの実績が豊富で、弁護士から監修を受けているサービスを安価に提供する場合もあるため、自分の目的に合った退職代行業者を選ぶことがおすすめです。

法的なトラブルに対応しやすい

弁護士の退職代行サービスを利用すれば、法律関係のトラブルが発生しても安心して対応を任せられます。そのため、未払いの給与や退職金などに関して、退職時に徹底的に話し合いたい場合におすすめです。

裁判を起こすことで、退職が長引いたり心理的負担が大きくなったりすることを避けたい場合は、一般企業の退職代行サービスを利用しましょう。

弁護士や労働組合運営の退職代行サービスを選ぶデメリット

弁護士や組合運営の退職代行サービスを選ぶデメリットは、以下の通りです。

退職金の交渉を依頼すると料金が高くなる可能性がある

弁護士や労働組合の退職代行サービスは、一般企業のサービスと比較すると料金が高くなります。例えば、弁護士に退職代行を依頼する場合、料金相場は5万円〜で、成功報酬が上乗せされるケースが多いです。

また、労働組合のサービスに会社との交渉を依頼する場合、通常料金に追加して組合費2,000円ほど支払う必要があるのです。

一方、一般企業のサービスは2万円〜で低価格で退職代行を依頼でき、追加料金が必要ない場合が多いため、支給された退職金の節約につながります。

土日・祝日に対応できないことが多い

弁護士による退職代行サービスは、土日・祝日などに対応できないことがあります。弁護士事務所の休日にトラブルが発生しても、自分で対処する必要があるのです。

一方、一般企業の退職代行は24時間受付可能なサービスが多く、土日・祝日でも即日で退職できます。

転職支援などのサービス範囲が少ない傾向がある

弁護士や労働組合の退職代行は、転職支援などのサービス範囲が少ない傾向にあります。弁護士に依頼すると裁判に対処できますが、基本的に転職先を見つけられるサポートは行っていません。

一方、一般企業が運営する退職代行は、退職後の転職支援サポートを提供している場合があります。次の収入源を確保しやすいので、退職金などを転職活動や生活費に使わずに済むでしょう。

退職代行サービスを利用しても退職金はもらえる!

今回は、退職代行サービスを使った場合に退職金をもらえないケースや、不支給や減額を防ぐ対応策について解説しました。

退職代行を利用した場合でも、会社の就業規則に退職金規定が記載されており、支給条件を満たしていれば受け取れます。しかし、退職金制度を導入していない企業や支給の条件を満たしていない場合は、退職金はもらえないので注意しましょう。

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