退職を電話で言うのはあり?おすすめの例文や伝えるコツ、注意点を紹介

本来会社を退職する際には直接上司に会って報告を行うのがマナーですが、様々な要因から電話で退職を伝えるケースがあります。この場合、電話で伝えることは無礼ではないかと考える方が多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、退職を電話で伝えることそのものは全く問題ありません。一方で、退職の申し出をはっきりと伝えないとはぐらかされてしまうため、電話で伝える際には明確に伝えることが求められます。
本記事では電話で退職したい旨を伝えたい人に向けた、退職を電話で伝える際のコツやおすすめの例文、伝える際の注意点についてご紹介していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
退職を電話で伝えること自体は問題なし
退職を電話で伝えることそのものに関しては、法律の観点から見て全く問題はなく、スムーズに退職することは可能です。
しかしながら、法律の観点からセーフであっても、いわゆるモラル的に見た時に電話で伝えるだけにとどまるのはあまりいいことではありません。マナー違反、非常識と受け止められても仕方ないでしょう。
一方で、直接会って退職を伝えることができない、もしくは伝えることが困難な事情が想定されるケースもあります。たとえマナー違反であっても、電話で伝えざるを得ない事情がある場合には、マナーどうこうよりもまずは電話で退職したい旨をいち早く伝える方が得策です。
退職を電話で伝える際のコツ
人によってはマナー違反と捉えられる、電話で退職したい旨を伝える行為ですが、スムーズに退職の申し出を聞いてもらえるコツが4つ存在します。
- 退職理由を事前に明確にしておく
- 可能であればメールでアポをとる
- 電話の内容を録音する
- 感謝の気持ちも伝える
ただでさえ無礼な形になっているため、少なくとも電話においては最大限の配慮を行うことが求められます。また電話で対応をしてもらっているため、手短に用件を伝えることで退職の申し出を聞いてもらいやすい状況に持っていくことができるでしょう。
ここからは退職を電話で伝える際のコツについてご紹介します。
退職理由を事前に明確にしておく
1つ目は退職理由を事前に明確にしておくことです。
例えば、休職中で職場復帰を目指していたものの、予定されていた休職期間では復帰できない場合であれば、退職理由が明確であるとともに事前に伝えておくこともできます。また実家の家業を継ぐ場合も、その可能性を上司に事前に伝えておくと、電話口で伝える場合でもスムーズに伝わりやすいです。
事前に全く聞いたことがない理由や「一身上の都合」のような漠然とした理由だと電話で伝えられても後日改めて話を聞きたいと粘られてしまう可能性が考えられます。退職理由が明確で、しかも、事前に退職の可能性を匂わせておくと電話での報告であったとしても受け止められやすいです。
可能であればメールでアポをとる
2つ目は、可能であればメールでアポをとることです。
電話で退職したい旨を伝える場合、会社にとっても重要なことなのでそれなりの時間が必要になる場合があります。「それなりの時間」を確保してもらうにはメールなどでアポをとっておき、時間を確保してもらった状態で電話をかけるのが確実です。
人によってはメールで退職の申し出をする方もいますが、さすがにマナー違反であると思われ、その後の話がこじれやすくなるため、メールはあくまでもアポ程度にとどめて、電話で直接伝えた方がまだいいでしょう。
電話の内容を録音する
3つ目は電話の内容を録音することです。
退職の申し出を行うことで、申し出から2週間後に退職することができます。これは民法でも定められているルールですが、この「退職の申し出」をしたか、してないかで後々モメることがあり、注意しなければなりません。
後でモメないためにも電話の内容を録音することで確実に退職の申し出があったことを証拠として押さえられます。はっきりと退職の申し出があったことを記録として残しておくことで、言った言わないの水掛け論を回避することが可能です。
感謝の気持ちも伝える
4つ目は感謝の気持ちも伝えることです。
心の中では上司に対して腹立たしい心情であったり、会社に対して恨みに近い感情を持っていたりするかもしれません。しかし、捨て台詞を吐いて退職の申し出をしてもスムーズに事が運ばない可能性が出てきます。感謝の気持ちを伝えることで、スムーズな退職につながりやすくなります。
「あくまでも私自身の問題で、私自身が決めたことなので、上司や会社は全く関係なくむしろこんな私をずっと面倒見てくれてありがたい」という形にしておけば、電話で退職を伝える無礼があっても許してもらいやすいです。
電話をいいことに、気が大きくなって捨て台詞のようなものを吐くよりも今までお世話になったことへの感謝を伝えた方が、話がこじれることなく進んでいくでしょう。
状況別で使える退職を電話で伝えるおすすめ例文
退職を電話で伝える際には、要点を抑えつつ、辞める理由と電話で退職を伝える非礼さを詫びることが大切です。これを踏まえた上で、それぞれのケースの例文についてご紹介していきます。
基本の例文
最初にご紹介するのは、電話で伝える際の基本的な例文です。
例文
お疲れさまです。〇〇です。
今お時間よろしいでしょうか?お忙しいところ、大変申し訳ございません。今後のことについてお伝えさせていただきたいことがあってお電話をいたしました。
実は一身上の都合という形で◯月末で会社を退職させていただきたいと思っております。今まで様々なご指導をしていただき、本当に感謝しております。
本当であれば出社して退職のご連絡をお伝えすべきところですが、電話でお伝えする形になってしまい、大変申し訳ございません。急な連絡で申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
体調不良の場合
次にご紹介するのは原因が体調不良だった場合の例文です。
例文
お疲れさまです。××です。
今ですが、お時間少しいただけますでしょうか?お忙しいところ、申し訳ございません。今後のことについてご連絡したいことがあり、お電話をした次第です。
先日から体調が思わしくなく、休職の状態にありましたが、主治医からもまだ時間がかかると指摘を受け、万全な状態に回復したいと思い、◯月末で会社を辞めさせていただければと思っています。休職の際には様々なご配慮をしていただき、本当にありがとうございました。
まだ体調が万全ではないので、電話でこのような連絡を行うことになってしまい、申し訳ございません。短い間でしたが、ありがとうございました。
子育ての場合
次は子育てに専念するために会社を退職する際の例文についてです。
例文
お疲れさまです。□□です。
今少しだけお時間を頂戴できますでしょうか?お忙しい時間帯にお時間をいただく形になって、申し訳ございません。実はこれからのことについてご連絡を差し上げた次第です。
1年前に子どもを出産してから、子どもが病気がちで付きっ切りで面倒を見た方がいいということで家族と相談した結果、私自身が付きっ切りで面倒を見ることになりました。ですので、◯月末で会社を退職させていただきたいと思っております。急なご連絡で本当に申し訳ございません。
本来は直接お会いしてお伝えすべきところでしたが、電話という形になってしまい、本当に申し訳ございません。引き継ぎなどは必ず行わせていただきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
家庭の事情や転居の場合
家庭の事情もしくは転居をすることになり、退職せざるを得なくなったケースもご紹介します。
例文
お疲れさまです。△△です。
今お時間の方、大丈夫でしょうか?実は今後の件についてお伝えしたいことがあり、お電話させていただきました。
実は夫が海外に赴任することになり、家族で移住することになりました。ですので、◯月末で退職させていただきたいと思い、お電話いたしました。急なご報告で本当に申し訳ございません。
本来は電話ではない形でお伝えすべきでしたが、海外への移住に向けた準備などがありまして、電話でお伝えする形になってしまいました。本当に申し訳ございません。
転職先が決まった場合
次にご紹介するのは、転職先が決まってから退職の連絡を行うケースについてです。
例文
お疲れさまです。○○です。
今お時間大丈夫でしょうか?実は私のことでお伝えしなければいけないことがあり、お電話させていただきました。
先日税理士資格を取得し、税理士事務所への転職を考えているお話をさせていただきましたが、無事に税理士事務所への就職が決まりました。ですので、先日お話ししていた通り、◯月末で退職させていただきたいと思い、お電話いたしました。
本当でしたら出社して直接お伝えしなければならないのですが、急に予定が入ってしまい、このような形でお伝えすることになり、本当に申し訳ございません。
試用期間中の場合
最後に試用期間中に退職をする場合の例文についてご紹介します。
例文
お疲れさまです。■■です。
今、お時間よろしいでしょうか?実はお伝えしなければいけないことがあって、お電話をさせていただきました。
試用期間中の身ではありますが、一身上の都合によって会社を辞めさせていただきたいです。入社してから丁寧にご指導をいただき、本当にありがとうございました。
電話という形でお伝えしていることは本当に無礼なことだと思っております。このような形で報告させていただくことになってしまい、大変申し訳ございません。
退職を電話で伝えて辞めるまでのフロー
退職を電話で伝え、実際に辞めるまでにはいくつかのステップがあります。
- 電話をかける相手や番号など事前に確認する
- 適切なタイミングで電話をかける
- 退職する意思をはっきりと伝える
- 貸与物などを返却する
- 必要な書類などを受け取る
1つ1つは細かなことですが、細かなことを怠ると様々な手間が生じ、面倒なことになりかねません。ただでさえ退職はデリケートな話題であり、本来電話で伝えるものではないからこそ、細心の注意を払わなければなりません。
ここからはそれぞれのステップについて解説していきます。
STEP①電話をかける相手や番号など事前に確認する
1つ目は電話をかける相手や番号など事前に確認しておくことです。
会社によってはたくさんの電話が置かれ、部署によって電話番号が異なることがあります。確実に直属の上司につながるように電話をかけなければならないので、直属の上司が電話を取るであろう場所、その場所にかかる電話番号を事前に確認する必要があります。
もちろん取り次いでもらえればいいのですが、退職を切り出す前にちょっとした失礼なことがあると、退職を切り出しても冷静に受け取ってもらえない可能性が考えられます。そのようなことがないよう、電話をかける相手、電話番号の確認は必須です。
STEP②適切なタイミングで電話をかける
2つ目は、適切なタイミングで電話をかけることです。
電話をかけるのは業務時間内であり、業務時間内の一部の時間を使って退職したい旨を伝えることになります。できるだけ業務が忙しくない時間帯を狙うことが大切であり、どの時間帯が忙しくないかなどは社内の人間であればわかっているはずです。
時間に余裕がある時に電話をかければ、多少まとまった時間であっても冷静に対応をしてもらえます。ところが、かなり忙しい時に電話をかければまとまった時間も確保できず、忙しい時間帯に重要な電話をかけてきたことへの怒りのようなものも相手が感じるでしょう。最大限の配慮を示すためにも、時間帯はきちんと選ぶことが求められます。
STEP③退職する意思をはっきりと伝える
3つ目は退職する意思をはっきりと伝えることです。
民法のルールでは退職の申し出をしてから2週間後に退職することができます。一方で、退職の申し出がはっきりとなされない形になればいたずらに時間を浪費し、退職するまでに時間がかかってしまいます。
2週間後に辞めたい場合には退職する意思をはっきりと示さなければなりません。退職の申し出をはっきりと行った後で、退職届を提出するタイミングを決めて退職日を決めていく段取りを決めていきましょう。
STEP④貸与物などを返却する
4つ目は会社からの貸与物などを返却することです。
オフィスに入る際に必要な社員証や会社から貸与されたノートパソコンや名刺、保険証など、返却しなければならないものはすべて返却しましょう。パソコンなどは社外秘の情報も含まれているので、データの確認などを行ってから返却することになります。
返し忘れていると、退職してから返却のために会社に足を運ばないといけなくなり、手間がかかるでしょう。そうならないためにもリストにまとめて、返したもの・返していないものをはっきりとさせることが大切です。
STEP⑤必要な書類などを受け取る
5つ目は必要な書類などを受け取ることです。
退職の際には離職票など退職してから必要になる書類が多く存在します。これらの書類がいつごろ郵送されるのかを確認して、送付されるタイミングを教えてもらい、待つことになります。
必要な書類が送られてきたら、書類の中身を確認し、不備があれば再び会社側と連絡するような形になります。送られてこない場合は催促の電話などをかけて、1日でも早く送ってもらうようにしましょう。
退職を電話で伝える際の注意点
退職を電話で伝える際にはいくつかの注意点が存在します。
- 派遣社員の場合は連絡先に気を付ける
- 引継ぎなども忘れない
- 電話後に着信拒否をしない
- 会社によっては承諾してくれない可能性がある
ただでさえ電話で退職を伝える行為は無礼であると思われやすいので、これ以上の無礼がないようにするというのが大前提です。一方、電話だからこそ生じやすいトラブルも多く、事前に対策を立てることが求められます。
派遣社員の場合は連絡先に気を付ける
1つ目は、派遣社員の場合だと連絡先に気を付けることです。
派遣社員として現在の派遣先で働いている場合、退職の際に連絡すべき相手は派遣元の会社です。派遣先の会社に辞めることを伝えても、派遣社員としての所属は派遣元の会社なので、派遣先の会社にとっては関係ない人物です。
そのため、派遣社員として働いている場合には派遣社員として所属している会社に連絡を入れましょう。くれぐれも派遣先の会社に電話をかけないようにし、あらぬ迷惑をかけないことが大切です。
引継ぎなども忘れない
2つ目は引継ぎなども忘れないことです。
業務に関する引継ぎをしないと混乱を与えることになり、トラブルに発展することがあります。無用なトラブルを避けるには引継ぎを事前に行ったり、別日に引継ぎのためのスケジュールを確保したりするなど、引継ぎは入念に行いましょう。
会社側からすれば突然退職を申し出される形ですが、退職の申し出を行う側はある程度の計画を立てて実行に移しているだけなので、引継ぎに関してもその計画に盛り込んでいくことでよりスムーズな退職につながります。
電話後に着信拒否をしない
3つ目は電話後に着信拒否をしないことです。
もう用は済んだとばかりに着信拒否をしたくなる気持ちはわかりますが、正当な理由があって元の職場から電話がかかってくることがあります。一番想定できるのは引継ぎが上手くいっていない時です。2つ目の注意点でもご紹介しましたが、退職後に電話がかかってくることがないよう、引継ぎは入念に行うことが求められます。
また退職における事務手続きや貸与品の返却忘れがあると何度も電話がかかってくることがあります。離職票や源泉徴収票など必要になる書類がたくさんあるので、不備があると連絡が入ることになるでしょう。退職しても着信拒否はできるだけ避けることをおすすめします。
会社によっては承諾してくれない可能性がある
4つ目は会社によっては承諾してくれない可能性がある点です。
電話での退職の申し出は認めないと退職を受け付けないケースも十分に考えられます。実際には電話で申し出ても、民法上のルール的には問題ありませんが、それでも認めようとしないケースはあります。
直接退職届を出さないと承諾しないなど、色々な理由をつけてくることが考えられます。この場合は当事者間でトラブルになりやすいので、退職代行など第三者が介入する形にした方が余計なトラブルを避けられるでしょう。
退職を電話でも言い出しづらいなら退職代行を利用しよう
病気やパワハラなどで直接会って退職を申し出るのが難しい場合に電話での申し出を行うことになります。この電話での申し出も難しい場合には退職代行サービスを活用しましょう。
退職代行サービスを利用することで第三者が事務的な手続きを行い、連絡などをやってくれます。法律に則った連絡などを行うので基本的にはスムーズな流れの中で辞めることができます。特にパワハラなどで「面と向かって話をするのも嫌だ」と思う人からすれば退職代行サービスは素晴らしいサービスになるでしょう。
「電話でも退職を申し出ることは言いだしづらい」という場合には、すぐにでも退職代行サービスを活用し、スムーズな退職を目指しましょう。
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