EXIT社で退職代行の仕事をしていると、退職の際に上司の引き止めに遭い、言いくるめられてしまったため相談した、という依頼者をよく見かける。
そのような方から依頼を受け、会社に連絡をすると「本人がまだ続けると言ったばかりなのに、なぜこんなすぐに退職するのか」と言われることが多い。
この時、私はいつも憤りを感じざるを得ない。本人の意思で続けると言ったのではなく、上司が高圧的な態度で引き止めた為、やむを得ず退職代行EXIT(以下、EXIT)を使ってすぐに辞めようとしているという事に気づかないのだろうか。
引き止めを行った時の部下の表情や、声のトーンは決してかんばしくなかったはず。
納得がいかないのだから当たり前である。
それに気づいていながら最後まで引き止めているのだとしたら、その上司は部下の事を思っているのではなく、「仕事が増えてしまうから」「手続きが面倒くさいから」「自分の評価が下がるから」といった理由で引き止めているに過ぎないだろう。
現在、上司の引き止めに遭い、辞めるに辞められない状況にいる貴方。
確かにある程度お世話になった上司かもしれないが、そんな身勝手な引き止めで人生の大切な時間を失ってはいけない。
上司の引き止めを振り払い退職を完遂するには、引き止めの言葉を言われた時に絶対に揺らがない心を持ち、時には言葉で反撃する事が重要である。
この記事では、私がEXITで退職代行をさせて頂く中でよく聞く引き止めの言葉をピックアップし、それを言われた時に持つべきマインドと、引き止めをはね除ける反撃の言葉を書いていこうと思う。
目次
①人が足りないから辞めないでくれ
②今退職されると困るから、もう少しだけ居てくれ
③今辞めたら経歴に傷がつくよ
④うちから借金してるから退職させる訳にはいかない
①人が足りないから辞めないでくれ
これはよくある引き止めである。この言葉を言われた時に心の優しい方は「自分が退職したら会社に迷惑がかかってしまうのではないか」と思うだろう。しかし、退職が労働者の権利である事は言うまでもなく、人が足りないからという理由で退職の意思のある人を存続させるのは身勝手極まりない。ここは毅然とした態度で臨もう。
・持つべきマインド
人員を補充するのは会社の仕事であり、一人抜けたら困るような状況を作っている会社に非がある。退職は労働者の権利であり、自分が辞める事は正当な事である。
・反撃の言葉
人が足りないのは私の責任ではありません。労働者として私は退職する権利があります。その権利を行使します。
②今退職されると困るから、もう少しだけ居てくれ
これと似たもので「ハローワークに求人を出しているから新しい人が入って来てから退職してくれ」もある。
これを聞くと心の優しい方は「もう少しだけならここで働いてあげよう」と思ってしまうのではないだろうか。
しかし、この「もう少しだけ」はいつまでなのだろうか。「新しい人が入ってくる」のはいつなのだろうか。
このように引き止められた方がその後、退職の話を無かったことにされ、当たり前のように長期間働かされたという事案を何度も見ている。つまり、これは社員の引き止めにおける一つの手口なのだ。
一度、「退職したい」と言えた人でも、ひとたび退職を取り下げられてしまうとその後もう一度退職の話を切り出すのは難しい。それを知っていてわざと期間を設けることなく「もう少し居てくれ」と言って突き返し、退職をし辛くさせているのだ。人の優しい心につけ込み、退職する気力を削いでいくのである。
挙句の果てに「自分で続けると言ったじゃないか」と人の情けを建前に使う。これは決して許せる事ではない。毅然とした態度で臨もう。
・持つべきマインド
いつ退職出来るかも分からない「もう少し」には同意する訳にはいかない。ハローワークに求人を出しているとしても、新しい人が入ってくるのがいつになるか分からない以上、同意することはできない。
・反撃の言葉
1. 「もう少し」とはいつまでか教えて下さい。期限が分からなければ同意は出来ません。
2. 新しい人が入る予定はいつなのか教えて下さい。予定日までに人が入って来なければ、すぐに退職させて頂きます。
③今辞めたら経歴に傷がつくよ
これは上記2点の「うちの会社が困るから」といういわゆる「泣き落とし」とは別で、間接的に脅しをかけきているパターンだ。
「今、退職して良いのか?退職してもどこにも転職先は無いぞ?」という事である。
これは「人生の先輩でもある上司に、先行きの不透明さを改めて指摘されると怖くなる」という心理を巧みに利用し、脅しをかけてきている状態である。しかし、よく考えればここでひるむ事はおかしいと言える。
誰だって先の分からない未来は怖いものである。貴方はその怖さを承知の上で、退職を決意し上司に申し出ているのではないのだろうか。
仮に上司が本当に心配して言っていたとしても、そもそも退職したいと思わせるような職場環境しか作れなかったのだから、そんなことを言う資格は無いはずだ。
本当に退職した後の人の事を気遣うつもりがあるのであれば「辛い思いをさせて申し訳なかった。退職した後も頑張ってくれ。」の一言でも言ったらどうなのか。
こんな脅しをかける上司のいる職場は、さっさと退職するべきである。
・持つべきマインド
こんな会社にいつまでもいるぐらいなら、先の分からない未来を信じて退職した方が幸せである。
・反撃の言葉
1. 私の人生ですので、ご心配いただかなくても大丈夫です
2. 退職した後の職のアテはもうあります
④会社から借金してるから退職させる訳にはいかない
これはなかなか痛い所を突かれていると思う。借金がある時点で、文字通り会社に「借り」があるためである。
しかし会社に借金があるからと言って「退職をさせない」という事の理由にはならない。それはまた別の問題である。
とはいえ、お金を貸してもらっている状態なので配慮は必要である。しっかりお金を返すという事を伝えながら、「退職をさせない」というところに関しては強く否定しよう。
・持つべきマインド
借金をしている事と退職は別の話。借金をしているとしても退職は正当な行為。
・反撃の言葉
1. お金は〇月〇日までに必ず返します。退職はその前にさせて頂きます。
2. 借金がある事と退職は別の話ですので、今は退職の話をさせて頂きたいです。
終わりに
退職を切り出すのは勇気がいると思うが、自分が思っているよりも割とすんなり解決する事があるので、ぜひ一度は自分の口から切り出してみてほしい。
EXITで退職代行を行っていると心優しい上司の方が「なんで直接言ってくれなかったんでしょうかね?」と悲しそうに聞いてくる事があり、胸が痛い時もある。
自分で退職の話を切り出したものの、突き返されたり、そもそも自分の口からは言い出せないほど追い詰められてしまっている時には、ぜひ私たちを頼って欲しい。
私たちは、退職したくても退職が出来ない全ての人の味方である。
ライター:キタガワ
◎EXIT −退職代行サービス−とは?
EXIT株式会社が提供するサービスで、「辞めさせてもらえない」「会社と連絡を取りたくない」などの退職におけるさまざまな問題に合わせ、退職に関する連絡を代行してくれる。相談当日から即日対応が可能で、 会社との連絡は不要。離職票や源泉徴収票の発行確認など、退職後のフォローも行ってくれる。