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退職ラッシュが止まらない会社の特徴は?人手不足で崩壊する職場の末路と逃げ遅れないための対策

退職ラッシュが止まらない会社の特徴は?人手不足で崩壊する職場の末路と逃げ遅れないための対策
この記事の監修者
新野 俊幸(「退職代行」専門家)
自身が会社を退職する際に苦しんだ経験から、日本初の退職代行サービス「EXIT」を2017年に開始。「退職で苦しむ人をなくしたい」という思いで、退職代行を日本に広め続けている。

職場によっては半年から1年、場合によっては3か月も持たずに社員が辞めていく会社が存在します。毎週のように求人募集を行い、随時中途採用を行いながらも全くの人手不足で社員が疲弊する光景もあります。

「仕事がきつい」、「休みも多くない」など多くの人が思う一方で、退職ラッシュになる企業とならない企業に分かれるのも事実です。退職ラッシュになるかならないかの違いも気になる方が多いのではないでしょうか。

本記事では、仕事がきつくて今すぐにでも辞めたい方や退職ラッシュを避けたい管理職の方などに向けた、退職ラッシュが止まらない会社の特徴や退職ラッシュが起きる職場の末路、逃げ遅れない対策などをまとめています。

ぜひ最後までご覧ください。

退職ラッシュが止まらない会社の特徴

退職ラッシュが止まらない会社には必ず特徴があり、いくつか重なることで退職ラッシュが起こりやすくなります。

  • 給与が低い
  • 過度な残業が多い
  • キャリアアップの機会が少ない
  • パワハラやセクハラが起きる
  • 人間関係がよくない
  • 優秀な社員が退職する

もちろん1つだけ当てはまっても退職ラッシュの可能性がありますが、複合的に重なることで退職ラッシュは起こりやすくなるでしょう。ここからは1つずつ退職ラッシュが止まらない会社の特徴について解説します。

給与が低い

1つ目の特徴は給与が低いことです。

仕事量が多く、中身もハードでありながら、対価として見合わないような給与の低さでは、「この仕事は長く続けられない」、「先行きは良くない」などと感じてしまい、退職の一因になることが考えられます。

特にボーナスが出ない、出ても雀の涙程度しかもらえないといったものから、交通費の計算方法が細かくてケチという部分まで、会社側がなるべく従業員への出費を抑えようとする姿も退職につながりやすい要因です。労働条件が途中で変わるなども不信感につながります。

過度な残業が多い

2つ目は過度な残業が多い点です。

近年はノー残業デーを行い、定時で帰ることを促す会社も増えてきましたが、現在も「残業は当たり前」という雰囲気が残った会社も多いです。繁忙期で忙しいから残業するのは仕方ないにしても年間通して残業が多いのは何かと問題があります。

しかも、残業を強いられながらサービス残業になっているケースも珍しくなく、実質的な給与がとても低くなるケースも存在します。こうした状況も、「このまま会社に残ってもいいことはない」と思われて退職を決断される要因と言えるでしょう。

キャリアアップの機会が少ない

3つ目の特徴はキャリアアップの機会が少ないことです。

専門スキルを高めて社会人としての価値を高めていくことがキャリアアップの考え方ですが、現状の仕事内容を続けても専門スキルが高まるとは思えず、誰がやっても務まる仕事であれば、キャリアアップにつながるとは言い難いでしょう。

管理職になろうにも実質的な権限は与えられず、名ばかりの管理職としてキャリアアップにつながらない働き方を強いられることもあります。この場合も先行きの不透明感を感じ、退職の動きが出てくることになるでしょう。

パワハラやセクハラが起きる

4つ目の特徴はパワハラやセクハラが起きることです。

パワハラやセクハラが横行する職場では特定の上司もしくは同僚が幅を利かせており、教育と称して過度な指導や不必要な叱責などを行う場合があります。結果的に精神的もしくは身体的不調を訴えて休職に追い込まれ、退職につながることも珍しくありません。

大企業ではハラスメント研修などパワハラやセクハラを避ける研修が開催されますが、退職ラッシュが起こる企業ではこれらの研修は行われないことがほとんどです。教育と称してきつい言動を行う社員がいる場合、退職ラッシュにつながりやすいと言えるでしょう。

人間関係がよくない

5つ目は人間関係がよくないことです。

給与がたとえ低かったとしても、同僚同士で和気あいあいと仕事ができれば給与の低さに目をつむり、仕事を続けやすいです。しかし、人間関係がよくないと仕事がしにくく、息苦しさも出てくるため、給与が少しよくてもいずれ我慢の限界を迎えることも考えられます。

人間同士は必ず相性があるので、誰か1人が入ってきたことでバランスが崩れることがあり得ます。人間関係を理由に辞める人も珍しくなく、待遇面がどれだけよくても人間関係で合わないから辞めるというケースもよくあるでしょう。

優秀な社員が退職する

6つ目は優秀な社員が退職することです。

優秀な人は高い能力を持ち合わせており、結果も残しやすいです。本来は結果や能力に見合った対価を支払わなければなりません。しかし、給与が低かったり、優秀な人がやらなくてもいいような仕事を与えざるを得なかったりして退職を決断するケースは様々な職場で見られます。

「優秀な人ほど辞めていく」という言葉が当たり前になっているように、優秀な人はストイックに自分の価値を高め、可能性を感じたらよりキャリアアップを目指すようになります。海外ではキャリアアップのために転職を繰り返すケースが普通であり、日本でもこのケースは増えてきました。

退職ラッシュで人手不足の職場の末路

退職ラッシュが発生し、なかなか中途採用もうまくいかないとなると、人手不足が生じやすく、きつい状況になってしまうのは致し方ないことです。

  • 社員の業務量や残業が増える
  • 業績が下がり給料に問題が起こる
  • 評判が下がり求職者が増えない
  • 倒産によって仕事がなくなる

退職ラッシュは負のスパイラルの真っ最中の状況なので、負のスパイラルで起こりうることがくっついてきます。これらの状況は連動して起こり始めるので、退職ラッシュが起きる前に生じていたら退職ラッシュに注意が必要です。ここからは退職ラッシュで人手不足になった職場の末路をご紹介します。

社員の業務量や残業が増える

1つ目は社員の業務量や残業が増えることです。

人手不足になれば1人あたりの業務量が増えます。しかしながら、処理能力は限られるため、業務量が増えれば時間をかけて処理せざるを得なくなるでしょう。最初のうちは残業で対応できたものの、それでもきつくなれば休日出勤も視野に入ります。

残業も増えて休日出勤も余儀なくされると、ワークライフバランスは完全に崩れ、仕事一辺倒の日々を過ごし続けることになるでしょう。リフレッシュも難しく、仕事ばかりのことを考える中で我慢の限界を迎え退職を決断する方が珍しくありません。

業績が下がり給料に問題が起こる

2つ目は業績が下がり給料に問題が起こることです。

従業員の給料の原資となるものは会社の売上、業績です。本来は売上が高まれば給与が上がりやすく、売上が下がると上げにくくなります。業務量は増えてサービス残業、休日出勤も余儀なくされた中で業績が下がったからと給料が下がれば、著しくやる気をなくす人が出てきます。

どれだけきつくても給料を多くもらえれば歯を食いしばって頑張るものですが、歯を食いしばる気すら失せるぐらいに給料に問題があると退職ラッシュもやむなしです。

評判が下がり求職者が増えない

3つ目は評判が下がり、求職者が増えないことです。

人手不足を解消するにはとにかく中途採用者を増やすしかありません。状況が悪くなければ求職者も定期的に現れ、どんどん会社に入れていくことも可能です。しかし、人材が定着しない状況が続くとインターネット上に会社の評判が出回るようになります。

悪い評判が出回ると、わざわざ「ブラック企業」に飛び込もうとする人は減り、特に優秀な人からは見向きもされなくなるでしょう。結果として何かしらの問題を抱える人物しか入らず、状況が全く打開できずに厳しい状況が続くことが考えられます。

倒産によって仕事がなくなる

退職ラッシュの末路は、倒産によって仕事がなくなることです。

業績が下がり、従業員も減り、求職者も増えないとなれば経営者自らが現場に立たざるを得なくなります。経営者がフル回転で働く中で従業員もそれに追随せざるを得ません。その中で限界を迎えて、体調を崩してしまう従業員が出てくると収拾はつかなくなるでしょう。

倒産になれば仕事がなくなり、従業員たちは職探しを強いられます。従業員からすれば結果的にはいい方向へ転ぶこともありますが、経営者などは倒産によって多額の借金を強いられるため、由々しき事態を招き、その先の人生に暗い影を落とすことになりかねません。

退職ラッシュで崩壊を止めるためのポイント

退職ラッシュの末路は倒産なので、経営者や管理職としては避けなければなりませんし、従業員にとっても「毎日やり過ごすので精一杯」という状況は健全とは言えないでしょう。退職ラッシュで崩壊するのを防ぐポイントをご紹介します。

  • 会社の内情を入念に把握する
  • 研修や教育の強化を実施してもらう
  • 退職理由を洗い出し対策を練る

退職ラッシュを防ぐには、なぜ退職者が出ているのか原因を突き止めるほか、原因となる事象を改善することが第一となります。対症療法的な改善策ではなく、根本から断ち切って退職ラッシュを防ぐことが必要です。

会社の内情を入念に把握する

1つ目は会社の内情を入念に把握することです。

現状の業務量や内容、残業の状況などを1つ1つ調べていき、会社の内情を細かいところまで把握していきます。次第に何が原因で退職ラッシュにつながっているのかがおのずと把握できるようになり、どんな手を打つべきかが分かります。

裏を返せば、会社の内情を知らずして退職ラッシュを止めることは不可能です。給与が低いから辞めるのだろうと単純に考えて給料を上げたところで、働き甲斐の問題や人間関係の悪化なども要因として考えられるため、給与だけを単に上げるだけの対症療法的なやり方では解決しません。

解決を目指していくにはまず会社の状況を最大限正確に把握して、問題点を見つけ出すことが求められます。

研修や教育の強化を実施してもらう

2つ目は研修や教育の強化を実施してもらうことです。

セクハラやパワハラなどハラスメントが原因であればハラスメント研修を行うことで対応できますし、新卒社員の定着のためにOJTを始めとする教育の強化を行って働きやすい職場を目指していくことが大切です。

コストこそかかるものの、外部に研修や教育を委託してもらうのも1つの方法です。いずれにしても、退職ラッシュの要因が研修や教育で防げる理由であれば適切に実施していく中で次第に落ち着き、会社の成長に段々とつながっていくことでしょう。

退職理由を洗い出し対策を練る

3つ目は退職理由を洗い出し対策を練ることです。

退職理由は人によって様々ですが、たいていの場合は複合的に問題が重なって決断するケースがほとんどです。「給与が低い」、「休みがとれない」、「残業が多い」の3つはセットになりやすく、休みの少なさと残業の多さで身体を壊して退職につながるケースも多いでしょう。

退職理由を洗い出し、給与と休み、残業を起因とする退職が多かったとしたら業務体系の見直しや製品・サービスの価格を上げて給与に反映するなどの対策を講じて退職を減らしていくことができます。

人間関係が原因であれば、原因となっている人物への教育や指導などを行い、改善を図っていくことも必要でしょう。

退職ラッシュが手遅れで逃げ遅れないための対策

退職者が出始め、退職ラッシュの可能性が出てきたら、できる限り逃げ遅れないようにしないといけません。逃げ遅れると簡単に辞めさせてもらえず、退職までに時間がかかる恐れがあるからです。

  • 転職先を探しておく
  • 転職サイトを登録する
  • 自分も一緒に退職する

「給与が低い」、「業務量が多い」など会社への不満がある場合は将来的に転職を視野に入れて準備を進めておくことをおすすめします。そして、然るべきタイミングで退職の決断ができるようにしておきましょう。

転職先を探しておく

1つ目は転職先を探しておくことです。

現在の仕事内容と同じような仕事ができそうな転職先や未経験からでもできる仕事を中心に転職先を探すほか、実家が会社や店舗を経営していれば一時的に実家に戻って働くのも1つの手です。

まだ会社員として働いている段階でも、ハローワークを利用することは可能であり、働きながら転職先を探すことはできます。最近は土曜日でもハローワークが利用できるところもあり、休みの日に転職活動がしやすくなっています。

いつでも辞められる状況を準備しておくと、多少はゆとりが生まれます。今度は現在の職場と転職先の状況をしっかりと吟味した上で転職した方が良さそうかどうかを冷静に見極めていくことが求められるでしょう。

転職サイトに登録する

2つ目は転職サイトに登録することです。

転職サイトへ登録する際には、現在の状況や転職先に求める条件などを入力します。すると、毎日のように転職情報がメールなどで届き、その中に目ぼしい条件の求人情報が見つかれば、転職に向けて動き出すことができます。

すぐには転職を考えていなくても、自分と同じような年代の人たちが同業他社だといくらぐらいの稼ぎになるのかを理解しておくだけで、最初は「給与が低い」と思っていても実は平均的な給与で単なる思い込みだったことに気付き、不満が消えることもあるでしょう。また別業界への転職を検討するということにもつながります。

「井の中の蛙大海を知らず」ということわざがあるように、転職サイトに登録することは大海を知る意味合いがあります。その不満は本当に正当な不満なのかを知れるだけでも、転職サイトに登録する意義はあるでしょう。

自分も一緒に退職する

3つ目は自分も一緒に退職することです。

1人1人が個々に辞めていく場合、後の人ほど慰留されやすくなり、何かしらの理由をつけられて先延ばしを強いられることが考えられます。一方で、何人かと一緒に退職する場合に関して、「この人は慰留して、あの人はお好きに辞めてどうぞ」という態度はとりにくく、結果的に認められやすくなります。

そもそも、退職したい日の2週間前に退職の申し出を行えば退職できることが民法で定められているので、個々に辞めても問題はありません。ただ一緒に辞める場合は民法を持ち出すまでもなく認められる可能性が高いので、同僚と話し合って辞めるタイミングをうかがうのも1つの方法と言えます。

退職ラッシュのタイミングで確実に辞めたいなら退職代行!

たとえ就業規則が定められていても、民法が優先されるため、退職の申し出を行えば2週間後に退職ができます。ただ当事者間でその事実を伝えても、スムーズに認めてくれず、問題がこじれる可能性も考えられます。

その際におすすめなのが退職代行サービスです。退職代行サービスを利用すれば、第三者が代わりに会社側と交渉を行い、スムーズな退職に導いてくれます。

特に退職ラッシュ中は辞めることを申し出ることすら心苦しいと思ってしまう優しい方もいます。退職代行サービスを活用すれば心苦しい思いをしないで辞められるのでおすすめです。

退職ラッシュを引き起こしたのは間違いなく会社側の問題であり、労働者が心を痛める問題でもなければ、我慢する必要もありません。よりよい条件でパフォーマンスを発揮し、今よりもたくさん給料を得て、ワークライフバランスが保たれた環境で働くことが第一です。退職代行サービスを活用して確実に辞めることはその第一歩と言えるでしょう。

退職代行サービス「EXIT」