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違法な扱い受けていませんか?労働者の人権を認識しよう

違法な扱い受けていませんか?労働者の人権を認識しよう

最終更新日 2022年12月25日

近年、ブラック企業が社会問題となっています。
会社が労働者の人権を無視した場合は罰則が科される事があります。
この記事では法律に定められた労働者の人権について解説していきます。

最低の基準を定めた法律

労働条件の最低基準を定めた日本の法律が労働基準法です。
最低基準なのでこの法律を守らない会社があってはいけないという事です。

労働基準法違反が確認された会社は厳しく罰せられます。
労働基準法には労働時間や賃金などについて様々な記載がありますが、今回は労働者の人権についての記載にスポットを当てます。

最低限の人権

労働基準法により、会社は最低でも以下の決まりを守らなくてはなりません。

①労働者を平等に扱わなければならない
②男女で賃金を差別してはならない
③強制労働させてはならない
④他人の就業に介入して利益を得てはならない
⑤公民権を行使させなければならない

それでは一つ一つ解説していきます。

①労働者を平等に扱わなければならない


会社は労働者の国籍、信条、社会的身分を理由に差別的扱いをしてはいけません。

賃金、労働時間はもとより社宅や解雇、職場の安全衛生等についても平等に取り扱わなければいけない事になっています。

つまり、「労働者の思想が気にくわないから賃金を減らす」「外国人だから社宅には住ませない」「有名人の親族だから手当を出す」等という事は許されないのです。

その一方で、正社員とアルバイト等の雇用条件による違いは「社会的身分」とはみなされないため、待遇を分けても良い事になっています。

また、性別についてもこの決まりでは差別的扱いを取り締まれません。
男女による賃金の差別については次の②の決まりがあります。

会社が労働者を平等に扱わなかった場合
6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金

②男女で賃金を差別してはならない

会社は労働者が女性である事を理由として賃金について差別的取り扱いをしてはなりません。

ここでいう賃金とは賃金額だけでなく、諸手当や支払い頻度についても指しています。

その一方で、職務、能率、技能、年齢、勤続年数等によって個人的差異が生じても本条違反ではないとされています。

男女差別について、労働基準法には賃金以外の記載がなく、昇進等で女性を差別する事は別の法律(男女雇用機会均等法)にて禁止されています。

会社が男女で賃金を差別した場合
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

③強制労働させてはならない


会社は暴行、脅迫、監禁、その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって労働者の意思に反して労働を強制してはいけません。

現実に労働者が労働しなくても違反になるとされています。

こちらの法律はとても大切な為、こちらの記事にて詳しく解説しています

会社が労働者を強制労働させた場合の罰則
1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金

④他人の就業に介入して利益を得てはならない

法人、私人を問わず誰であっても法律に基づいて許される場合を除き、他人の就業に介入して利益を得てはなりません。

「他人の就業に介入する」というのは例えば他人に職業を紹介して働かせ、他人が得た給料から報酬を貰うなどの事を指します。
しかし、労働者派遣については他人の就業に介入したことにはならないとされています。

また、労働者が違反行為を行い、実際には法人が利益を得ていた場合であっても労働者について違反が成立しますので注意が必要です。

他人の就業に介入して利益を得た場合の罰則
1年以下の懲役または50万円以下の罰金

⑤公民権を行使させなければならない

会社は労働時間中であっても労働者から公民としての権利行使や公の職務を執行する為に必要な時間を請求された場合に拒んではいけません。

選挙の投票などが公民としての権利にあたり、裁判の証人などが公の職務に当たります。
拒むことが禁止されているので拒んだだけで違反となってしまいます。

しかし、会社は請求された時刻の変更が可能であり、労働者が公民権を行使している間は無給でも良いとされています。

会社が公民権を行使させなかった場合の罰則

6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

違反かな?と思ったら

労働基準法に書かれている労働者の権利について見ていきました。
労働基準法は最低の基準を定めた法律であり、最低限の人権を保障しています。

会社の利益を考えるのも大切な事ですが、後に入ってくる労働者の為にも労働基準法違反を容認してはいけません。
会社が違反をしていると思ったらお近くの労働基準監督署にて相談してみましょう。

ライター:キタガワ

EXIT株式会社で一番最初の社員。労働組合でボランティアをしている。こちらのブラック研修の記事も要チェック

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