「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」という人へ|5つの原因と対処法を紹介
最終更新日 2024年7月7日
毎日いそがしく仕事をしていて「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」などと感じた経験はありませんか?無気力感や疲労感は、重い病気の前兆かもしれません。原因を正しく理解し、早く対処するのが重要です。
本記事では、「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じる原因を詳しく解説します。具体的な対処法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じる5つの原因
「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じるのは、明らかにメンタルが崩れています。原因を特定して、早期に対処しなくてはなりません。精神的に追い詰められた状態が続くと、重い精神疾患に繋がる可能性もあるので、できる限り早く対処しましょう。以下では、「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じる5つの原因を解説します。
残業が多く疲れが取れない
毎日のように深夜まで残業して、適切な睡眠時間が確保できていないと、疲れた状態が続いてしまいます。睡眠不足によって翌日に疲れを持ち越し、無気力状態や慢性的な眠気に悩まされるでしょう。さらに、残業によるストレスもあわさって睡眠が浅くなり、余計に疲れやすくなるケースもあります。
睡眠不足の日々が続くと、頭が回りにくくなって、ミスが多くなるのも問題点です。上司から怒られる場面が増えて、今まで以上のストレスにさらされる可能性もあります。こうした睡眠不足やストレスにより、考えがまとまりにくくなったり、身体のだるさが続くと「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じるようになります。
残業が多いと、食生活が乱れがちにもなります。栄養バランスが偏ってしまい、体調が優れなくなる人もいるでしょう。体調を崩しがちになって、疲れが取れにくくなる人も少なくありません。
人間関係に疲れている
職場での上下関係、特に上司からのパワハラに悩まされて、心身が疲れてしまう人も多くいます。人間関係は、仕事のしやすさに直結する、避けて通れないものです。職場の人間関係が良好でないと、週5日毎日のように強いストレスを受け続けるため、段々と無気力になってしまいます。
昨今はSNSがあるため、人間関係を気にしなくてはいけないケースが増えました。FacebookやInstagramの投稿を目にして、同期の充実した生活に劣等感を感じたり、自分の日常を空虚に感じたりして、ストレスになってしまうこともあります。
人間関係によって慢性的にストレスを感じていると、眠りが浅くなります。布団に入っても「明日も上司に怒られるんじゃないか」「友だちは旅行に行っていて羨ましい」など、悶々と考えてしまうためです。結果として睡眠時間が短くなり、疲れやすくなるケースもあります。
楽しいと思えることがない
楽しいと思えることがないと、ストレスを発散できません。没頭できる趣味があれば、休日を有意義につかえて、翌週からの仕事を頑張る原動力になるでしょう。また、スポーツのような趣味があると、体調を整えたり、睡眠の質を向上させたりできます。楽しいと思えることがあるかどうかは、メンタルはもちろん身体の健康にも大きな影響があるのです。
楽しいと思えることがない人は、休日になっても「寝るしかない」と思いがちで、時間が過ぎるのを待つ状態になってしまいます。家と職場の往復だけで、何も楽しくない日々に対して、強い不安を感じる人もいるでしょう。特に、交友関係があまりない方だと、孤独感やストレスを感じやすくなります。
もともと楽しいと思えることがあった場合でも、慢性的なストレスによって感受性が弱くなり、楽しめなくなるケースもあります。外の世界にいちいち反応していると心がもたないため、感情をシャットアウトしている状態です。
情報のキャッチ量が多く疲れている
人によっては、情報をキャッチする能力が高すぎて疲れやすくなっている場合があります。人間は、視覚情報や聴覚情報など、日々さまざまな情報をキャッチして生活しているものです。目が良い、耳が良いといった形で、情報をキャッチする力には個人差があります。情報をキャッチする力が高く、情報量が多すぎる日々を送っていると、処理しきれず疲れてしまうのです。
情報のキャッチ量が多すぎてしまう特性に「HSP」があります。HSPとは、「Highly Sensitive Person」の略で、いわゆる繊細すぎる人の意味です。障がいではなく個性の一種とされています。生まれつき感受性が高く、ちょっとしたことで心が大きく動いてしまうのが特徴です。
HSPの特性があると、例えば上司がほんの少し不機嫌な言動をしただけで、動悸が止まらなくなったり、強い不安感を覚えたりします。ささいなことで強いストレスを感じるため、疲れやすさや眠りの浅さに繋がるのです。
自分の将来が不安
自分の将来に強い不安を抱いている場合も、疲れが取れにくく無気力になりがちです。会社員であれば、派遣社員や契約社員で雇用が不安定で、強い不安を感じる人も少なくないでしょう。また、業績が良くなかったり、同期より出世できていなかったりして、将来の明るい展望が見えなくなっている人もいます。
フリーランスの場合は、そもそも固定給が発生する働き方ではないので、常に将来への不安を感じている人が少なくありません。昨今はAIに仕事を奪われるのではないかと不安を感じる人も増えてきています。AIはIT関連の人々の予想を上回るスピードで発達しており、イラストレーターやライター、アプリ開発、デザイナーなどさまざまな業種において脅威と感じられているようです。
大学卒業直後であっても、奨学金があって将来に不安を感じている人もいます。大学によっては数百万円の奨学金を背負って卒業する学生もおり、毎月2〜3万円の返済を40代まで続けるケースもあるでしょう。収入の少なさも相まって、未来に希望が持てず無気力になってしまう人もいます。
「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じる人の特徴
結果的に「何もしたくない」とか「ずっと寝ていたい」と感じる人には主に3つの特徴があります。
- 自分を犠牲に頑張ってしまう人
- ネガティブな考えになりやすい人
- 偏った食事など不健康な生活を送っている人
ここからは「何もしたくない」などと感じてしまう特徴についてご紹介します。
自分を犠牲に頑張ってしまう人
「何もしたくない」とか「ずっと寝ていたい」と感じる方は、最後までやり切った方、頑張り通した方に目立ちます。自分を犠牲に限界まで頑張ってしまった人は完全燃焼の状態となり、「これ以上頑張ることは難しい」という状態になりがちです。
全力を出し尽くすと、「これ以上は厳しい」と思ったり、「伸びシロはない」と判断したりします。「今まで頑張ってきて、これ以上何をすればいいのか」と投げやりになっている人がいたら、その人からすれば、すべてをやり切ったと思っている可能性が高いです。
100%、120%を出し切った人は回復するのに時間がかかりやすく、「何もしたくない」と考えるのは無理もありません。
ネガティブな考えになりやすい人
ネガティブな考えになりやすい人は1度ネガティブなことを考え始めると、どんどんネガティブなことが出てきてしまいます。しかも、ネガティブな考えはエスカレートし、不安を解消させることなく、不安をどんどん積み重ねていくような状態になるでしょう。
この状態では不安や悩みがたくさん出てくるので、現実と向かい合うのが怖くなります。いわゆる現実逃避のような状態になる恐れがあるのです。不安が不安を招き、大きくなった不安がまた別の不安を呼び起こすような状況になると「何もしたくない気持ち」になるのは仕方ないでしょう。
プラスのことを考え始めても、心のどこかで不安が見え隠れするのでいつのまにか不安に置き換わっていることもあります。ネガティブな考えをし始めると負のスパイラルに入りやすいので注意が必要です。
偏った食事など不健康な生活を送っている人
健康なメンタルを維持するには健康的な食生活、バランスのいい食事が重要です。裏を返せば、偏った食事など不健康な生活を送っているとメンタル面にめいてバランスを欠きやすくなり、「何もしたくない」などの気持ちになりやすいと考えられます。
特定の栄養素が不足するとメンタル面に影響が出る場合があります。例えば、たんぱく質が不足すると神経伝達物質が減りやすく、メンタルに影響を与えます。神経伝達物質があることで落ち着いた精神を保てるのですが、たんぱく質やビタミンB群、鉄分が不足することで精神的な負担が増すことがあるのです。
他にもビタミンCやカルシウム、食物繊維などそれぞれの成分が1つでも欠けることでストレスを感じやすくなったり、脳に影響を与えたりするので注意しなければいけません。
「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」状態が続くことで起こり得る病気
「何もしたくない」など無気力な状態が続いている場合には、様々な疾患・病気の可能性を考えておく必要があります。
- うつ病
- 更年期障害
- 不眠症
- 統合失調
ここからは「何もしたくない」場合などに考えられる疾患・病気についてご紹介します。
うつ病
うつ病は気分の落ち込みや何をやっても楽しさを感じないなどの精神的な症状だけでなく、食欲不振や不眠といった身体的な症状もあります。
「何もしたくない」とか「ずっと寝ていたい」という状況はうつ病の症状にも含まれるものであり、今後うつ病に発展する場合もあります。憂鬱な気分や欲求の低下など色々な症状が出てきた場合には1日でも早い治療が必要です。
更年期障害
更年期障害はホルモンのバランスが欠くことで生じる症状であり、症状の種類は数多く存在します。その多くは肩こりや頭痛などですが、精神的な症状もいくつかあるのです。
精神神経系の症状として、不安感やイライラ感、うつがあります。女性ホルモンのバランスが悪くなると、自律神経への影響を始め、いくつかのところに悪影響を与えます。特に更年期障害の段階は年齢的に一定の年齢に達しており、家族の問題や老後の問題なども出てくるでしょう。
それらの問題が重なり、ホルモンバランスの乱れがあるなど悪条件が重なり、「何もしたくない」といった状態に発展すると言えるでしょう。
不眠症
不眠症のタイプは4つに分かれると言われ、不眠で悩んでいる方はいずれかのタイプに分けられます。
- 入眠障害
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 熟眠障害
布団に入ってもなかなか眠れない、夜中に起きてしまうなども不眠症における症状の中の1つです。不眠症はいくつかの要因が考えられ、更年期障害の症状の1つとして出てくることもあれば、うつ病に関連した症状などもあります。
特に「ずっと寝ていたい」という症状は熟眠障害の可能性もあります。ですので、「ずっと寝ていたい」と感じている場合には注意が必要です。
統合失調症
統合失調症は脳内のバランスが悪くなることで生じる疾患です。原因は定かではないため、薬を使って治療を行っていくほかありません。
統合失調症には「陽性症状」と「陰性症状」があり、「何もしたくない」もしくは「ずっと寝ていたい」というケースは陰性症状の可能性があります。「何もしたくない」は感情鈍麻や思考力低下が考えられます。
ちなみに陽性症状は統合失調症の代表的な症状である幻聴や幻覚、妄想などが該当します。こちらも1日でも早く治療を行うべきでしょう。
「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」は早めの対処が大切!
もし「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じるようになったら、精神疾患になっているサインかもしれません。「うつ病」や「適応障がい」などと聞くと大げさに感じるかもしれませんが、精神疾患は誰がなってもおかしくない病気です。早期治療が肝心なので、自分のメンタル面に異変を感じたら、早期に精神科を受診しましょう。
また、無気力状態や慢性的な睡眠不足が2週間以上つづいている場合は、倒れる寸前の可能性が高いと言えます。一人暮らしの自宅で倒れてしまうと、発見が遅れ重篤な状態になる危険性もあるので、注意が必要です。
「会社へ行かないと怒られる」「仕事が回らなくなる」と、責任感に押しつぶされそうになる人もいるでしょう。しかし、あなた一人が休んで倒産するような会社はありません。一人の社員が一日休んだために倒産するのであれば、それは会社の管理能力不足です。まずは、ご自身の体調を優先して、早期に病院へ行ってください。
「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と悩むときにできる6つの対処法
「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と悩んでいるときは、まず心身の疲れを取る方法を考えましょう。睡眠時間の確保や、休日の取得によって、状況は大幅に改善するかもしれません。
以下では、「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と悩むときにできる5つの対処法をそれぞれ詳しく解説します。
睡眠時間を確保する
最低でも1日6時間以上は睡眠時間を確保してください。睡眠時間が確保できていないと、身体の疲れがとれず、日中も集中力が高まりにくくなってしまいます。また、メンタル面も不調をきたして、無気力な状態が続いてしまうでしょう。
週末に寝だめをするのはおすすめできません。平日と休日で睡眠時間や起床時間などが大幅に変わると、生活リズムの変動に身体がついてこなくなります。また、寝だめをしたからといって、平日の疲れが解消したり、寝なくても平気な身体が手に入る訳ではありません。平日と休日の睡眠時間の差は1時間程度に収まるようにしてください。
有給を取得する
会社員は、年間10日以上の有給休暇を取得できます。雇用形態や勤続年数によって付与される有給休暇は異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
有休を取得すれば、生活リズムを整えて健康な心身を取り戻すきっかけが作れます。また、忙しくてできなかった趣味に没頭して、心をリフレッシュさせられるでしょう。有給の取得は法律で定められた権利です。周囲に気を遣いすぎず、取りたいタイミングで取得しましょう。
ただし、年5日分の有給については、使用者が時季を指定して有給を取らせても問題ないとされています(年次有給休暇の時季指定義務)。サービス業をはじめとした業種は、時季指定される場合もあるので、上司に確認しておきましょう。
自分なりのストレス発散法を見つける
「楽しい」と思える瞬間があれば、不安な気持ちやストレスが和らぐこともあります。自分なりのストレス発散方法を見つけて、日々のストレスとうまく向き合ってみるのもおすすめです。もし、楽しいと思える物事がないのであれば、過去にやって楽しかったことがないか、思い出してみましょう。
特に趣味やストレス発散方法がない人は、軽い運動や料理などがおすすめです。手軽にできて、かつ続けやすいものがストレス発散に向いています。軽い運動なら健康面の改善に役立つとともに、適度な疲労感によって適切な時間に就寝できるようにもなるでしょう。
家族や友人とコミュニケーションを図る
「何もしたくない」、「ずっと寝ていたい」とふさぎこんでいる状態は、常に孤独の状態であり、誰かにSOSを発信したい、誰かに話を聞いてもらいたいと心の中で思っているケースが目立ちます。
そのため、家族や友人とコミュニケーションを図ることで解決することがあります。心の中のモヤモヤを吐き出す、不安に思っていることを聞いてもらうことで、実際は悩むまでもないことでネガティブになりすぎている場合もあります。
自分だけで考えていればどうしても悩みすぎることも出てくるでしょう。客観的に見てもらうためにもコミュニケーションを図っていくことは必要です。
転職活動をする
どうしても職場が辛ければ、転職活動をするのがおすすめです。パワハラや、人間関係の悪さ、業務内容のつまらなさなどが原因でストレスを感じている人は、転職を考えましょう。
しかし、辛いからといってすぐ退職しても、転職先は見つかりません。大企業に長年勤めていたり、合格率が低い難関資格を持っていない限りは、転職市場においてアピールできないからです。転職するのであれば、1〜2年前から資格取得や業界研究をするなどしっかりと準備しましょう。
ただし、転職した直後はたくさんの仕事を覚えねばならず、大きな負荷がかかります。また、いちから人間関係を築き上げないといけないので、疲れやすくもなるでしょう。すでに限界を感じている人は、一度しっかりと休んで、心身が回復した状態で転職活動をしてください。
休職を視野に病院に行く
2週間以上にわたって「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じている方は、すぐに病院へ行ってください。医師の診察を受けて、自分の状態を確認し、どのように対処すべきかを考えましょう。
精神的・身体的に何らかの問題があると分かったら、休職しましょう。休職を極端に怖がる方もいるかもしれません。実際、休職が出世にまったく影響しないかは、企業によります。しかし、無理に働き続けたとしても、今の状態で良い成績を残すのは難しいのではないでしょうか。
現代は、きちんとした職歴や資格のある人なら転職できます。職歴に休職期間があっても、正当な理由があったと説明できれば良いのです。まずは自分の健康を最優先してください。
何もしたくないと悩んで限界を迎えたら「退職代行」も視野に
「上司からハラスメントを受けている」「会社に退職届を出しても受け取ってもらえない」といった場合には、退職代行の利用も視野に入れてみてください。退職代行では、自分がやりにくい退職関連の手続きを代行してくれます。
退職代行の特徴
- 1〜3万円ほどで退職に関する手続きを代行してくれる
- バイトでも利用可能なサービスがある
- 職場に行かずに退職するのも可能
- 退職届や返却物を郵送するだけで退職できる
退職代行が気になったら、まずは無料相談へ行ってみてください。代行業者が、依頼内容についてヒアリングしたうえで、代行業務の内容について詳しく説明してくれます。
また、退職後の生活費のことを考えると、なかなか退職に踏み切れない方も多いのではないかと思います。現在日本には、退職後も安心して生活ができるための「社会保険給付金」という制度があります。
社会保険給付金とは、退職後の働いていない期間にもらえる雇用保険や健康保険の給付金の総称です。社会保険料等を支払ってきた方は、雇用保険の基本手当(俗に言う失業保険)や再就職手当、健康保険の傷病手当金など、条件を満たせば退職後にもらえる社会保険制度の給付金があります。しかし、この制度の存在を知らなかったり、申請の仕方がわからないことで、給付を受けられないことも多々あります。これらを完全サポートしてくれるサービスがありますので、退職後の生活が不安な方はこちらのサービスを検討してみるのもいいのではないかと思います。
まとめ
ずっと「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」と感じる場合は、心身が疲れ切っている状態です。睡眠時間を確保したり、有給を取得したりして、自分を休ませてあげましょう。転職活動をする場合も、まずは休息をとって健康な状態にならなくてはいけません。
もし退職するのが難しければ、退職代行を利用するのがおすすめです。職場に行かずとも、退職できたケースも多くあります。退職代行を利用してみたいと感じた方は、ぜひ無料相談の予約をしてみてください。