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退職代行サービスの流れとは?利用時の注意点〜おすすめの人を紹介

退職代行サービスの流れとは?利用時の注意点〜おすすめの人を紹介

最終更新日 2024年1月29日

この記事の監修者
近藤 陽介(弁護士)
2009年弁護士登録、2019年原宿に漣法律事務所を開設。 取扱分野は、個人では労働問題、男女問題、交通事故。 法人では美容、ファッション、IT関係等。漣法律事務所
この記事の監修者
新野 俊幸(「退職代行」専門家)
自身が会社を退職する際に苦しんだ経験から、日本初の退職代行サービス「EXIT」を2017年に開始。「退職で苦しむ人をなくしたい」という思いで、退職代行を日本に広め続けている。

昨今は、退職代行サービスを利用して退職する人が増えています。代行サービスを利用すると、一切出社せずに退職することもでき、体調面や人間関係などで出社が難しい方にはぴったりです。

本記事では、退職代行サービスを利用する際の具体的な流れについて、詳しく解説します。退職代行をよく知らない方や、自分が利用すべきか分からない方でも読みやすい内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

退職代行サービスとは

退職代行サービスとは、本人の代わりに退職の手続きを行ってくれるサービスです。上司が退職を許可してくれない場合や、健康上の理由で自力で退職手続きを行えない場合などに、退職代行はとても役立ちます。

退職代行サービスを利用すると、有給が残っている場合であれば、一切出社せずに退職することも可能です。ただし、原則として退職日の2週間前までに退職する旨を伝える必要があるので、ご注意ください。

退職代行サービス利用までの流れ

退職代行サービスを利用する場合、問い合わせをしてから事前ヒアリングを行い、退職手続きを代理で進めてもらうのが一般的です。例えば、退職代行サービス「EXIT」の場合は、問い合わせ後にヒアリングシートを記入し、料金を支払った後に退職代行が実施されます。

この後の項目では、退職代行サービスを利用する際の主な流れをご紹介します。代行会社によって流れが大きく変わることはないので、どんなサービスを利用する場合でも参考になるはずです。

手順①退職代行サービスへ無料相談または申し込み

まずは、退職代行サービスへ問い合わせをしましょう。退職代行では、無料のヒアリングを行っている会社がほとんどです。本当にサービスを利用すべきか判断するためにも、ひとまず問い合わせてみましょう。

代行会社に相談する際は、担当者の対応や料金プラン、代行業務の進め方などについて、詳しく説明を受けましょう。代行サービスは利用者側も凄く体力を使うので、対応の悪いサービスを利用すると、心身ともに消耗してしまいます。会話のしやすさや丁寧さなどを、しっかりと見極めてください。

手順②退職に関する事項の記載・情報を共有する

利用する代行会社が決まったら、退職に関する事項について書類に記入し、情報を共有しましょう。具体的には、以下のような内容を共有します。

自分の情報
  • 氏名
  • 年齢
  • 生年月日
  • 住所
  • 連絡先 など
勤務情報
  • 勤続年数
  • 雇用形態 など
会社の情報
  • 会社名
  • 連絡先
  • 所属している部署 など

ひとまず「どこに努めている誰なのか」が共有できれば問題ありません。雇用契約や勤続年数などは、退職手続きに際して重要な情報になるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

手順③退職利用料金を支払う

契約が決まったら、退職代行サービスの利用料金を支払います。代行手続きは内容によって料金が決まっており、基本的に先払いです。利用料金の相場は、以下のようになっています。

民間の退職代行 20,000〜30,000円
労働組合の退職代行 30,000円前後
弁護士の退職代行 50,000円〜80,000円

上記のように、どのような代行サービスを利用するかによって、利用料金は大きく異なります。特に、弁護士の場合は料金も高額になるため、利用する際は予算に応じて利用するサービスを選びましょう。

手順④担当者との打ち合わせ

契約と料金支払いが完了したら、担当者と打ち合わせを行います。打ち合わせでは、以下のような内容を話し合います。

【退職代行サービスの事前打ち合わせで話す内容】

  • 退職希望日
  • 退職代行業務をスタートする日
  • 退職理由
  • 現在の状況(上司に相談はしているかなど)
  • 会社からの貸与品があるかの確認
  • 必要書類の確認
  • 有休残日数の確認

事前のヒアリングでも回答しているかもしれませんが、改めて詳細な情報を担当者と共有しておきましょう。また「有休残日数」や「退職希望日」などは代行業務に大きく影響するので、事前に確認してください。

手順⑤職場へ連絡

担当者との打ち合わせが終わり担当者から指示があったら、職場へ連絡しましょう。職場へ連絡する際は、以下の資料を用意してください。

【必要になる資料リスト】

  • 退職届
  • (連絡後に出社しない場合)返却品、機密書類など

基本的には、退職届を用意しておけば問題ありません。退職届は代筆サービスなどは基本的にないので、自分で用意しましょう。連絡後に出社する予定がない場合は、返却すべきものもまとめておくと、返却がスムーズです。

手順⑥貸与物の郵送

職場への連絡が済んだら、貸与物を郵送で返却します。職場へ直接持って行っても問題ありません。退職時に返却すべきものの例を、以下でまとめます。

【退職時に返却すべきもののリスト】

  • 制服や事務用品、PCなどの貸与品
  • マニュアルや研修資料などの社内文書
  • 顧客情報が記載された書類
  • 入館証、IDカード
  • その他、社外秘情報が記載された資料

上記のように、社員のみが所持できるものや、社外秘の内容が記載されているものは、忘れずに返却しましょう。

手順⑦退職完了

代行業者が手続きを行ったら、退職が完了します。なお、退職までには退職を連絡してから通常2週間程度かかります。依頼したらすぐに退職できるという訳ではありません。退職完了後、業者によってはアフターサポートがあります。失業手当の手続きや、再就職を支援してくれる業者もあるので、必要であれば依頼しましょう。

以上が退職代行サービスを利用する際の流れです。ここまで解説した流れは一般的なものですが、業者によって流れは異なります。今回ご紹介した流れと異なる可能性も十分にありますので、指示に従って手続きを進めるようにしてください。

退職代行サービスを利用すべきおすすめの人

退職代行サービスは、退職できないと悩む方にはとてもおすすめです。特に、以下のような方にはサービスの利用をおすすめします。

【退職代行サービスを利用すべきおすすめの人】

  • 出勤するのが辛く今すぐに辞めたい
  • 会社との人間関係が悪く言い出しづらい
  • 上司からパワハラを受けている

上記のような方は、退職代行サービスを利用するのがおすすめです。おすすめする理由について、この後の項目で詳しく解説します。

出勤するのが辛く今すぐに辞めたい

出勤するのが辛くて今すぐに辞めたいと感じている方は、退職代行サービスを利用しましょう。代行サービスを利用すれば、出社せずに退職することも可能です(有給残日数により異なります)。

退職代行というと、パワハラやセクハラなど人間関係で悩んでいる人が使うといったイメージがあるかもしれません。しかし、体調不良で出勤が辛い場合でも、代行サービスは利用できます。精神的に追い込まれている方や、体調が優れず出社が大変な方は、代行サービスの利用をおすすめします。

※「当日の朝」へリンク飛ばす

会社との人間関係が悪く言い出しづらい

会社の人間関係が悪く、退職したいと言いにくい方も、代行サービスを利用するのがおすすめです。代行サービスを利用すると、自分で退職意思を伝える必要がないので、ストレスなく退職できます。

上司と相性が合わない方や、職場の雰囲気そのものが合わないと感じる方もいるでしょう。しかし退職したいと言い出せないと、ストレスを感じる状況がずっと続いてしまいます。より良い仕事環境を獲得するためにも、勇気を出して代行サービスに問い合わせてみてください。

上司からパワハラを受けている

上司からパワハラを受けている場合は、早急に退職代行サービスを利用しましょう。パワハラを受けていると、恐怖心から退職したいと言い出せなくなります。しかし、退職しないかぎりあなたの心身は消耗し、状況は悪化するばかりです。

パワハラをするような上司のいる職場に留まっても、メリットはありません。退職したら他の人に迷惑がかかると感じるかもしれませんが、それは会社が考えるべきことで、労働者が背負うべき問題ではないのです。ご自身の健全な生活を取り戻すために、退職代行サービスの利用を前向きに検討してみてください。

退職代行を使う前にやっておきたい3つのこと

実際に退職代行サービスを利用するとき、何を準備すれば良いか疑問に思われる方もいるでしょう。

そこで、退職代行サービスを利用する前に、やっておきたいことについて紹介します。

【退職代行を使う前にやっておきたい3つのこと】

  • 有給休暇の残り日数を確認する
  • 貸与物の返却に向けて準備する
  • (社員寮の場合)引越し先を見つける

有給休暇の残り日数を確認する

退職する意思が固まったら退職前に有給休暇を確認しましょう。退職の意思は2週間前に伝える必要があると法律で定められているからです。

もし有給休暇があるならば、消化するかどうかを事前に決めておくことが必要といえます。退職代行業者に相談した際にも聞かれるはずですが、事前に決めておかないと損する可能性があります。

民法 第六百二十七条

1 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

【引用:民法 第627条】

無期雇用の場合、有給が残っていたら有給を消化してから、労働者の権利として退職することができます。有給が10日以上残っていたら、2週間会社に出社しなくても退職することが可能です。

有給が10日未満の場合の具体例。

【14日(2週間)後に仕事を辞める場合】

[条件]

・有給7日 + 土日休み4日=11日✕(3日不足)

有給が10日未満の場合、2週間に足りないため、上記の例でいうと不足の3日間は欠勤扱いになります。そのため、退職が決まったら有給の残数をしっかり確認しておきましょう。

貸与物の返却に向けて準備する

退職代行を利用する前に、会社からの貸与物をすぐに返却できるよう準備しましょう。車通勤や出張が多い場合は思わぬところに貸与物がある可能性もあります。

会社へ返却が必要なものを、以下のようにまとめました。

  • 健康保険被保険者証
  • 社員証、ID、名札
  • 会社の鍵、オフィス入室時のセキュリティカードキー等
  • 会社からレンタルしているパソコン、ポケットWIFI、モバイルWIFI
  • 支給品の携帯、スマホ
  • 制服や作業着、ユニフォーム
  • 名刺(社外で交換した名刺も原則として会社へ返却)
  • 仕事関係の書類やデータ(USBメモリやデータカードも含む)
  • 会社購入の文房具、書籍
  • その他備品

健康保険証など退社までに必要なものは「郵送で返却」でも問題ないかを事前に確認していたほうがよいです。

また、会社・オフィスへ残している荷物を回収しておくことも忘れてはいけません。なぜなら、せっかく退職が決定したのに荷物があるせいで再び会社へ行かないといけない可能性があるからです。

特に、ロッカーや更衣室は従業員に貸与しているだけで、所有権は会社側にあります。いらないから捨てていいと考えていても、会社側が破棄しないで引き取りを要望した場合は応じなければなりません。

最悪のケースでは法律をもとに民事訴訟される可能性があるので、事前にすべて確認しておきましょう。

(社員寮の場合)引越し先を見つける

社員寮で生活している方は、退職する前に引越し先を見つけておきましょう。なぜなら、事前に引越し先を見つけていないと、社員寮は退職と退去しないといけないからです。

そして、会社を辞めてから住む場所を探した場合、すぐに見つからなくて路頭に迷うかもしれません。実家に戻らない場合は、退職代行を使う前に新しい引越し先を見つけておきましょう。

退去は引っ越し準備だけでなく、他にも手続きが必要となります。転居に必要な手続きは、以下の通りです。

  • 転出届の提出
  • 電気・ガス・水道の転居手続き
  • 固定電話・インターネットの移転手続き
  • 郵送の転送届

どちらにしても退職が決まったら社宅や寮は出ていかないといけないので、所有物を全て回収した上で次の住まいは早めに準備しておきましょう。

退職代行を利用する4つのメリット

退職を考える労働者に代わり退職の処理を行うのが退職代行サービスです。サービスを利用すると、トラブルもなくスムーズに退職できます。ここでは退職代行サービスを使う4つのメリットについて、見ていきましょう。

【退職代行を使う4つのメリット】

  • 会社に行くことなく退職できる
  • 上司と話す必要がない
  • 即日退職もできる
  • 退職後に揉めることがない

会社に行くことなく退職できる

退職代行サービスを利用する1つ目のメリットは、会社に出社しなくても退職できるということです。通常、会社を退職する場合、会社に出社し対面で上司や責任者に退職する意思を伝え退職届を提出する必要があります。

例えば、制服や備品などの貸与物の返却をいつまでにどのような方法で返却すればよいのか確認する必要もあるのです。

また、会社に出社して、上司や責任者に退職を伝えると「必要以上に引き止められて結局辞められない」という話もよくあります。

退職代行サービスを利用すれば、本人に代わって退職の意向を会社に伝えられ、会社に出社することなく退職することができるのです。退職届の提出や貸与物の返却はすべて郵送になるため、スムーズに退職することができます。

退職代行サービスが間に入るだけでも、依頼者の精神的負担を大きく減らせるでしょう。

上司と話す必要がない

退職代行サービスを利用する2つ目のメリットは、上司や責任者に対面で話す必要がありません。パワハラやセクハラをの被害にあうことなく退職することが可能です。また、パワハラと同様にモラハラも退職理由として認められます。

そもそも退職代行サービスとは、依頼者の代わりに会社へ退職の意思を伝えてくれるサービスのことです。法律上、会社を辞める際は直接会社に退職をつげなければならないという規定は定められていません。

例えば 依頼者が対面で対象の意思を伝えると引き止められるケースもあります。会社や上司の勝手な都合で引き止められているケースもあるので注意が必要です。

  • 会社の事業計画上、今辞められては困る
  • 退職者を出せば上司の責任になる
  • 後任が決まるまで待って欲しい

そのため、退職代行サービスの利用自体は違法性がなく、正当な退職方法の1つなので、当日の朝にでも退職代行を使うこともできます。

即日退職もできる

退職代行サービスを利用する3つ目のメリットは、当日の朝でも即日退職することができます。即日退職もできるケースは、以下の通りです。

  • 有給が14日以上残っている
  • 有給が残っていなければ欠勤扱い
  • 会社に責任があれば2週間未満でも退職できる(パワハラ、残業代未払いなど)

民法627条の規定により、退職代行も解約の申し入れに当てはまるので退職は可能ですが、その後2週間を経過しないと正式に辞められません。

そのため、有給が14日以上残っていれば、有給を消化してから退職することができるため実質即日退職となります。なぜなら、有給の消化は労働者の権利として認められているからです。

また、上司からのパワハラやセクハラなどを受けている場合、退職の意思を直接会社に伝えることは難しいです。そのため、退職代行サービスを利用すれば、スムーズにやむを得ない事情として即日退職することもできます。

民法第628条では、当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができると定められています。

下記ページでは、退職代行 即日退職について詳しく紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。

退職代行は即日でも利用可能!円満退社のために気をつけるべきこと

退職後に揉めることがない

退職代行サービスを利用する4つ目のメリットは、退職後に揉めるトラブルがありません。退職についての知識が豊富なスタッフがサポートしてくれるからです。

例えば、退職代行サービスを利用したことで、「会社から訴えられないか」「損害賠償請求をされないだろうか」と不安に感じる人もいるでしょう。結論からいえば、訴えられることはありません。労働基準法にも次のように定められているからです。

【労働基準法第16条】

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない

また、退職代行のサポートとして、転職するまでサポートしてくれる退職代行もあります。退職してもすぐに新しい会社で活躍したいなら、転職サポートがついた退職代行を選びましょう。

基本的に退職代行サービスの退職率は100%なので、辞めたいと思ったときに会社を辞められます。

退職代行サービスを利用する際の3つの注意点

退職しにくい時に便利な代行サービスですが、利用に際してはいくつかの注意点もあります。特に、高圧的な上司に悩んでいる場合や、正しい手続きを踏まなかった場合は、トラブルに発展する可能性もあるので注意しましょう。

【退職代行サービスを利用する際の注意点】

  • 退職代行経由での退職を認めない会社がある
  • 有給が認められない場合がある
  • 懲戒解雇になる可能性あり

上記のように、会社による圧力や退職に関する法律によって、トラブルが発生する可能性があります。この後の項目では、代行サービスを利用する注意点について詳しく解説するので、利用を考えている方は参考にしてください。

退職代行経由での退職を認めない会社がある

退職代行経由で退職しようとしても、会社によっては認めてくれないケースがあります。「就業規則で認められない」「直接言いに来ないと辞めさせない」など高圧的な態度を取られることもあるでしょう。しかし、労働者が任意に退職できることは、民法によって認められています。

民法 第六百二十七条

1 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

【引用:民法 第672条

上記のように、就業規則の内容に関わらず、雇用の期間の定めのない労働者は『いつでも解約の申入れをすることができる』と定められているのです。退職の2週間前には退職意思を伝える必要があるので、注意しましょう。

ただし、雇用の期間の定めがある場合は、民法628条で『やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる』と規定されています。

民法 第六百二十八条

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

【引用:民法 第678条

病気や親族の介護などやむを得ない場合は、即日での退職も可能です。ただし、よほどの理由がない限りはその日に退職することはできません。

有給が認められない場合がある

「急に退職するなら、有給は取らせない」「そんな無責任なやつに有給は与えられない」など、有給消化を阻止しようとしてくるケースもあります。しかし、有給消化を請求通りに取得できるのも、労働基準法で認められている権利です。

労働基準法 第三十九条五項

使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

【引用:労働基準法 第39条

上記のように、労働者は自分の取りたい時期に有給休暇を取れます。有休が希望通りに取れないのは、事業運営に大きな影響が出る時期だけです。しかし、退職する際は振り替えができないので、会社からの要請で有給取得時期をずらすこともできません。

懲戒解雇になる可能性あり

退職代行サービスを利用する時に注意しなくてはならないのが、懲戒解雇のリスクです。正しい手順を踏まないと、退職ではなく懲戒解雇の扱いになってしまう可能性があります。懲戒解雇になってしまう主な要因は、以下の通りです。

【懲戒解雇になってしまうケース】

  • 犯罪行為
  • 会社に多大な損害を与えるような行為
  • 経歴詐称
  • 長期無断欠勤
  • セクハラ・パワハラ
  • 機密情報の漏洩

特に注意しなくてはならないのが「無断欠勤」です。会社が辛いからと、連絡をせずに欠勤し続けると、懲戒解雇の原因になります。どのような形で退職するにしても、無断欠勤だけは避けましょう。

しかし、退職する本人が大きなペナルティを犯していない限り、懲戒解雇にはなりません。「退職代行を使うなら懲戒解雇にするぞ」と言われるかもしれませんが、退職代行を使うのは懲戒解雇の理由にはなり得ないと考えるのが一般的です。脅しに屈することなく、退職代行を利用しましょう。

退職代行についてよくある質問

退職代行についてよくある質問をまとめています。疑問をお持ちの方はぜひ参考にして下さい。

【退職代行についてよくある質問】

  • 弁護士依頼との違いは?
  • 当日の過ごし方は?
  • 業者を選ぶときのポイントは?
  • 退職について就業規定があっても退職できる?

弁護士依頼との違いは?

下の記事を参考にまとめてください。

退職代行サービスには3つの形態があり「民間業者」「労働組合」「弁護士」それぞれ特徴が異なります。

  民間業者 労働組合 弁護士
おすすめな方 ・ただ辞められればよい方

・有給休暇が十分に残っている方

コストを抑えたいが安心感は欲しい方 会社とトラブルになりそうな方
料金相場 20,000円~50,000円 20,000円~30,000円 30,000円~100,000円
会社に退職を伝える
企業との交渉

(有給消化、退職時期の調整、未払い給与など)

※訴訟にも対応可

裁判の代理人

民間業者の場合、退職の意思を代行で伝えることは可能ですが、企業との交渉(有給消化、退職時期の調整、未払い給与など)などの法的事務はできません。

このような法的事務に対応できるのが、弁護士に依頼する退職代行サービスです。労働組合が運営している退職代行サービスでも「団体交渉権」により企業との交渉を代理で行うことができます。

弁護士の退職代行サービスの強みとして、損害賠償や起訴などについても対応できることです。利用する際は、自分の状態がどの退職代行サービスに合っているのか判断すると良いでしょう。わからないときは、一度、退職代行へ相談してみるのも良いです。相談自体は無料で対応してくれるので、安心して相談できます。また、24時間365日対応している退職代行が多いので、空いた時間に相談しましょう。

当日の過ごし方は?

当日の朝、退職代行サービスを利用した場合、会社からの連絡を遮断できるようにLINEをブロックしてネカフェで過ごす方が多いです。もしあらかじめ引っ越しが終わっている場合は自宅で過ごしても構いませんが、なかには直接話そうと押しかけてくる会社もあります。

ただし、直接自宅へ来たとしても応じる必要はありません。所定上の手続きは全て法律をもとに退職代行が行ってくれるので、連絡が来るまで待っておきましょう。

業者を選ぶときのポイントは?

退職代行サービスを利用者すれば、会社から引き止められたりすることなく辞めることができます。退職代行サービスを行う業者は増えてきていることもあるため、退職代行を利用する人が業者を選ぶポイントについてお答えします。

  • 連絡がスムーズか
  • 支払いなどの手続きがスムーズか
  • 退職成功した人の評判・口コミ

退職代行を選ぶときのポイントとして、連絡のスムーズに取れる業者を選んだほうがよいでしょう。多くの退職代行が24時間356日対応しており、LINEや電話で相談にのってくれる退職代行サービスはスピード感のあるレスポンスが期待できます。

次に、退職代行サービスが退職代行を実行してくれるのは、支払い手続きが完了したときです。支払いの手続きが遅くなると、退職日に間に合わない可能性があります。

そのため、連絡がスムーズに取れ料金の支払い対応もスピーディーに対応してくれる退職代行を選ぶと良いでしょう。

また、インターネットから退職成功した人の評判や口コミを参考にし、実際に連絡してみると良いです。

退職について就業規則があっても退職できる?

就業規則の内容に関わらず、雇用の期間の定めのない労働者は「いつでも解約の申入れをすることができる」と法律で定められているため、退職できます。社内の就業規則よりも法律が優先されるからです。

ただし、退職の2週間前には退職意思を伝える必要があるので、注意しましょう。

民法 第六百二十七条

1 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

【引用:民法 第627条】

まとめ

退職代行サービスは、退職する勇気が出ないという方にぴったりのものです。自分では言い出しにくい方から、劣悪な職場環境に悩む方、体調不良で出勤が辛い方など、退職するか悩んでいる方全員におすすめできます。

退職代行サービスを利用する際は、有休残日数に注意しましょう。有給がまったくない場合、退職届を提出してから原則2週間は在籍期間になるので、出社義務が生じます。伝えてから一切出社したくない場合は、退職希望日の2週間前に退職意思を伝えておきましょう。

退職代行を利用するのに、後ろめたさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、代行サービスを利用する方は年々増えています。違法なものでもなく、むしろトラブルなく退職するのに役立つサービスです。この記事をご覧のみなさまの助けになるものなので、ネガティブに考えず、ぜひ利用を考えてみてください。

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