施工管理は意外と楽って嘘？やめとけと言われる理由やリアルな実態を解説

「今の仕事が激務で体力が持たない」「会社の業績が悪化してて、このままでは将来が不安」「責任が重くて精神的に疲れてきた」などの理由で、今の会社を退職して転職しようと思っていたりしないでしょうか。できるならば、身体を壊す前に転職先を決めておきたいところです。

そこで、転職先の候補として施工管理に興味を持った方もいるでしょう。ですが、施工管理について少し調べていると、「施工管理はやめとけ」「施工管理はキツい」などの噂が目についたりしていないでしょうか。

もしその噂が本当だったら、施工管理士として転職するのを考え直さないといけないかもしれません。

そこで本記事では、施工管理の仕事は本当に辞めたくなるほど辛いのか、何が辛いと言われているのかといった点について解説します。また、施工管理の仕事をする上で楽と言われるワケについても紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

【結論】施工管理は楽ではない！やめとけと言われる理由

結論から言うと、施工管理の仕事は決して楽なものではありません。施工管理の業務と相性が悪い人だとすぐに辞めたくなるほどです。

施工管理がキツい、楽じゃないと言われる要因は、主に以下の要素があります。

• 休日が少ない
• 残業が多く激務
• 職人の管理が大変
• 危険が伴う可能性もある

それぞれ順番に施工管理の業務がキツいわけを見ていきましょう。

休日が少ない

施工管理士を含む建築業の業種は完全週休二日制で働ける企業が極めて少なく、全体で40%しかありません。ほとんどの企業が週休二日制よりも週休一日制・週休一日半制であり、一週間に2日休みを貰えることがほかの業種と比べて少なくなっています。

 

建築業以外の他業種では、完全週休二日制を採用している企業が50.7%と、半数を超えているため、完全週休二日制の会社で勤務している方にとっては休日の少なさが目立つことでしょう。

休日が少ない理由として、工事現場ではスケジュールの都合や予期せぬ問題が発生することがあげられ、工期に間に合わせるためには休日も削られることが多いのです。

参考サイト：建設労働関係統計資料

 

残業が多く激務

残業が多いのも施工管理でキツいと言われる要因の一つです。

施工管理士は後期に必ず間に合うようにスケジュールを立てて、工事を進めていきますが、実際の現場ではスムーズにいかないことが多いです。

• 人手が不足している
• 資材が届かない
• 設計が間違っており、工事を進められない
• 立てたスケジュールを変更する必要がある

現場では様々なトラブルが発生します。

例えば、工事の際に事故が発生し、その事故に遭った人が離脱しないといけない事態になった場合、新しく人員を補充しなければなりません。ですが、人員が不足してしまったからといってもすぐに新しい人員を確保することは通常難しく、それによって本来よりも少ない人数で工事を進めなければならくなるケースが発生します。

たとえ人員が不足しても工期を変えることは難しく、その結果、残業時間を増やしてでも施工管理の業務を進めなければいけないのです。事故以外にも、夏場であれば台風、雪が降る地域だと豪雪による輸送遅延なども相次ぐため、様々な要因が重なって残業が多くなっています。

職人の管理が大変

施工管理士は職人さんのスケジュール調整だけでなく、現場の声を聞いて予算や工期の調整を行うこともあります。

特に工期が迫っている時期は現場の空気感もピリピリしているため、語気を強めて文句を言われることもあるでしょう。しかし、施工管理士は施工管理の業務を優先せざるを得ないため、キツいことを言われても我慢するしかありません。

また、現場だけでなく会社との調整も施工管理士が行うため、会社側の意見と現場の意見が食い違うと板挟み状態になってしまい、精神的に追いやられる立場になってしまうこともあります。

そのため、先程触れたような「資材が届かない」「人手不足」「スケジュールの変更」などが発生すると、職人の管理や会社との調整・相談などがストレスやプレッシャーになることも多いです。

危険が伴う可能性もある

施工管理士は危険を予測して回避する方法を考えなければなりません。

工事現場では墜落・転落事故や建築機械・クレーンなどの事故、倒壊・崩落事故などが起きる可能性があります。これらのトラブルに巻き込まれてしまうと取り返しのつかないことになるため、安全対策を徹底する必要があります。

以上が施工管理は楽ではないと言われる主な理由です。

休日が少なく残業が多い日々が続くと、寝ても疲れを取り切れないまま次の日を迎えることになるため、午前中から疲労感を感じたり、集中力の低下、ストレスを感じやすくなるなどの問題が発生してしまう可能性もあります。

特に疲労感や集中力の低下が顕著になるとミスが頻発するようになり、最悪の場合、重大な事故にも繋がりかねません。ですが、それでも施工管理士として働く人が大勢いるのは、それ相応のやりがいと施工管理士の仕事を続けられる理由があるからです。

施工管理が意外と楽と噂される理由

施工管理士がキツい、辞めたくなる、という声も多いですが、楽と噂されることもあります。この噂は、嘘か本当かと言われると本当であり、楽に感じられるワケももちろんあります。

• 年収が高い
• 将来性がある
• 労働環境が改善されつつある
• 業務内容が管理するだけ

施工管理ならではのメリットが数多くあり、施工管理がキツい仕事であっても長期間継続して働き続けている施工管理士がいる大きな理由です。

年収が高い

施工管理士の平均年収は、約620万円とされており、一般的な平均年収は443万円(令和3年度)と比較するとかなり年収が高い部類に入ります。また、施工管理士は経験年数が多いほど年収が高くなる傾向にあり、施工管理士としての経験年数が多ければ多いほど年収が高くなっています。

• 20代：479.4万円
• 30代：599.9万円
• 40代：710.9万円
• 50代：774.8万円
• 60代以上：600.4万円

参考サイト：建築施工管理技術者 – jobtag | 厚生労働省

平均年収は50代がピークで60代になると年収が減少傾向にありますが、特に20代から30代への上昇幅がかなり大きく、未経験からでも年収を一気に上げやすい傾向にあります。

平均年収がピークである50代にもなると平均年収が800万円に迫っており、年収が高い方では1,000万円を超えるほどです。

これは施工管理技士という国家資格が影響していることもあるでしょう。施工管理士は国家資格を持っていなくてもなることができる一般職ですが、実際の工事現場では必ず施工管理技士を持った人が必要です。

そのため、施工管理技士資格を持った施工管理士が一人いればこの要件を満たすことができるため、施工管理技士を持っている施工管理士は重宝され、年収も高くなる傾向にあります。

施工管理技士は国家資格の中では難しくない部類であり、完全独学でも取得可能な資格なので、施工管理士を目指す人は、施工管理技士の取得を検討してみてもいいかもしれません。

将来性がある

建設業界全体の需要は常に増加しており、建築や土木工事などの需要は絶えずあります。施工管理士は請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の工事以外では不要ですが、近年は不動産の価格が常に右肩上がりであり、施工管理士が必要な工事も比例して増加しています。

請負金額が4,000万円を超える高額な工事では施工管理士が欠かせないため、現在の不動産の需要が上がり続けているところを見ても施工管理士の将来は明るいでしょう。

労働環境が改善されつつある

日本では長時間労働が大きな課題となっており、その課題の解決に向けて働き方改革が進められています。

特に、施工管理を含む建築業界の長時間労働が問題視されており、建築業界に向けた法改正も2024年4月から施行されます。具体的には、時間外労働の上限規制が建築業にも適用されるようになり、適用後は以下の条件の範囲でしか残業ができなくなります。

• 年720時間（月平均60時間）
• 2〜6ヵ月の平均でいずれも80時間以内（休日出勤を含む）
• 単月100時間未満（休日出勤を含む）
• 原則（月45時間）を上回る月は年6回を上限

参考サイト：時間外労働の上限規制が適用されます – 厚生労働省

これらすべての条件を満たした状態でしか残業ができなくなるため、残業時間が非常に長いとされている施工管理においても、残業時間が減ることになります。年収が高い、労働環境の改善が進みつつあるなどの施工管理士の将来性を含めても、今から施工管理士を目指す利点は大いにあるといえるでしょう。

業務内容が管理するだけ

施工管理の仕事は、主に時間や人を管理することが中心です。もし時間や人を管理するのが好きな人であれば、施工管理の仕事は向いているかもしれません。工事現場の進捗管理や職人のスケジュール調整など、管理業務に集中することができるため、スケジュールに遅れを出さないという前提はありますが、自分のペースで仕事を進めることができます。

これらの点が、施工管理が楽と言われている理由です。

特に、施工管理業務は一度慣れてしまえば楽に感じられることも多いため、楽な作業が多いのに年収が高いというメリットと休日が少ない・残業が多いといったデメリットを天秤にかけても、施工管理は楽と答える人が少なくないのです。

施工管理の仕事が意外と楽を思えるリアルな実態

施工管理の仕事は、外から見ると大変そうに思えるかもしれませんが、実際には意外と楽な一面もあります。

• 会話の内容が緩い
• 休憩時間に一服できる
• あまり上司に監視されない
• トラブルが少ない

オフィスで厳しい業務環境にさらされていた人からすると気になる点もいくつかあるはずです。

会話の内容が緩い

施工管理士は、現場の職人とのコミュニケーションを図ることも重要です。職人さんとの会話は、仕事の進捗状況や工事の詳細などについて話し合うことが多いですが、真面目な話をするとき以外は緩い雰囲気で行われることが多いです。

実際の工事現場から聞こえる声も、怒号が聞こえるようなピリピリしてる雰囲気ではなく雑談しているかのような雰囲気であることが多いはずです。

休憩時間に一服できる

施工管理士は、管理業務をしっかりとこなしていれば、休憩時間に軽く一服することも可能です。学校や病院・児童福祉施設内など、屋外喫煙が法律で禁じられてる場合はできませんが、そういった要件がないケースであれば、休憩時間に現場の職人と一緒に一服することも可能です。

スケジュール調整や疲労感などでストレスが溜まりやすい施工管理ですが、タバコを吸う人は休憩時間に一服してリラックスすることができるでしょう。

あまり上司に監視されない

施工管理は、上司に監視されることが少ない仕事です。一般的には、工事現場での仕事が主体となるため、上司が直接現場に来ることは少ないです。そのため、自分のペースで仕事を進めることができ、自己管理が求められます。自分の裁量で仕事を進めることができるため、自由度の高い環境で働くことができます。

トラブルが少ない

施工管理士は、危険を予測し、回避する方法を用意するなどの管理業務が大変ですが、実際にはトラブルに合うことは少ないです。施工管理士は、工事の進行状況や品質管理に携わるため、問題が発生した際には早期に対処することができます。

また、施工管理士は、事前にリスクを予測し、対策を講じることも重要な役割です。そのため、トラブルが起きにくい環境を整えることができます。

施工管理の仕事は、外から見ると大変そうに思えるかもしれませんが、実際には意外と楽な一面もあります。会話の内容が緩いことや休憩時間に一服できること、あまり上司に監視されないこと、トラブルが少ないことなど、施工管理士にとっては快適な環境で働くことができます。

ただし、仕事の責任や危険性も忘れずに意識し、適切な対策を講じることが重要です。

施工管理できつくて仕事を辞めるケース

施工管理は楽と言われることもありますが、実際には厳しい状況に直面することもあります。

よくあるケースがこちら。

• 体力的な負担が大きかった
• ストレスがたまりやすかった
• 責任の重さに耐えられなかった
• 常に緊張感があった

施工管理は管理者という立場で権限が強いため、それ相応の責任やプレッシャーなどの重圧に晒されます。それらの重圧に耐えきれずやめてしまうことも珍しくありません。

体力的な負担が大きかった

施工管理の仕事は現場での指示や監督が主な業務ですが、現場は屋外での作業が多く、季節や天候に左右されます。屋外で行う工事であれば雨の日に工事することは基本的にありませんが、炎天下の中や寒い真冬の時期に屋外で業務に取り組むことも多いため、体力的な負担が多いです。

これらの環境に耐えきれず、オフィス内など涼しい環境で働きたいという人はやめてしまうこともあります。

ストレスがたまりやすかった

施工管理は多くの人と関わる仕事であり、職人さんや現場スタッフ、上司やクライアントとのコミュニケーションが欠かせません。

しかし、意見の食い違いやトラブルが発生することもあり、人同士のトラブルに慣れていない人からするとストレスが非常に溜まりやすいです。特に内気な人など人との関わりがあまり好きではない人だと、そのストレスに耐えきれずやめてしまうこともあるようです。

責任の重さに耐えられなかった

施工管理士は現場の進行や品質管理、安全管理など、多岐にわたる責任を負います。施工管理士は現場監督とは違いますが、工事現場を管理する管理者に違いはありません。

工事担当者は施工管理士や現場監督の指示を正しいものとして指示を受けるため、指示や発言にはそれ相応の責任が伴います。一つのミスで大事故や工事の遅延に繋がりかねないこともある為、その責任の重さに耐えられない人も少なくありません。

常に緊張感があった

施工管理の仕事は、常にスケジュールや予算、品質などの管理が求められ、現場の状況や予期せぬトラブルに対応しなければなりません。特に工期が短い、迫っている時期はこの緊張感が長く続く状況になるため、緊張感に慣れきれず疲弊してしまい、他の仕事に乗り換える人もいるようです。

施工管理はやりがいがあり年収が高い仕事ではありますが、その一方で重い責任や緊張感・体力的な問題など厳しい現実もあることを知っておくことが大切です。自分の性格や体力、ストレスに対する耐性を考慮し、転職やキャリアの選択をする際には慎重に判断することが重要です。

施工管理できつくて仕事を辞めた人の体験談

ここではいくつか実際に、施工管理がきつくて仕事をやめた人の体験談を紹介します。

施工管理やってたので、やめとけ、とは思うんですけど、ただ私が辞めた会社の施工管理は、男の人だったら超おすすめしたいなとは思う（笑）福利厚生給料文句なしだし大きすぎない現場でほんとちょうどいい。自分が男だったら続けられたと思ってる。

引用：X

実は先月、施工管理を辞めた。建設業しんどい😂

引用：X

施工管理を辞めた理由は2つ

①職人さんに高単価で発注する事が恩返しだと思っていましたが、中々出来ない

②町中を移動していると、工事をしたことある家の前とかを通りますが、お客様の顔も名前も思い出せない

このままじゃダメになると考えていた時に、声がかかって転職を決めた。

 引用：X

施工管理の仕事を辞めた理由は様々ですが、体力的にきつかったり、自分の思い通りに業務が進まず、それがストレスになっていたなど様々です。
辞めたけど待遇や給料には満足してたなどの声もあるので、施工管理士が決して何もいいところがない仕事とは言えないでしょう。

施工管理を目指す方におすすめな意外と楽な仕事

施工管理を目指そうと思っている人もいると思いますが、施工管理以外にも似たような意外と楽な仕事もあります。職種は全て挙げるとたくさんありますが、代表的な仕事は以下のような、設計・管理業務を行う仕事です。

• 設計事務所
• ビル管理
• CADオペレーター
• 資材管理・発注業務

設計事務所

設計事務所での仕事は、建築や設計に関わる業務を担当することが多い仕事であり、主に図面作成や設計の補助などを行います。設計事務所では工事現場の監督や管理業務を行わず、CADソフトを使用して建築物の図面を作成することが一般的です。

また、設計事務所で働く場合、自身で事務所を解説する場合は取得難易度が極めて高い建築士の国家資格が必要ですが、従業員として働く場合は不要であるため、未経験でも働ける可能性があります。

ビル管理

ビル管理の仕事は、オフィスビルやマンションなどの施設の管理業務を担当し、施設の清掃や設備の点検、トラブル対応などが主な業務です。施工管理とは異なり、建設工事の進行管理をする必要がないほか、工期が存在しないためビル管理のスケジュールを崩さないという前提はあるものの、マイペースに働くことが可能です。

ビル管理では定期的な業務が多いため予定が立てやすく、プライベートの時間も確保しやすいのが大きなメリットと言えるでしょう。

CADオペレーター

CADオペレーターは、CADソフトを使用して図面を作成する仕事で、建築や設計に関わる図面の作成や修正を行います。施工管理とは異なり、現場での責任やストレスが少なく、主にデスクワークを行うため、比較的楽な仕事と言えます。今働いている会社がオフィスワークであり、デスクワークに慣れているという方は、CADオペレーターと相性がいいかもしれません。

ただし、CADオペレーターは正確性や細かい作業が求められるため忍耐力や集中力が必要ですが、それらの問題さえ乗り越えられれば自分のペースで作業を進めることができます。

資材管理・発注業務

資材管理・発注業務は、建設現場で使用する資材の管理や発注を担当する仕事です。事務作業と工事現場の管理の両方を行う施工管理とは異なり、主に事務作業のみを行います。

資材の在庫管理や発注手続き、納品の確認などが主な業務であり、現場での責任やストレスがない仕事であり、デスクワークが中心なので、一度事務作業に慣れてしまえば比較的楽な仕事と言えます。

これらの仕事は、施工管理と比べると責任やストレスが少なく、自分のペースで仕事を進めやすいものが多くなっています。人との関わりがあまり得意ではない・人見知りをしやすいという人は施工管理より、設計事務所やCADオペレーターなどの仕事のほうが適正があるかもしれません。

施工管理は意外と楽ではないけどやりがいある仕事

施工管理は決して楽な仕事ではありませんが、それ相応のやりがいや年収を得ることができます。もし、今の仕事を辞めて施工管理士など新しい仕事を始めたいなら転職活動を始めましょう。

• 上司に退職を申し出て断られたらどうしよう
• 情に訴えかけられてきっぱり辞められる自信がない
• 仕事が大変な中、自分だけやめると言うのに罪悪感がある

なかなか退職を申し出ることができないまま何ヶ月も仕事を続けてしまうことも少なくありませんが、退職代行サービスを使えば簡単に退職できます。

合法的に退職手続きを代行してくれるので、少しでも退職におけるトラブルを避けたいという人は、退職代行サービスを使うといいでしょう。