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1日単位で明暗が分かれるってホント?知って得する退職タイミング4選

1日単位で明暗が分かれるってホント?知って得する退職タイミング4選

「終身雇用の崩壊」が叫ばれるようになっています。
転職は当たり前という風潮は浸透しつつあり、20代~60代の会社員1,200人を対象に大手転職サービス「DODA(デューダ)」が行った調査では、20代の約半数が転職を考えているというデータもあります。

転職に必要なのは、まず現在勤めている会社を辞めること。
まだまだマイナスなイメージが強い退職を切り出すことは、それだけで勇気がいるものです。

退職を考えている人の悩みの中でよく耳にするのは「自分が辞めたら周りに迷惑がかかることが目に見えていて、言い出せない」というもの。
これは一労働者がどうにか出来る問題ではなく、経営側や管理側に対応してもらうしかないでしょう。どんなに頑張っても、働き手が減るということで迷惑をかけてしまうことは避けられません。
結局退職に最適なタイミングなんて存在しないのです

…とは言っても退職には様々な側面が伴います。「この視点から考えればこの時期がオススメ」と言えることもあります。
このまま続けるつもりはないけどなかなか辞めるタイミングが分からない、という人は是非参考にしてみてください。

①転職先が決まっているとき
→入社日前日~14日前

たいていの労働者は、仕事を辞めたら収入源がなくなってしまいます。退職と同時に転職する、あるいは転職のために退職をするという人は多いのではないでしょうか。

当然入社時期に合わせて退職をすることになります。
入社前に退職しておくのは大前提ですが、入社日前日~14日前に退職するように調整できるといいでしょう。

これは社会保険と関係しています。日本では国民皆保険制度によって常に何らかの公的医療保険に加入しなければなりません。
退職すると次の会社の社会保険に加入するまで、国民健康保険に一度切り替える必要があるのです。

そこで出てくるのが14日という期間。国民健康保険への切り替え手続き期限は「退職した翌日から14日以内」と定められているので、逆に言えばその期間内であれば手続きをおこなっていなくても問題ありません
新生活の開始に向けていろいろな準備が必要な中、面倒な手続きはできるだけ少なくしたいですよね。

ただし月の末日と空白期間が重なってしまうのはあまり得策ではありません。
詳しくは後ほど説明しますが、損をしてしまう可能性があります。

②転職先が決まっていないとき
→1~2月もしくは8~9月

普段の仕事が忙しく合間を縫って転職活動をするのは難しいから一度退職した後で次を探したい、という人にオススメなのは1~2月と8~9月の退職です。

厚生労働省の発表では毎年3月と10月に求人数が多くなる傾向があります(※一般職業紹介状況(職業安定業務統計)に基づく長期時系列表/ 6/ 有効求人数(実数及び季節調整値)より)。

どちらも新年度や下半期からの業務にむけて、欠員補充や新体制のために募集が活発になるようです。
選択肢が多ければその分あなたに合った求人が見つかる可能性も高くなるため、この時期は狙い目と言えるでしょう。

もちろん希望している業種や会社によっては求人が不定期だったり決算期が3月ではないこともあります。
退職する前に今後のプランについて考えてみた上で時期を決定してくださいね。

③賞与(ボーナス)をもらいたいとき
→確実にもらってから退職。ただしもらった後も注意が必要

もらえるお金はもらっておきたい。まとまった金額が手に入る賞与制度は、是非ともあやかりたいですよね。

注目したいのは、賞与は労働基準法に明記されている給料と違い会社独自のオリジナル制度という点です。「支給するかどうか」「いくら支給するか」といった裁量権は会社側に依存します。
たとえ評価や査定期間が既に終わっていても「退職するのはいいけどこれ以上うちで働かないなら今回の賞与はなしです」といった主張が正当なものとしてまかり通ってしまいます。
そのため確実に受け取った後に退職の話をするのが無難です

ただし労働条件書や就業規則に支給額や支給条件が明記されていると、賃金にあたるとみなされ会社に支払い義務が発生します。
その場合は逆に支給条件を満たしていないと判断されれば、支給された後でも返還してくださいと言われることがあります

納得のできない主張には従う必要はありませんが、賞与についての規定は一度しっかりと目を通すことをオススメします。

④勤続期間が短いとき
→いつでもOK。ただし1カ月未満は少しだけ損をする可能性有

なんとなく耳にする「仕事は最低3年は続けなさい」という謎の格言。これを真に受けて、まだ始めて〇日だから続けるべきなんじゃないかと悩む人は非常に多いです。

続けるべきか辞めるべきかは誰にも判断できません。親にも上司にも友達にも、絶対の正解を導き出すのは不可能です。

辞めることは労働者に保証された権利、いつ行使してもかまいません

強いて言うなら、1カ月未満の勤続期間の方は少しだけ退職を待ったほうがいいかもしれません。
会社に入ったその当月中に退職し、国民健康保険に加入もしくは次の会社の社会保険に加入する場合、保険料の二重払いが発生してしまうためです。

勤続期間が1カ月未満でも、入職と退職が月をまたいでいれば問題ありません。

なぜ発生するのかは解説しますが、少々複雑な話になるので面倒な人は先ほどの太字と一番最後にある例外だけ目を通してもらえば問題ありません。

原則①社会保険料は資格喪失日が属する月の前月分までを徴収する

「資格喪失日」=「退職日の翌日」です。
例えば・・・

  • 6月20日退職の場合:資格喪失日6月21日、徴収するのは5月分まで、6月分は徴収なし
  • 6月30日退職の場合:資格喪失日7月1日、徴収するのは6月分まで

ということになります(保険料は日割り計算ができないので、月ごとに徴収)。

「月末の前日に退職すれば社会保険料を払わずに済む」という噂もあり、それはそうなのですが、結局その月の国民年金保険料と国民健康保険料を納付する義務があることに変わりはありません
社会保険料は会社と労働者で半分ずつ支払っているので会社にとっては月末前日退職は確かにお得ですが、個人の視点で見れば結局納付義務からは逃れられません。

国民年金保険料については納付していない月がそのままだと、将来の年金から差し引かれてしまうことになるので忘れずに手続きしておきましょう。

原則②国民健康保険料はその月の末日時点で国民健康保険に加入している人から徴収する

この原則のおかげで、基本的に二重払いが発生することはありません。
先ほどの例でもう一度見てみると・・・

  • 6月20日退職の場合:6月30日には国民健康保険に加入しているので、6月分を徴収
  • 6月30日退職の場合:まだ社会保険に加入しており国民健康保険に加入していないため、徴収なし

となります。
先ほど空白期間が月末と重ならない方がいいと言ったのはこの原則②が存在するためです。

ちなみに国民健康保険はいつ加入手続きをおこなったとしても、自動的に社会保険の資格喪失日から加入していたものとみなされて保険料を徴収されます。
未加入=保険料を払わなくてよい、という図式は成立しません。国の絶対に徴収するという強い意志を感じますね。

以上の原則①と原則②により、漏れなく・重複なく保険料が徴収されるような仕組みになっています。
ただし入職と退職、つまり社会保険の資格取得と喪失が同じ月の場合は勝手が違います。

原則③社会保険料は資格取得した月から徴収が開始する

原則①で

  • 6月20日退職の場合:資格喪失日6月21日、徴収するのは5月分まで、6月分は徴収なし

このように説明しました。
これは6月以前からこの会社に勤務していた場合の形です。もしこれに「入社が6月10日」という状況を加えると

  • 6月10日入社:6月分社会保険料納付義務発生
  • 6月20日退職:5月分はなんらかの形で徴収済、6月分の社会保険料を徴収
  • 6月30日  :原則②によって国民健康保険に加入しているので、国民健康保険料および国民年金保険料6月分を徴収

ということになります。
もし6月30日時点で既に違う会社に就職していた場合はその会社での社会保険料は6月分から徴収開始、つまりこちらも6月分保険料は二重払いとなります。

例外:厚生年金保険料は戻ってくることがある!


スッキリしない制度ですが、厚生年金保険料には救済措置があります。

(3)入社した月に退職をした場合
(前略)
厚生年金保険の資格を取得した月にその資格を喪失し、さらにその月に厚生年金保険の資格又は国民年金(第2号被保険者を除く。)の資格を取得した場合は、先に喪失した厚生年金保険料の納付は不要となります。

 

引用元:月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。|日本年金機構

つまり会社に入ったその当月中に退職し、その月のうちに次の会社の社会保険に加入した場合は、前の会社で払った厚生年金保険料を返金してもらうことができます。

しかし次の会社に入ることなくその月が終わってしまった場合には返金されません。
また、健康保険料については返金についての規定は特にありませんので、二重払いのままになります。

まとめ

4つの側面から退職するタイミングを検討しましたが、該当するものや、この中で何を優先するかは人によって違うはずです。
人生の責任は誰もとってくれません。
一人だけで悩むのもあまり良くないですが、退職に限らず様々な選択の場面における最終決定権は常に自分自身にあります。

退職したいと思ったタイミングできちんと退職ができる社会が本来の姿です。
自分の理想のタイミングで退職することを認めてもらえない、様々な要因から言い出せないという時には退職代行サービスがあなたの力になれるかもしれません。

ライター:ぽったー

EXIT社員。教職に就いたが忙しすぎて「この仕事を大好きと思えるうちに辞めよう」と退職を決意。4カ月交渉し続け、ようやく退職。度重なる面談ですり減ったHPを回復させていたところ、退職代行EXITとめぐりあう。

◎EXIT −退職代行サービス−とは?

EXIT株式会社が提供するサービスで、「辞めさせてもらえない」「会社と連絡を取りたくない」などの退職におけるさまざまな問題に合わせ、退職に関する連絡を代行してくれる。相談当日から即日対応が可能で、 会社との連絡は不要。離職票や源泉徴収票の発行確認など、退職後のフォローも行ってくれる。

退職代行サービス「EXIT」