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あなたの会社は「普通の」会社ですか?「異常な」会社からの洗脳を解いて退職するには?

あなたの会社は「普通の」会社ですか?「異常な」会社からの洗脳を解いて退職するには?

最終更新日 2023年3月5日

どんな会社を退職する場合でも円満退職であることに越したことはありません。
円満退職である為には、自分が退職したいと思った理由を正直に話し、今までの感謝の気持ちを述べ、たとえ引き止めにあっても自分の意思を誠実に伝え続ける事が重要です。

といった綺麗事を言っていられるのはそこが「普通の会社」であった場合です。
残念ながら世の中には「異常な会社」があるものです。
ここで言う「異常な会社」とは、例えば退職届を受理しないと言ってくる会社などです。

しかし、このような会社は本当に稀です。

退職代行業に従事している筆者は退職者のサポートを数多く行ってきましたが、このような会社は200社に1社あるかないか程度です。
ですが、このような会社に勤められている方からすれば退職は一苦労です。
そこで今回はこの「異常な会社」を退職する際に心がけることを書いていこうと思います。

会社の洗脳を解け!


まずはじめに、この記事には当たり前の事しか書かれていません。

しかし、退職代行業に従事している筆者の経験上、日本の労働者は自分の持っている当たり前の権利が分からなくなっている人が多いと感じます。
特に異常な会社というのは社員を洗脳し、うまく利用しようとする為、心の優しい人や自分の意思をうまく伝えられない人が餌食になっています。
ここで当たり前のことをもう一度認識し、会社の洗脳を解きましょう。

退職届を受理しない、辞めたら訴訟を起こすと言う会社

勘違い→会社が退職させないと言ったら退職が出来ない。
損害賠償をすると言われたら確実に損害賠償させられる。

事実→本人の意思が揺らがない限り、会社を辞められないことは事実上ありえない。損害賠償をさせるかどうか決めるのは会社や弁護士ではなく裁判所である。退職によっての損害賠償が裁判所で認められるケースは希少であり、損害賠償が単なる脅し文句として使われることが多い。

対処法 退職届と会社の貸与物を郵送してしばらく出勤しない。

辞めると伝えても「辞めさせない」と言う上司や、退職届を提出しても「受理しない」と言ってくる社長がいます。
しかし、それはその人達が勝手にそう言っているだけで現実的に辞められないという事はありえません。
通常、退職届を提出すれば不受理は認められないので退職届を郵送でも送りつけてしまえば退職することは基本的に可能です。

ですので退職する際は退職届と会社から借りたものを提出する事だけは忘れないようにしましょう。

その後、出勤をしなければ基本的に会社は退職手続きを進めざるを得なくなります。
働かない従業員をいつまでも雇っておくことは会社の負担になる為、いつまでも雇っておくことは通常、起こりえないでしょう。

「退職届を受理しない」等と言う会社には内容証明郵便で退職届を送付すると郵便局にも記録が残り、退職届を提出したという証拠にもなります。

内容証明郵便で退職届を送っているのにいつまでも退職手続きを進めない会社が仮にあった場合にはお近くの労働局の総合労働相談コーナーに相談に行き、あっせんをしてもらうことも可能です。

会社が書面で脅しをかけてくる場合はこちらの記事をご覧ください。

しつこく連絡をしてくる会社

勘違い→会社からの連絡には出なければならない。
事実 →会社からの連絡に出なければならない義務はない。

対処法 着信拒否をする、ブロックをする。
連絡先を変える。
しつこい場合には警察に相談をする。

まず、大前提として出たくない電話に出なければならない決まりはどこにもないため連絡に出るか出ないかは自由となります。
会社に迷惑をかけたくないという思いもどこかにあるかもしれませんが、会社の人と話したくない気持ちが勝るのであれば出る義務はないという事です。

何度も連絡してくる会社の連絡先は拒否設定する事が出来ますよね。
違う連絡先で何度も連絡をしてくる悪質な会社もありますが、全て拒否するか、根気強く放置するといった方法もあります。
あまりにもひどい場合には迷惑行為として警察に相談するのもひとつの方法でしょう。「様子を見て下さい」と言われることもありますが困っていることをアピールし「被害に遭っているので会社に連絡してください」と言う事が大切です。

家まで押しかけてくる会社


勘違い→会社の人が訪問してきたら応対しなくてはならない。
事実→応対する義務はない。

対処法 ドアを開けない。
同居人にもドアを開けないで欲しいと伝える。
事前に社宅を出ておくか、宿泊施設等に一時避難する。

こちらも電話と同様、応対しなければならない義務はどこにもありません。
気を付けなくてはならないのが同居人がいる方と社宅に住まれている方です。

同居人がいる方
訪問してきた時、同居されている方が良く分からないままに部屋に通してしまうと普通に部屋に入れてしまう事になります。
訪問をしてくるような会社だと分かっている場合には予め同居人に説明をして、会社の人や知らない人が来てもドアを開けないように伝えておくと良いでしょう。

社宅に住んでいる方
また、社宅に住んでいる方も気を付けなくてはなりません。
社宅の合鍵を会社が所持していることがあれば、その鍵を使って侵入してくるかもしれません。
当然、非常識な行動ですが家まで押しかけてくるような会社は何をするか分かりません、十分に警戒しましょう。
社宅を退去しておくのが一番良いですが、間に合わない場合にはネットカフェやカプセルホテルなどに避難するのも一つの手でしょう。
避難が難しく、不安な場合には予め警察に状況を説明し、社宅の住所を伝えておき、何かあったらすぐに来てもらえるようにしておくと良いでしょう。

~○○会社の方の訪問お断り~
家にまで来ることが予想される場合にはあらかじめドアの前に○○会社の方(自身の会社)の訪問お断りと書いた紙か何かを貼り付けておく方法も有効です。
刑法第130条には「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する」と書かれています。
お断りという紙を無視して会社の方がチャイムを鳴らしたり、ドアを叩いたり、居座ったりした場合は刑法130条違反という事で警察に来てもらいましょう。

給料を支払わないという会社


勘違い→会社が給料を支払わないと言えば支払われない。
事実 →働いた分の給料が支払われないという事はあってはならない。労働基準監督署に相談し、それでもだめなら民事裁判を起こすことが出来る。

働いた分の給料は支払われなくてはなりません。
退職時に給料を支払わないと言ってくる会社はなかなかなく、退職代行に従事する筆者も1社しか見たことがありません。
給料日になっても給料を支払わない場合には労働基準監督署に伝えて指導をしてもらうか、民事裁判を起こすことが可能です。
しかし、「給料を支払わない」ではなく「手渡しでしか渡せない」と言われているとしたら必ずしも不当な要求とは言えません。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

書類を発行しない会社

勘違い→会社が発行してくれないのであれば泣き寝入りするしかない。
事実→退職書類を発行するのは会社の義務であり、故意に発行しない場合には罰則が設けられていることがある。

通常であれば退職時には離職票や源泉徴収票といった書類を受け取ることが出来ます。しかし、受け取りの希望を出してもしらばっくれる会社もあったりします。
その際の対処法についてはこちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

有給を使わせないと言う会社

勘違い→会社が有給を使わせないと言ったら有給が使えない。
会社で決まった有給届を出していなければ有給が使えない。

事実 →労働者には有給を使う権利がある。
口頭やフリーフォーマットの書面の送付でも要求が可能であり、正当な理由がなければ会社は拒否が出来ない。

労働者には有給を使い切って退職する権利があります。
書面で有給消化の希望を送っても有効となります。こちらは規定の有給届ではなくても有効です。

書面には署名、押印を忘れないようにしましょう。市区町村役場で印鑑登録をした印鑑で押印し、印鑑証明書を送付すれば本人確認にもなります。

有給の消化が拒否されるという事は基本的にはあってはならないので会社が拒否してきた場合には理由を聞きましょう。
「有給の届を出していないから」「非常識な辞め方だから」といった理由であれば不当であると言えますので労働局の総合労働相談コーナーが相談に乗ってくれるはずです。
有給の詳しい知識についてはこちらの記事を参考にしてください。

まとめ

日本人は自己主張をしないと世界的に言われています。
優しい人が多いという事ですが、その陰で自己主張をしない人たちを手玉に取ろうとする一部の汚い大人が日本にいる事も事実です。
今はインターネットを使えば自分の知りたいことが簡単に検索できる時代、まずは自分の持っている権利をしっかり認識しましょう。
権利を行使するかどうかは個人の自由ですが知っていて行使しないのと知らなくて行使できないというのは全く違う話です。無知な人を自分の都合の良いように洗脳しようとするような人たちには絶対に負けないで欲しいというのが筆者の願いです。

また、退職をすることは全く悪いことではなく、次の転職でどうにでもなります。詳細は下記の記事をご覧ください。

参考: 短期離職は人生の終わり?短期離職をしてもなんとかする方法を徹底解説 | GOAL-B MAGAZINE

ライター:キタガワ

1番最初のEXIT社員、労働組合でのボランティア活動を継続中。こちらのブラック研修の記事も要チェック

◎EXIT ?退職代行サービス?とは?

EXIT株式会社が提供するサービスで、「会社と連絡を取りたくない」などの退職におけるさまざまな問題に合わせ、退職に関する連絡を代行してくれる。相談当日から即日対応が可能で、 会社との連絡は不要。離職票や源泉徴収票の発行確認など、退職後のフォローも行ってくれる。

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