退職する際に診断書は必要?入手方法や提出までの流れ・必要なケース・メリット・デメリットなどをご紹介!
「体調不良で辞めたいけど信じてもらえるか心配」、「診断書がなければ退職を認めてもらえないのか不安」と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。主に体調不良で退職をしたい場合に診断書が必要になる場合があります。
診断書があることでスムーズに事が運ぶ場合もあれば、診断書がなくても退職まで行えるケースもあるなど、実にバラバラ。診断書があった方がいいのか、なくても問題はないのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では退職する際に診断書は必要なのかという話題を中心に、診断書の入手方法や診断書を提出するまでの流れ、診断書が必要なケースなどをまとめました。
本記事を読むことで、体調不良を理由に辞めたい方、仕事を休職したい方が診断書を活用すべきかどうかが分かるので必見です。
退職する際に診断書は本当に必要?
そもそも退職する際に本当に診断書は必要なのかと疑問に思う方も多いはずです。ここからは退職する際に診断書は本当に必要なのかについてご紹介していきます。
- 診断書の提出は任意
- 就業規則で診断書を求められることがある
- 即日退職を求める際に必要になることも
退職では必ず診断書が必要ということはなく、任意となっています。ただ、就業規則で診断書が求められることもあるなど、企業によって対応が変わります。ここからは退職する際に診断書は本当に必要かどうかについてご紹介します。
診断書の提出は任意
基本的に診断書の提出に関しては任意であり、診断書がないから退職が認められないということはありません。労働者には退職の自由が認められているため、労働者が退職の申し出を行えば、理由に関係なく、辞めることができます。
そのため、体調不良を理由に辞める場合でも、体調不良を診断書を使って立証する必要はありません。あくまでも任意となるため、診断書を特に用意する必要はないのです。
就業規則で診断書を求められることがある
なぜ診断書が必要になるのかですが、それは企業によって就業規則の取り決めで診断書が必要になることがあるためです。大きな理由として挙げられるのは、病気ではないのに仮病を使って会社を休む行為を防ぐためで、欠勤が続いている場合に診断書の提出を求めることがあります。
法律では診断書を提出するよう義務付ける条文などはありませんが、就業規則でルールを決めればそのルールに従うことになります。就業規則で診断書を求められたら提出しなければならない形になるでしょう。
即日退職を求める際に必要になることも
就業規則で診断書の提出を求めていない企業でも、即日退職を求めていく際に必要になる場合があります。即日退職はその日のうちに会社を辞める場合を指すので、明確な証拠がなければなかなか即日退職を認めてもらうことは難しいでしょう。
診断書は医師が書くため、症状を明確に示すものとして十分な証拠となります。診断書が提出されれば本当にその症状で体調不良になっていると信じてもらえることは間違いないため、即日退職を目指す際には診断書があった方が確実に事が運びやすくなるでしょう。
退職する際に診断書があることのメリット・デメリット
ここからは退職する際に診断書があることに関するメリット・デメリットについてご紹介していきます。メリット・デメリットをそれぞれまとめました。
- メリット① 具体的な症状を伝える際に証明になる
- メリット② 切迫した状況をわかってもらえる
- メリット③ 同僚や上司などの理解を得られやすい
- デメリット① 診断書があってもすぐに辞められるとは限らない
- デメリット② 不利益を受ける場合がある
退職する際に診断書があることによるメリットは当然ある一方、デメリットもあります。診断書があればプラスに働くことがあるものの、プラスだけとは限らない一面もあるのです。ここからは退職する際に診断書があることのメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット① 具体的な症状を伝える際に証明になる
メリットの1つ目は具体的な症状を伝える際に証明になることです。
現時点でどのような病気になっているのかを証明するのに診断書があると確実です。退職の申し出を行う際、「うつ病という症状で3か月の療養が必要なので、退職をさせてもらいたい」と診断書で示すことができれば、退職の申し出に説得力が生まれ、スムーズな退職につながりやすくなります。
仮に休職をする場合でも療養期間がそのまま休職期間になる場合もあるので、今後のことを考えた際には診断書があった方が様々な話が進みやすくなると言えるでしょう。
メリット② 切迫した状況をわかってもらえる
メリットの2つ目は、切迫した状況をわかってもらえることです。
就業規則で定められている期間ではなく、民法で定められている期間で退職の申し出を行う場合、法律に則った形ではありますが、就業規則を守っていない形になるため、あまりいい顔をされません。しかし、診断書が示されることで、早急に休養しなければならないという切迫した状況をわかってもらえます。
切迫した状況だからこそすぐに休みを与えなければならないという気持ちに切り替わりやすく、その状況を証明するのに診断書が欠かせません。
特に有期雇用契約のように、正社員と違って退職までのルールが色々とある場合には「やむを得ない理由」から即日退職を目指していかないといけないでしょう。その際に診断書があれば「やむを得ない理由」に該当しやすくなります。切迫した状況をよりアピールするにはかなり役立ちます。
メリット③ 同僚や上司などの理解を得られやすい
メリットの3つ目は、同僚や上司などの理解を得られやすい点です。
例えば適応障害やうつ病などの精神疾患になってしまい、退職したいと申し出た場合、精神疾患は目に見えないため、本当に病気になっているのだろうかと疑問を持つ同僚や上司がいても不思議ではありません。
しかし、診断書があることで病気を理由に退職したいのは本当であることがわかります。有給休暇の消化をする形で事実上の即日退職を目指す場合などにも理解を得られやすくなるでしょう。有給休暇の消化などは同僚や上司の理解があるとよりスムーズになるため、診断書を作成するメリットとして大きいのです。
実際に病気になっている方からすれば、証拠があってようやく自分のことを信じてもらえるのかと悲しい気持ちになるかもしれません。骨折のように明らかに問題がある状態ならばすぐに理解してもらえますが、そうでないケースだとなかなか理解を得るのは大変です。理解を得るには必要なことと言えるでしょう。
デメリット① 診断書があってもすぐに辞められるとは限らない
デメリットの1つ目は、診断書があってもすぐに辞められるとは限らない点です。
診断書で一定期間の治療や療養が必要という証明ができたのですぐに辞められるとは限りません。会社にも事情があり、人員の補充が行われるまでは最大限配慮をするので仕事を続けてほしい、もしくは最終出社日まで出続けてほしいとお願いされる可能性があります。
また引継ぎなど仕事が残っている場合には、体調不良の状態であっても後々のことを考えると即日退職を目指すのは厳しいと感じる人もいるでしょう。診断書があるからといってすぐに辞められるわけではないので、注意が必要です。
デメリット② 不利益を受ける場合がある
デメリットの2つ目は、不利益を受ける場合がある点です。
不利益を受けるケースは様々ですが、退職金の問題や退職までの扱い、退職届を受理しないで解雇してしまうなど、様々な不利益のケースが考えられます。いずれのケースも実際に会社側が行えば従業員の士気を下げかねません。それでもブラック企業などでは起こり得るのです。
あるケースではうつ状態になってしまった方が結果的に入退院を繰り返すようになり、その都度、休職と職場復帰を繰り返してきました。何回かの職場復帰を行ったのちに退職勧告を受けて、辞めざるを得なくなったというケースがあるのです。医師は復帰しても何ら問題はないと太鼓判を押してくれたのに、会社側は認めてくれなかったのです。
参照:https://studio-tale.co.jp/career-stories/age40/job_change_story_1962/
不利益を受けるケースは実際にはそこまで多くないと言えますが、全くないわけでもない話です。不利益を受けることを考慮してアクションを起こしていくことも時に必要となるでしょう。
退職する際に診断書がないことのメリット・デメリット
先ほどは退職する際に診断書がある場合のメリット・デメリットをご紹介しましたが、次は診断書がない場合のメリット・デメリットについてです。
- メリット① 診断書にお金をかけなくて済む
- メリット② 診断書がなくても退職自体はできる
- メリット③ 会社と合意が得られれば診断書がなくても大丈夫
- デメリット① 仮病を疑われる可能性がある
- デメリット② 同僚などに信じてもらえない
退職する際に診断書がなかったとしても退職することは可能ですし、即日退職もできます。その部分がメリットになっている一方、医師が症状を証明してくれないデメリットも大きいと言えます。ここからは退職する際に診断書がないことのメリット・デメリットについてご紹介していきます。
メリット① 診断書にお金をかけなくて済む
メリットの1つ目は、診断書にお金をかけなくて済むことです。
診断書は決してタダで書いてくれるものではありません。診断書の作成にはお金がかかります。しかも保険の対象ではないため、全額自己負担となり、しかも診断書に必要なお金はバラバラです。この値段の部分に関しては後程ご紹介します。
診断書がなければ退職できないのならば別ですが、診断書があってもなくても即日退職を目指せるのであれば診断書がなくても問題ないと言えます。退職後のことを考えて、費用面を少しでも切り詰めたい場合に診断書にお金を掛けなくて済むことは大きいことです。
メリット② 診断書がなくても退職自体はできる
メリットの2つ目は、診断書がなくても退職自体はできることです。
診断書がなくても退職自体はできるというのは、退職には診断書が必須などの条文が法律にあるわけではない点、そして、労働者には退職の自由が与えられている点です。どんな理由であれ、もっと言えば理由が全くなかった場合であっても退職したいと意思を伝えれば、自由に退職できます。
体調不良なので退職したいと労働者が切り出しても、会社側は認めなければなりません。診断書がないと退職できないと主張してもその主張に何の根拠もないので、診断書は必要ないと言えます。
実際に体調不良だとウソをついて退職した方がいます。体調不良であるとウソをつくことで引き止められないで済んだそうです。本当に体調不良だった場合に何かしらの問題に問われるリスクもあるので、会社側もなかなか引き止められない様子。しかも、診断書が出された場合、会社側としてはまずいことになる可能性は十分に考えられます。
こうした事情を踏まえた上で実際にウソをついて退職したり、実際に体調を崩して辞めたりしたケースが実際にあるのです。
参照:https://tenshoku-try.com/30s-job-interview-reason-for-retirement
メリット③ 会社と合意が得られれば診断書がなくても大丈夫
次は会社と合意が得られれば診断書がなくても大丈夫な点です。
即日退職ですぐに退職をしたい場合、民法における退職の申し出から2週間というルールが壁になります。しかし、このルールを使わずに済む方法があり、それが会社との合意です。双方が即日退職に合意をすれば、即日退職が認められます。
会社側が合意をする際に診断書があればより確実な判断ができますが、なかったとしても全く問題はなく、合意することは可能です。以前から体調不良で厳しい状況になっていることを会社側が知っているのであれば、診断書がなくても話を行えば理解を示してくれます。診断書がなくても大丈夫な状態にできればOKです。
デメリット① 仮病を疑われる可能性がある
デメリットの1つ目は、仮病を疑われる可能性がある点です。
就業規則において診断書の提出を定めている企業が存在するのは、仮病の可能性を想定しているからです。即日退職ができるのはやむを得ない理由に該当する場合であり、病気であればやむを得ない理由に該当することは間違いありません。
本当は病気ではないのに病気だと偽って即日退職を求めているのではないかと仮病を疑われる可能性があります。骨折など明らかに見た目でわかるケガ・疾病であればその姿を見せればウソではないとわかりますが、精神疾患ではそうもいきません。医師の診断書はそれだけ信頼されているアイテムと言えるでしょう。
デメリット② 同僚などに信じてもらえない
デメリットの2つ目は、同僚などに信じてもらえない点です。
会社側は就業規則で医師の診断書の提出を定めることで、仮病ではないことを証明してもらい、スムーズな退職につなげられます。同僚からすれば、本当に精神疾患なのだろうかと疑問に思ってしまうことも考えられるでしょう。
同僚や上司に信じてもらえない中で引継ぎを行う、有給休暇の消化をしたいので融通をきかせてもらうなどの局面で、表向きは心配してくれていても、裏では全く逆の反応を示すことも十分に考えられます。本当に病気なのに白い目で見られるという最悪な状況の中に身を置くことも想定しなければなりません。
退職する際に必要な診断書の作成期間・中身・費用や入手方法は?
退職する際に必要な診断書とは一体どのようなものなのか、診断書に関する情報をまとめました。
- 診断書の作成にかかる時間
- 診断書の中身について
- 診断書の費用について
- 診断書の入手方法について
診断書はいきなり病院を訪れ、いきなり書いてくれるわけではありません。診断書自体は様々なものに使えるため、慎重に取り扱われるアイテムです。そのため、時間も費用もかかります。ここからは退職する際に必要な診断書の作成期間・中身・費用や入手方法についてまとめました。
診断書の作成にかかる時間
診断書の作成にかかる時間は即日のケースもありますが、あくまでも診断書の作成そのものにかかる時間です。例えば、うつ病だからうつ病を理由にして診断書を書いてほしいと精神科を訪れて、その日のうちに診断書を作成することはきわめて難しいのです。
例えば、骨折のように症状が明らかな場合では治療に必要な期間などがすぐに示せるため、診断書の作成にさほど時間はかかりません。ところが、うつ病など精神疾患の場合は治療にどれくらいの時間が必要なのか、なかなかわからないものです。
うつ病のケースでは何回か病院に足を運んだ上で症状を判断するケースがあります。その場合は2週間以上かかることも考えられます。もちろんその場で出してくれる医師もいますが、診断書に関する明確なルール、段取りがあるとは言い難く、医師次第になってしまうと言えるでしょう。
診断書の中身について
診断書には色々なことが記載されています。まず患者の情報、病名や受診日、治療に必要な日数、病院名、医師名などが書かれます。これだけでも診断書としての機能を持っていますが、中には診断書を通じて、仕事量や仕事内容に関する指示もしくは医師の見解が示されることがあるのです。
医師としては治療がうまくいくために最善を尽くしたいので、このような治療法をしてほしい、職場環境はこのような状況が望ましいと提案することがあります。中には患者からお願いされて医師が書くケースもあるため、診断書の中身に関しては症状や日数以外の部分はある程度患者の希望が尊重されるものもあると言えるでしょう。
診断書の費用について
診断書を作成してもらう費用ですが、先ほどもご紹介した通り、全額自己負担となります。おおよそ数千円程度で診断書を発行してもらえますが、場合によっては1万円前後までかかってしまう場合もあるのです。診断書の費用がここまで異なるのは診断書の様式も関係しています。
一番安い診断書は病院が独自の様式で作成するタイプで、この場合で数千円程度となります。診断書には保険会社の様式のもの、自賠責関係、介護保険関係など様々あり、ちゃんとした様式に医師が記入していく場合は高くなりやすいのです。
診断書は法的効力を持つアイテムであり、診断書には一定の価値があります。加えて健康保険は使えず、全額自己負担で自由に値段を設定できるからこそ、高めの値段に設定するケースもあるのです。ただ、そのエリアの病院で多く設定されている価格にアジャストしているケースも目立ちます。
診断書の入手方法について
診断書は基本的に医療機関で作成を依頼することで書いてもらえます。医師は患者に診断書を書いてほしいと頼まれたら、診断書を書かなければならない決まりになっています。これは医師法第19条で交付義務が定められているためです。そのため、主治医に診断書を書いてもらうのが一番確実です。しかし、正当な理由があれば断ることも可能です。
その一方、診断書はどんな医師でも書けるわけではありません。過去に診察を行った人でないと診断書は書けないのです。例えば、知り合いの医師にいきなり診断書を書いてもらうということはできません。
退職する際に必要な診断書はいつ出せばいい?
退職する際に必要な診断書はどのタイミングで出せばいいものなのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。ここでは診断書を出すべきタイミングをまとめました。
- 退職の申し出を行うタイミングで出す
- 休職する場合は休職の申し出を行うタイミングで出す
- 診断書は退職後にも必要になることがある
診断書を出すタイミングはおおむね限られますが、退職する際に必要なケースとなれば、退職の申し出を行うタイミングが1つの目安となるでしょう。ここからはどのタイミングで出せばいいのかをご紹介します。
退職の申し出を行うタイミングで出す
退職の申し出を行うタイミングで出すことで即日退職を求める場合にその場で認めてもらいやすい効果があるほか、就業規則で定められている場合があるためです。病気を理由に退職の申し出を行う際に医師の診断書が必要であると定めていた場合、退職の申し出を行う際に出すことが迫られます。
人によっては退職をまだ考えていない段階から、今後の仕事に関して配慮を求めるために診断された時点で提出する人もいるでしょう。確実に退職をしたい場合には退職の申し出を行うタイミングで出すのが一般的と言えます。
休職する場合は休職の申し出を行うタイミングで出す
休職する場合に関しても休職の申し出を行うタイミングで提出することになります。このあたりも就業規則で定められていることがあるので、就業規則がどのように定めているのかを事前にチェックする必要があります。
ちなみに休職期間も会社によってそれぞれ決められている場合があります。診断書に書かれた療養期間がそのまま休職期間になる場合もあれば、会社が定めた上限までの会社、勤続年数が1年に満たない社員に休職を認めていない会社など様々です。
診断書は退職後にも必要になることがある
診断書は退職や休職を認めてもらうために必要であると同時に、退職後にも必要になることがあります。例えば、治療に専念するために傷病手当金を受け取る際に必要です。また自己都合退職で辞めた人が特定理由離職者として給付制限なしで失業保険を受け取る際にもハローワークで必要になります。
他にも会社側の失態でケガや病気になってしまい、会社側を裁判で相手取る場合にも診断書が必要です。退職をスムーズにできるようにするために必要でもありますが、その他にも必要になるケースがあるため、診断書は欠かせないと言えます。
退職する際に診断書を提出するまでの流れ
ここからは退職する際に診断書を提出するまでの流れについてご紹介していきます。
- 病院で診断を受ける
- 診断書を書いてもらうように依頼する
- 退職届と一緒に提出する
診断書を提出するまでの流れは、基本的にこの流れで進んでいきます。
病院で診断を受ける
まずは病院で診断を受けます。感染症などの場合は初診の段階で診断書を書いてもらえることが多いですが、うつ病などの精神疾患は症状の確定が求められるので、通院を複数回行わないと正確な診断ができないと診断書をすぐには書いてくれません。
特に患者側の言うことが色々と変わったり、主張する症状が違ったりすると、同じ精神疾患でも色んなケースが想像されるため、最終的な症状を定められません。「自分はうつ病なのでうつ病で診断書を書いてください」と無理やり書かせることは難しいでしょう。自分の名前、病院名が診断書に記載される以上、下手なことは書けません。この診断のところで慎重な判断が行われます。
診断書を書いてもらうように依頼する
何回か通院を行うなど、医師との信頼関係ができ始めたところで、診断書を書いてもらうように依頼します。初診の段階で診断書を書いてもらいたいという要望を出していればスムーズに書いてもらえるので、早い段階から打診を行っていくことが求められます。
一方でなかなか書いてもらえないこともありますが、会社を退職するもしくは休職するほどの症状ではないと医師が判断している可能性もあります。そのため、無理やり書かせるような形では意味がないので、なぜ診断書を書かないのかという理由をしっかりと聞いてみるのがおすすめです。
退職届と一緒に提出する
診断書を書いてもらったら、退職届と一緒に提出します。退職届と診断書を一緒に提出することで多くの会社の就業規則に則った形で手続きが行えます。ここまでのことをすれば、会社側が退職を引き止める可能性は低くなります。退職の本気度を感じられるためです。
診断書を必要とするケースとは?
診断書はなくても退職には問題がない一方、診断書がないといけないケースもあります。
- ハローワークで特定理由離職者の扱いにしてもらう場合
- 傷病手当金を受け取る場合
- 自立支援医療制度を利用する場合
- 障害者手帳を取得する場合
- 障害年金をもらう場合
- 会社に損害賠償請求をする場合
診断書がなくても退職できるものの、退職後に診断書が欠かせないケースは多くあり、どのケースも極めて重要です。ここからは診断書が必要となるそれぞれのケースをご紹介します。
ハローワークで特定理由離職者の扱いにしてもらう場合
ほぼすべての失業者にとって注目すべきなのが、ハローワークで特定理由離職者の扱いにしてもらう場合です。自己都合退職の場合は給付制限として2か月ないし3か月の期間を過ごさないといけないので、失業保険を受け取るのに時間がかかります。
特定理由離職者は給付日数こそ自己都合退職のケースと変わりませんが、給付制限がなく、7日間の待期期間を終えてからカウントが始まります。そのため、無給の期間が短くなるのです。この特定理由離職者の扱いにしてもらうには、正当な理由が必要です。心身の障害が理由の場合には、医師の診断書が欠かせません。
傷病手当金を受け取る場合
失業保険は心身ともに健康でなければ受け取れません。そのため、病気療養中は失業保険を受け取れないのです。病気療養中に受け取れるのが傷病手当金です。傷病手当金を受け取る際に診断書が必要となります。
この場合、診断書が必要となるのは会社が休職の判断をする場合などで、健康保険組合への申請においては医師の診断書が必要ということではありません。会社側に休職の判断をすぐに行ってもらうためにも診断書が必要です。
自立支援医療制度を利用する場合
精神疾患などで精神科・心療内科を利用する際には自立支援医療制度を活用することになります。自立支援医療制度は本来3割負担のところ、1割負担で利用できるようになるという制度です。この制度を利用する際には自立支援医療用の診断書や申請書、所得を証明するものなどが欠かせません。
会社に提出するための診断書は必要なくても、自立支援医療制度を利用する際に欠かせない診断書が存在するので、制度を利用する際には医師に書いてもらいましょう。
障害者手帳を取得する場合
重い精神疾患を抱える方は障害者手帳を取得することになりますが、この時に診断書が欠かせません。障害者手帳の申請で必要な申請書は自治体のホームページでダウンロードができ、ダウンロードした書式のものに医師が書き込んでいく形になります。
診断書なしには障害者手帳の発行はできないので、障害者手帳が必要な場合には早い段階で診断書を書いてもらい、早めに提出まで済ませましょう。
障害年金をもらう場合
一定以上の障害を抱えた方は障害年金の受け取りが行えます。この障害年金を申請する際に診断書が必要です。診断書が重要になるのは、障害の状況によって障害等級が変わるためです。障害の状況を確かめるのに診断書が欠かせなくなります。
退職の時点では診断書が必要なくても、何らかの要因で症状が悪化していく際に必要性が生じることもあるでしょう。現時点で必要なくてもいずれ必要になるケースがあります。
会社に損害賠償請求をする場合
会社側のミスや失態、管理不足などで精神疾患などの症状に悩まされることになった場合は、会社側を相手取って損害賠償請求を行うことが可能です。この損害賠償請求によって自分の主張を裁判所で訴えていく際に診断書の存在が重要になります。
診断書そのものには法的効力があるので、会社側のミスで病気やケガになったと判断するための材料として申し分ありません。今後会社に損害賠償請求を行っていく際には早い段階で確保することをおすすめします。
会社側からしても、診断書を提出してもらうと会社側に何かしらの落ち度があったことを認められてしまう可能性があります。そうなってしまったら、和解などの解決方法を模索しなくてはならなくなるでしょう。診断書を提出して労働者側が立証していくようなことをされてしまうのであれば、話し合いで即日退職を認めてしまった方が会社側からすれば好都合なのです。
退職の際に診断書を用意したいのに用意できないケースがある?
診断書があった方が退職の話を進めていく中で理解を得やすいことがある一方、肝心の診断書を用意できないケースがあります。
- 症状が確認できない場合
- 医師の専門外の診断を行う場合
- 通院しない時期があった場合
- 通院する前のことを書いてもらいたい場合
医師からすればウソをついてまで診断書を書くことは許されておらず、症状がなければ偽って診断書を書くことはできません。ここからは退職の際に診断書を用意したいのに用意できないケースについて解説します。
症状が確認できない場合
症状がなかなか確認できない場合には医師は診断書を書いてくれません。症状の悪化が明らかなケースや休むことで症状が改善されると判断されれば診断書を書いてもらえますし、初診の段階でも書いてくれることがあります。
ところが、うつ病のように1回の診断では判断できないケースや休む方がいいのか判断がつかない場合、様子を見た方がいい場合などは診断書を書いてもらえません。医師に対して症状をうまく伝えられないこともあるでしょう。その場合も診断書の作成までに時間がかかります。
医師の専門外の診断を行う場合
医師には専門の診療科が存在するため、基本的にはその診療科に関する診断であればいくらでも診断書は書けます。ところが、専門ではない診療科だったり、他の診療科の方が専門的な知識を知っているケースだったりすると、専門的なことを診断できないために診断書の作成を断ることがあります。
診断書が必要になるケースは精神疾患以外にもケガや病気など様々です。例えば、近くに病院がないような田舎にある開業医のクリニックで、明らかに専門外であろう診療科に関する診断を行って診断書を書いてもらおうと依頼することもあり得ます。ただその場合において、専門外の診療科のことで診断書を作るのは大変です。
通院しない時期があった場合
例えば、最初に病院を受診し、その後全然通院がなかったのにいきなりやってきて、診断書を書いてほしいと頼まれるケースがあります。最初の受診時から現在に至るまで症状の変化などを医師は知りません。その状況で適当なことを書けばトラブルに発展する可能性があります。
医師としても下手なことを書いてトラブルになるのは避けたいところです。まして通院しない時期があったのは明らかであり、普通は診断書を書くのは難しいと言えます。通院しない時期があるとなかなか書いてもらえないでしょう。
通院する前のことを書いてもらいたい場合
診断書は病院・クリニックで診断した際の状況について書いてもらいます。そのため、通院する前のことをすぐに書いてもらうことは難しいでしょう。書いてもらうには一定期間通院をしてもらった上で症状を認識してから書くことになります。
通院する前のことを書いてもらうケースでは以前別の病院に通っていたものの、そこでは診断書を書いてもらえなかったので新しいクリニック・病院に転院したケースが該当します。
診断書を用意するために取るべき行動は?
退職をスムーズに行っていくために、できればあった方がいい診断書ですが、用意するために事前に行っておくべき行動が存在します。
- 専門のクリニックに通院する
- 一定期間通院を続ける
- 退職の際に必要なので書いてほしいとお願いする
- 診断書を書いてくれる病院に転院する
どうしても診断書が必要な場合には、しっかりとお願いをしていくことが大切です。医師としてもできる限りのことはしてあげたいと思うので、多少のことであればある程度受け入れて書いてくれることもあるでしょう。ここからは診断書を用意するためにとるべき行動についてご紹介します。
専門のクリニックに通院する
専門外のクリニックに通院しても診断書を書いてもらえない可能性があるため、専門のクリニックに通院することが欠かせません。精神疾患の可能性があるのであれば、心療内科や精神科に通うことになります。
専門のクリニックに通院することになれば、正しい診断を素早く行い、治療に必要な日数などがより正確にわかります。診断書を用意しなければならない場合は専門のクリニックに通院しましょう。治療のことを考えるのであれば専門のクリニックに通院するのが無難です。
一定期間通院を続ける
通ったのは最初だけで、途中からは全然通院しないという状態だと医師は診断書を書いてくれない可能性が出てきます、症状の変化を逐一観察することで、治療に必要な日数などが正確にわかるのです。ゆえに一定期間の通院を続けていかなくてはなりません。
薬が出る場合ならば薬をもらい続ける中で自然と通院が続くことになるので、そこまで気にしなくてもいいとも言えます。どちらかといえば、自らの判断で通院を辞めることはできる限り避けましょう。症状の改善につながらないどころか、悪化させる可能性もあります。
退職の際に必要なので書いてほしいとお願いする
診断書は退職の際に必要になることが多く、いずれ診断書を書いてもらうことになるでしょう。そのため、前もってスムーズな退職のために診断書を書いてほしいとお願いしておけば、必要な場面が来た際にスムーズに書いてもらえるでしょう。
特に精神疾患ではうつ病やうつ状態など、細かな違いがあり、どれくらいの治療をすれば元に戻るかなど、時間を要することがあります。そんな時に前もって医師が話を把握できれば、できる限り早く書いてくれるでしょう。
診断書を書いてくれる病院に転院する
今通院している病院では診断書を書いてもらえないと憤慨する人がいます。どうしても診断書が必要なのに全然書いてくれそうにもない場合におすすめなのが、診断書を書いてくれる病院に転院することです。
転院していきなりは書いてもらえない可能性がありますが、事情を説明する中で早い段階で書いてくれることも十分に考えられます。
退職の際に診断書をもらって退職できた人たちの体験談
退職の際に診断書をもらって実際に退職できたという人は多く存在します。ここからは退職の際に診断書をもらって退職できた人たちの体験談をまとめました。
診断書を作成してもらって半ば強引に退職した方の体験談
特別養護老人ホームで2年以上働いていたという方は、あまりの仕事の多さ、管理職によって責任が大きくなったこともあってか、精神的に影響が出てしまい、心療内科で診断してもらう状況まで追い込まれてしまいます。
この間、会社側に対して退職の申し出などを行うもなかなか退職までの道筋がつきません。辞めさせてくれず、なかったことにされてしまうため、この方は内容証明郵便を使った退職をするしかないと決意します。
内容証明郵便では診断書も送ったことでようやく退職の本気度が相手に伝わり、何とか退職ができたそうです。ここまでしなければ退職を認めてくれない企業があることを認識しなければなりません。
参照:https://marukaigo.com/can-not-retire/
退職代行サービスを利用すればより確実に退職にこぎ着けられる
退職の際には診断書は必要なく、双方が合意すれば退職することは可能です。一方で、休職などを会社側が判断する際には、診断書のような明確な証拠を求められることがほとんどで、会社側が就業規則で定めたルールに、社員などが従ってもらうために診断書を求めてくるケースがあります。
退職を目指す際には退職代行サービスの活用がおすすめです。退職代行サービスを活用すれば診断書がなくても話し合いで退職を目指すことができます。確実に退職まで話を進めていきたい場合には退職代行サービスの活用を行っていきましょう。
退職代行サービス自体は2万円前後でサービスを受けてくれるほか、退職の申し出に関することを相手に伝えてもらえるだけでなく、プライベートでの連絡は避けてもらうようにお願いすることも可能です。精神疾患になって苦しい状況になっている場合では第三者が代わりに対応してくれるのは大きいのです。
退職代行サービスを活用してより確実に退職ができるようにするほか、新たなスタートを切るためにもしっかりと治療を行って安心して働ける状態を目指しましょう。
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